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【自動車産業ニュース】

トヨタが1475億円の営業黒字に 3月期決算

2010年5月12日

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 トヨタ自動車が11日発表した2010年3月期連結決算(米国会計基準)は、本業のもうけを示す営業損益が前期の4610億円の赤字から1475億円の黒字に転じた。黒字回復は2年ぶりで、大規模リコール(無料の回収・修理)の影響を最小限に抑えたほか、グループ全体のコスト削減により収益を改善させ、当初見込みを大幅に上回った。

 純損益も4369億円の赤字から2094億円の黒字に転換。前期からの増益幅は6464億円に上り、業績の急激な回復ぶりを印象づけた。

 就任1年目で黒字化を果たした豊田章男社長は、トヨタ東京本社での決算発表で「やっとスタートラインに着くことができた。本年度がトヨタ再出発の年と考える」と評価。次世代エコカーと新興国市場を「攻める分野」の柱に挙げ、積極的な成長戦略への強い意欲を示した。

 売上高は前期比7・7%減の18兆9509億円。子会社のダイハツ工業、日野自動車を含む連結販売台数は、33万台減の723万台で、国内外のエコカー販売促進策に支えられた。大規模リコールによる収益悪化の影響は、事前に想定した1700億〜1800億円の範囲に収まった。

 一方、グループ全体で取り組んだ緊急収益改善活動の増益効果は計1兆6900億円に達し、年度当初に見込んだ8000億円を大幅に上回った。地域別ではアジアを除いて販売が前期を下回ったものの、改善効果が海外事業体にも波及し、全地域で増益または赤字幅が縮小した。

 ただ、トヨタ単体では、円高や輸出減が大きく響き、売上高が7・3%減の8兆5978億円、純利益は53・8%減の261億円と減収減益。営業損失は3280億円と赤字幅が約1400億円拡大した。

 11年3月期連結決算の業績予想は、売上高が19兆2000億円、営業利益が2800億円、純利益は3100億円の増収増益を見込んでいる。

 

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