田原総一朗×上杉隆「私が体験した『政治とカネ』のすべて」vol.1民主党政権も明かせなかった「政界とメディア」最大のタブーに挑戦する

2010年06月04日(金) 田原総一朗
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上杉:私が質問したあと、民主党会見はオープンですから、フリーランスのJANJANの田中龍作さんという方が、また同じ質問かぶせたんですね。

 これまた「わからない」と。その後、やはりフリーランスの畠山(理仁)さんがもう1回かぶせたんですね。

「これは民主党の公約です。ずっと約束してたのにどうしてそういうことを言うんですか? 方針だけでも示すべきじゃないか」と言ったら、「いろんな方のいろんな意見があるので、様子を見ます」と。それでは今の鳩山政権より後退なんです。ご自身の政策もない、というか自分の党の公約も読まれてないのか、と。

 そういう意味で基本的に立候補するんだったら、それくらいせめて用意してると思っていたから、期待がドンと落ちた。

田原:なんのために立候補したんですか? 何をするんだと言ってましたか?

上杉:マックス・ウェーバーの言葉を引いて。

田原:マックス・ウェーバー!?

上杉:政治というのは情熱で、岩盤に穴をあけるのにトンカチや何かを使った地道にやる作業だと。民主党の若返り、というのと、あとはっきりしないんですが、あたらしい形のシステムというか、意識のもとやりたいと。「世代交代」という言い方をしてましたね。

 今の鳩山、小沢の両氏と、呼び捨てにしながら言ってましたけど、そのやり方ではない民主党を、クリーンな党を見せるんだという言い方をしていました。そのへんは抽象的でわかりにくかったです。田原さんご存じだと思いますが、樽床さんの弁舌は非常に見事なんで、通る声だったんですが、質疑応答の中身となると、不安がよぎる。

 特に沖縄に関しては、合意文書を「踏襲する」という言い方をしながらも、鳩山さんの両院議員総会の昨日の会見の話を、「思いを大切にする」と言ったんです。

田原:思いね。

上杉:ええ、鳩山さんの昨日の会見は事実上「常時駐留なき安保」に戻ってるわけですよね? だからそれも聞いてないのかな。心配だな。

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