◆西武9−0中日
これが最後と割り切るしかないか。パ・リーグを代表する右腕はやっぱり好投手だった。西武・岸の前に中日打線は今季最少タイの2安打。1度も三塁を踏むことなく完封勝利を献上した。
「これで9タコです。タイミングが合わない? 分かりません」
首位打者を独走する森野が歯が立たない相手、それが岸だった。昨年は6打数無安打。そして今年は1回2死からの左飛に始まり、捕邪飛、遊飛の3タコ。まったく自分の打撃をさせてもらえずに2年間で9打数ノーヒットだ。今年も攻略できずに対戦を終えたが「(最後で)よかったです。あしたです」と前を向くしかなかった。
頼みの主砲も沈黙だ。ブランコは昨年、2試合で3本塁打と打ち砕いたのに今年は3打席連続の空振り三振。カーブ、チェンジアップ、ストレート、すべての球種にバットが空を切った。「岸はいい投手だけど、いまはオレの状態が悪いんだ」。ここ5試合で20打数2安打の打率ジャスト1割。問題は相手よりも自分自身。4日のロッテ戦(ナゴヤドーム)でサヨナラ打をマークしたとはいえ、悩みは尽きない。
「それほどストレートはきている感じはしなかった。でも、低め低めに丁寧に投げていたね」。クリーンアップで唯一の安打を放った和田も脱帽した。昨年まで8打数無安打。通算10打数目の5回1死から左中間二塁打をマークしたが、勝利にはつながらなかった。
“岸攻略”という宿題は来年もしくは今年の日本シリーズまでお預け。岸という名前は取りあえず頭から切り離そう。ただ、気になる数字が…。これで4月27日の巨人戦から始まったチームの今季0封負けは5度目。わずか1カ月強で5度は多いだろう。しかも内訳は0−9が3度で0−8が2度。1敗は1敗とはいえ、ちょっと格好悪い大敗が増えている。 (兼田康次)
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