田原総一朗×上杉隆「私が体験した『政治とカネ』のすべて」vol.1民主党政権も明かせなかった「政界とメディア」最大のタブーに挑戦する

2010年06月04日(金) 田原総一朗
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上杉:宮澤(喜一)さんでしたっけ? 小渕(恵三)さんでしたっけ? 田原さんがサンプロで電話で結んじゃったの。

田原:あれ、小渕さん。正月に、小渕さんに携帯電話したら出ちゃったわけ。「今サンプロの本番中なんですが、正月だから何か国民にあいさつしませんか」と言ったら、あいさつしちゃったの。

上杉:それでだめなんですか?

田原:それでね、大騒ぎになっちゃった。テレビ朝日を記者クラブから追放するということで大騒ぎになった。

上杉:なんの理由で追放するんですか?

田原:記者クラブは、あれは開放じゃなくて、閉じるほうですから。いっぱい閉じる条件があって、例えば総理大臣に聞くのは順番があるんですね。例えばNHKがやる、日本テレビがやる、またNHK。今度TBSで、またNHKがやると。その順番はずして、突然小渕さんが電話に出てくるっていうのは、要するに記者クラブの違反であると。

上杉:え、でも、小渕さんは田原さんの番組に出る、田原さんと話をすると言ったわけですよね? 総理が。なんで総理がいいって言ってるのに。

田原:総理には文句言えないんでしょうね。だからテレビ朝日に文句を言ったんです。

上杉:本末転倒というか。

田原:だからね、記者クラブというのはある意味では、例えば各省に、あるいは官邸に、権利をとったんですね。権利をとったら今度は守ることになっちゃったんですよ。連合と一緒なんですよ。ぼくは連合という組織は、日本で一番悪い存在だと思ってる。なぜかというと、つまり正社員を守るんですよね。

 連合は、正社員を守るために、派遣労働者とか、非正社員とか(しわ寄せが)出てくるわけね。これと同じように、記者クラブも記者クラブの会員だけを守ろうとしてるの。会員以外はいかに排除するかっていうのが記者クラブでしょうね。

記者クラブのアパルトヘイト

上杉:さきほども樽床さんに質問した内容もそうなんですけど、国民の「知る権利」、情報公開の立場から考えたら、世界中で普通にジャーナリズムがやっているのは、ときの権力者、為政者の言葉を国民に伝えるために聞きたい、と。

 これ普通ですよね? 田原さんが小渕さんに話をしてくれと言ったら、結果的に国民は田原さんの番組を通して小渕さんの言葉を知るんだから・・・。

田原:記者クラブの特権を踏みにじったということになるんですよ。

上杉:特権、記者クラブって、だって。

田原:特権階級なんですよ。

上杉:でもめざすところは記者ですよね、記者クラブっていうんだから。

田原:うん、記者。

上杉:だったら国民に情報を提供するという・・・

田原:それは記者クラブに入っている人から国民に提供すると。記者クラブに入ってない田原や上杉は、そんなもん人間じゃないと。

上杉:アパルトヘイトですね。

田原:アパルトヘイト。一種の。だけど、今日の樽床さんへの質問の話、みんなフリーの記者ですね? 新聞記者は質問しないですか?

上杉:一番最初がフジテレビの和田圭さん、2番目が僕で、3番目が朝日新聞だったと思いますね。

田原:なるほど。

上杉:ばーっと手を挙げるんですけど。はっきり言っていつも、フリー化された会見の傾向なんですけど、岡田(克也)外務大臣、亀井(静香)金融大臣、亀井さんはフリーだけにしてますけれど、原口(一博)総務大臣もそうですし、あと小沢(一郎)幹事長のときもそうでしたけど、だいたい手を挙げるのってフリーなんですよ。

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