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[19151] 【習作】METAL GEAR SOLID+オリキャラ(TS)
Name: 桜井百合◆609a50af ID:57cf3718
Date: 2010/05/30 20:37
このお話は、メタルギアソリッド1にでてくるグレイ・フォックスを
性転換させ、オリキャラとして扱い、さらにたくさんのオリキャラを混ぜたお話です。

しかもゲームのほうは、2,3,4,はプレイ済みですが、肝心の1はプレイしておらず…。

おい、フォックスはこんなこと考えねぇよ。とか思っても、見逃してください。
そして、こんな場所ねぇよ。とか、文章がおかしすぎるだろ というとこがあったら、ご指摘お願いします。

最後に、ゲームをプレイしたにもかかわらず、話をいまいち理解できていません。
ここまで読んで、むりだぁぁぁぁぁぁ!!!!と思った人は戻るボタン連打お願いします。



[19151] 登場人物紹介
Name: 桜井百合◆609a50af ID:57cf3718
Date: 2010/06/06 18:54

 グレイ・フォックス
 
 出生に不明な点が多く、正確な生年や国籍は不詳。
 本名はフランク・イエーガーとされている。1970年時点でCIA工作員、後にFOXHOUND隊員、その後は傭兵として各地を転戦。
 FOXHOUND在籍時は最高の隊員であることを示す「FOX」のコードネームを与えられていた。
 だが今は、生身の身体自体を強化骨格にするという実験が失敗し、
 何故か女の子の姿になってしまった。
 その容姿は、肩まで伸びた金髪。青い瞳。目つきが少しきつい。


 アカネ
 FOXHOUND小隊専用の基地に在籍していた謎の女兵士。
 いつも笑みを絶やすことなく、なかなか顔立ちの整った女性。
 容姿は、腰まで伸びた赤い髪を三つ編みにし、ぶら下げるように後ろで一本に結ってある。目つきは少し丸っこいが、どことなく鋭い。猫のような黒い瞳。
 
 
 ソリッド・スネーク
 いかなる状況下においても任務をこなす、隠密潜入のエキスパート
 身長182cm、体重75kg。1972年、伝説的兵士ビッグ・ボスをクローン技術で再現する「恐るべき子供達計画」によって誕生。
 六ヶ国語に精通し、IQは180。育ての親となった人物は複数いるとされる。
 本作品ではかなりのキャラ崩壊が起こり、ただのヘタレとなってしまう。




[19151] 第一話 失敗。
Name: 桜井百合◆609a50af ID:57cf3718
Date: 2010/05/30 19:49
FOXHOUNDの暗部に所属するFOXの称号を持つ男。グレイ・フォックス。

リキッドに殺された後、またアームズ・テック社に回収され肉体を無理に蘇生させられた。
彼はまだ死ぬことを許されず、これからも人体実験の研究材料として生かされることになった。
フォックスはまたスネークと戦うために訓練をはじめ、日々強くなっていた。
そんなある日、生身の体自体を強化骨格にするという人体実験をすることになり、
その実験を受けたのだが…、


「……………………失敗だと?」
「あぁ。すまない。」
「ふざけるな!!すまないで済まされると思っているのか!?」
「…。」
「生身の体を強化骨格にするんじゃなかったのか!?」
「俺の体は今どうなっている!?ここから出せ!!」
「悪いが、そこから出すわけにはいかない。君の体は今不完全だ。今そのカプセルから出ると死ぬぞ。」
「くそっ!」
実験が失敗したのだった。
(体が自由に動かない…。全身麻酔でも打たれたか?…くそっ。俺の体は…どうなっているんだ…?)
とにかく今はじっとしていることにした。
さすがにじっとしているのはいくらフォックスでも退屈だ。
たまに研究員たちの会話を聞いていると面白いということが分かった。
よく聞くと、仕事にまったく関係のない話をしていたりした。
たまに、フッ と、笑ってしまうことがあった。
気がつけば、以前より笑うことが多くなっていた。
(いかん。俺は軍人だ。感情など必要ないのだ。ましてや笑うなど…。)
そう自分に言い聞かせるが、どうしても笑ってしまう。
顔の筋肉も改造されたのかと思うぐらいに。

そんなある日、警報が鳴った。
『侵入者を発見!増援部隊、ただちに中央棟研究室に向かえ!!』
(中央棟…研究室って…ここじゃないか!)
力が弱っているせいか、気配が読み取れない。
数人の兵士が入ってきて、フォックスの入っているケースを囲む。
「まだ近くにいるはずだ!狩り出せ!!」
一人がそういった瞬間、

フッ

「!?」
「何だ!?」
「明かりが消えた!?」
明かりが消えて、何も見えなくなる。
(くそっ!夜目も利かなくなっている!)
「気をつけろ!まだ近くにいるはずだ!!」
「んぐぅっ!!」
「どうした!?」
「ぎゃああああああああ!!!」
「くそっ!!どこにいる!!」
暗闇から断末魔が聞こえてくる。
(なんだ…!?何が…、いったい何が起こっているんだ!?)
そう思った瞬間、しん…と、音が消えた。
それと同時に、赤い目が、あらわれた。
暗闇にくっきりと浮かぶ、真っ赤な瞳。
体が動かず、どうすることもできない。
相手も、こちらを見ているだけで、何もしてこない。
しばらくしてその眼は、闇に溶けるように消えていった。
(なんだったんだ…?)
しばらくして、いきなり自分の入っているカプセルが、ガシャンという音と共に割れた。
「…っ!?」
液体と共にずるりと落ちる。
(な…、なぜ?と、そんなことよりも逃げなくては。)
ずる…、ずる…と、体を引きずりながら、床を這って移動する。
「アイコンタクト!」
扉の向こうからまた声が聞こえてきた。
(くそっ…!!)
見つかる…!!そう思い、目をつぶった。

「GO,GO,GO!!」







「…誰もいない…?」



[19151] 第二話 狐、脱出、女の姿にて。下痢男も一緒。
Name: 桜井百合◆320f2220 ID:57cf3718
Date: 2010/05/29 15:09
 「ん…?」
 
 気がつくと、そこは森の中だった。
 どこを見ても木で覆いつくされている。
 上半身を起こそうとすると、腰あたりが痛んだ。
 「う…。」
 まだ足に痺れは残っていて、、体は動かせるようだ。
 「どこだ…、ここは…?」
 確か自分は研究所にいたはず。
 もう一度みまわすが、やはり木しかない。
 (もしかして、あの侵入者が…?)
 ふと、そんな考えがうかんだ。
 
 (まさか。有り得ない)
 とにかく、ここがどこかは分からないが、隠れ場所を探したほうがいい。
 「くそ…。足が…。」
 うまく動くことができない。
 「く…、うっ…。」
 仰向けになり、這いずりながら移動する。
 
 その時、誰かの声が聞こえた。
 「ん?誰かいるのか…?」
 「!!」
 隠れる時間もなく、その声の主はすぐに現れた。
 
 ガサッ
 
 「誰だ?こんなところでなにをしている?」
 草をかきわけて現れたのは、額の部分にJの文字が入った覆面をかぶった一人の兵士だった。
 (くそっ!!みつかった!仕方ない、このまま…!)
 手を地面に突き、回し蹴りを食らわせようとする…
 
 「おいで。何もしないから。」
 「」
 …が、予想外な言 に失敗して、手首をひねってしまった。
 「うっ…。」
 「大丈夫か?手を怪我してるのか、ちょっと待ってろ。」
 そういってその兵士はバックパックから治療道具をとりだし、手当てをしてくれた。
 (!?…なんだこの腕は!?)
 自分の腕が嫌に白く、子供の手のように細いことに気がついた。
 「なんだ…これ…。」
 声が出るようになった…、が、かなり高い自分の声にまた驚く。
 (なんだこれ…、まるで…、まるで…、)
 ちら、と、体を見る。
        


          ザ、全裸
    そして少しだけふくらみのある胸
    その下には…………禁則事項です♪


 「な……、な…!?」
 「どうした?」





 「なんじゃこりゃああああああ!!!!!!!?????????」
 「ジャパニーズ松田優作!?」


 祝、女体化!


 

 おまけ 作者のたわごと
 どうも、作者です。
 この話は、ある日ハッと思いついたものです。
 シャドーモセスのあと、もしフォックスが生きていたら…!
 …と、話を考えていくうちにどんどんノリノリになってしまって。
 いや、ほんの出来心なんです。
 あっ!痛い!蹴らないで!
 
 えー…。これから三話以降も投稿していくつもりです。
 所詮中二の女が考える話です。おもしろかったら、笑ってやってください。
 今後もよろしくお願いします!



[19151] 第三話 少女になったおっさん。一人称はやっぱり「俺」。
Name: 桜井百合◆320f2220 ID:57cf3718
Date: 2010/05/30 19:48
 何故か研究所から脱出できたグレイ・フォックス
 ただいま女の子になってます♪
 
 「な、何じゃこりゃああああああああああああああああ!!!!??」
 「ど、どうした!?」
 (どうしたもこうしたも…、何だこれは!?どうして女になっている!!)
 
 「うあぁ…。なぜ…、なぜだ!」
 (ま、まさか!あの実験が失敗したから!?)
 「おい、本当に大丈夫か!?どこか痛むのか!?」
 (うるさい!気が散る!くそっ!ナニをどうしたらこんなことになるんだ!)
 
 「うっ…!腹が…!」
 
 ぐきゅる~
 
 「…?」
 突然、その兵士の腹から嫌な音が聞こえてきた。
 「こ、ここで、…うっ!ま、待っていてくれ…!も、もうだめ…!」
 「…あ、ああ。」
 その兵士はバタバタとどこかへ行ってしまった。
 「………ナニをどうしたら、こんなことに…」
 改めて、自分の体を見てみる
 やましい気持ちは起きないが、なかなか綺麗な肌だった
 「はぁ…。」
 大きくため息をつく。
 顔をぺたぺたと触ってみる。なかなか整った顔立ちのようだ。
 かなり気になるのが、元の姿の年齢よりも若いということだ。
 この体の小ささ的に10代前半…。…何故だ。
 
 「これから…、どうしたらいいんだ…。」
 とりあえず、描写してはいけない部分を手で覆い隠す。
 「クソ…。…まずはここがどこなのかを知らないといけないな…。」
 パニクっていてもしょうがない。とりあえず、情報を集めないと。
 
 そこに、さっきの兵士が腹を押さえながらやってきた。
 「お…おまたせ。」
 「別に待っていたわけではない。それより答えろ。ここはどこだ?」
 「な、なんだよ!と、年上に対して!」
 フォックスの態度にイラつく兵士。
 「…足が震えているぞ?年下の俺が怖いのか?」
 微笑を浮かべながら問うフォックス
 実際はこの兵士より年上だろうが、こんな容姿なので年下と言っておく。
 今のフォックスは、外見はアレだが、その身には確かに兵士としての気迫を纏っていた。
 「こら!女の子が俺とか言っちゃだめだ!そ、それに、震えてなんかない!寒いだけだ!」
 「…確かに寒いな。だが、お前みたいな兵士は、ナノマシンによって暖寒を感じなくなっているはずだが?」
 「お、俺の体にはナノマシンが入っていないんだよ!」
 
 まぁ、そのことは置いておいて…。…本当に寒いな。
 「もう一度聞く。ここはどこだ?」
 今度は少しだけ声を低くして言う。子供の声だとあまり迫力がない。
 だが、この兵士にはそれで十分だったようだ。
 「う…。こ、ここは、えーっと…。あ、あれ!?地図が無い!」
 
 「…」
 場所が分からないようだ。
 (クソッ!なんてついて無いんだ!)
 と、心の中で怒鳴るが、
 「はっくちゅん!」
 実際に口から出てきたのは、かわいらしいくしゃみだった。
 「!!」
 なにしろ衣服を着ていないのだ。くしゃみが出るのは当たり前だ。
 
 だが、だが何故。


 (こんなにもこどもっぽいくしゃみがでるんだああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!)
 
 自分の顔が羞恥に染まっていくのが分かる。
 「ぷっ…くくく!なんだいまのくしゃみ!やっぱ子供だな!」
 兵士が腹を抱えて笑う。
 (くそ!足が動いたら殺すのに!)
 ギッ!と睨むが今の兵士には効果がないみたいだ…。
 
 「ほら、これ羽織れ。」
 存分に笑った後、兵士は、バックパックから大きい毛布のようなものをとりだし、フォックスの体に巻きつけた。
 「…感謝する。」
 
 
 「いいさ。あ、俺の名前はジョニー。ちなみに俺の親父もジョニー(以下略)」
 ジョニーは自分を指差して、誇らしげに話し始めた。
 正直興味がない。
 「兵士がそう簡単に個人情報をばらしていいのか?」
 じと目で問う。
 「………あ」
 間抜けな声とともにハッとなるジョニー。
 「…な、内緒だぞ?」
 ジョニーは少し慌てながら口元に人差し指を当てる。
 「…(こいつ馬鹿だろ。)」
 フォックスは少々あきれ気味にジョニーを見た。
 
 「お前の名前は?」
 「お、俺の名前?」
 うかつに名前を出すと、捕まってしまう可能性がある。
 また実験に使われるのはごめんだ。
 「俺は…。グ…、いや、コリンヌだ!」
 勢いで口から出た偽名…はっきり言ってないわ。
 「コリンヌか。」
 (信じたのか。)
 「あ、そろそろ基地に戻らないとな…。」
 「基地…。お前、どこの所属だ?」
 「FOXHOUNDだ。って、コリンヌ。そんなこと聞いてどうするんだ?」
 フォックスハウンド…。俺が所属していた部隊…。
 こんな場所にも、基地があるとは。
 そういえば、誰にも気づかれないような森林の奥深くに小隊用の基地があるという噂を耳にしたことがあったが、ここのことらしい。
 「俺も連れて行ってくれないか?」
 「だ、駄目にきまってるだろ!」
 「そうか…」
 チッ、と舌打ちをする。
 「お、俺はもう行くからな!気をつけろよ!」
 ジョニーが小走りで去っていって、しばらく待った後、フォックスは、ジョニーは後をつけることにした。
 (もしかしたら、この体をもどすヒントが見つかるかもしれないからな。)
 
 「くっ…。まだ足の痺れが取れてないらしいな…。」
 動かない足に鞭を打って、必死に歩く。
 今敵に見つかれば、間違いなく捕まるだろう。
 基地に行くのは、かなり危険な賭けである。
 それでも、基地へ向かう足を止めない。
 
 いち早く、この姿を戻すために。

 
 おまけ 作者のたわごと2
 思いついたら書く、の繰り返しなので、この先どう進んで行くか、
 作者にもわかりません。
 この話しを読んでいる人に、楽しんでもらえるようにがんばります!



[19151] 第四話 胸無い狐はダンボールを被る。
Name: 桜井百合◆320f2220 ID:57cf3718
Date: 2010/05/29 22:59
 「あれか…。」
 しばらく進むと、小さな基地が見えた。
 ヘリポートはあるようだが、アウターヘブンよりも小さい。
 見張りは、入り口に二人だけ。
 あれをどうやって通過するか…!!
 「…ん?」
 アイディアが、浮かんできた。
 自分の姿は、何故か配達員の格好をして、腰に刀を差した鼻のでかい豚だった。
 シミュレーション

 「ちわーっす。お届けものですぅー。」
 「あっ、どうぞどうぞー。」



 (ばかかおれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!???)
 何故そんな考えが浮かんできたかはわからないが、あきらかに失敗する。それだけは確かだ。
 (はっ!ステルス迷彩…!!…って、ないのか…。)
 元の姿の時が懐かしくさえも思えてきてしまった。
 「うぅー…。」
 頭を抱えてうなる。
 その時だった。

 『おーい、ちょっとこれはこんでくれー』
 『あいよー』
 「…?」

 見張り二人が建物の中に入っていった。
 「よし、絶好のチャンスだ。」
 グッ、とこぶしを握り、木の陰からさっと飛び出す。

 入り口まで行くと、壁に背をつけながら覗き込み、中に誰もいないことを確認する。
 そしてすばやく侵入した。
 「まず衣服を手に入れないとな…。」
 近くにあるロッカーをかたっぱしから調べてゆく。
 17個目ぐらいでやっと服が入っているのを見つけた。
 「……私服?」
 そこにかけてあったのは、黄色い無地のTシャツだった。
 (女物…女性隊員がいるのか。)
 とりあえずタオルを脱いで、そのTシャツを急いで着る。
 そのTシャツは、サイズが大きいがワンピースとして着れば問題なかった。
 (サイズが大きいな…。裾がひざまで届いていない。ま、動きやすくていいか。)
 だが、一つ気にかかる部分があった。
 
 (…胸の部分が緩いな…。)
 フォックスの今の姿は、発育途中…いや、ぶっちゃけると貧乳である。
 (男であった俺が気になるのは少しおかしいが…。…う~ん。)
 「まぁ、いいか。」
 モヤを振り切りその場から離れようとする。

 ……が。

 「………。」

 フォックスは足を止め、そこに置いてある物を見つめた。
 いや、置いてあるというよりなんというか、誰か隠れてそうな…。
 そこには、一つのダンボールがあった。

 「……………………。」

 そっと近寄り、しゃがんでダンボールに手を置く。

 (何故だ…。)

 真顔のフォックス。だがどこかそわそわしているようだ。

 (このダンボールを見ると、なんか…こう、被りたくなる…いや、被らないといけないという使命感がふつふつと湧き上がってくる…。)
 フォックスは立ち上がり、辺りをきょろきょろと見回した。
 いつの間にか足の痺れは取れていて、すっと立つことができた。

 (誰もいないな…。)

 フォックスはゴクリと生唾をのみ、もう一度きょろきょろと辺りを見回す。そして―。

 バフッ

 ダンボールを被った。
 (あぁーーー!なんて間抜けなことをしているんだ俺は!)
 ダンボールの中で唸るフォックス。
 し~んとする空気。
 きっと読者も引き気味に違いない。


 (だが…、落ち着く…。)
 ダンボールの中でほっこりとする少女。

 『おい、ジョニーはどこ行ったんだ?』
 『さぁな。またトイレにこもってるんじゃないか?』
 兵士の声が遠くで聞こえた。
 その時、


 「馬鹿か俺はああああああああああああああああああ!!!!!!」

 フォックスが正気に戻った。
 それと同時に

 「だれだぁ!!」

 見つかった。

 「くっ!」

 急いでダンボールをはずして逃げようとするが、囲まれてしまう。
 数人の覆面をかぶった兵士が、銃をこちらに向けてきている。
 (4人か…。武器がないしな…。)
 「HQ、HQ!」
 一人の兵士が無線で本部と連絡を取る。
 『こちらHQ。』
 「こちらパトロール。10代ぐらいの不審な少女を発見。」
 (ん…?少女…?)
 そうだ。他人には自分が子供にしか見えていないのだ。そこを逆手にとれば…!
 「あ、あの…。」
 うつむき、視線をさまよわせながらもじもじする。
 「…?」
 兵士たちが、頭に?マークをうかべる。
 (くっ…!恥ずかしいな…、意外と…!)
 おずおずと顔を上げ、潤んだ瞳(恥ずかしさからくるものでもある)で 
言葉を放つ。
 「私…、迷子になっちゃったんです…!」

 「…」
 「…」
 (なぁ、どう思う?)
 (…いや、ちょっとよくわからん…。)
 (よし!だまされかけている!)
 ヒソヒソと何かを話す兵士を見て、心の中でニヤリと笑うフォックス。
 さっきの兵士がもう一度本部に連絡する。
 「えーと…。HQ。」
 『こちらHQ。』
 「不審な少女はどうやら迷子のようだ。た、対応に困っている。」
 (やった…!)
 勝利を確信する。あとはどう、ここの情報を集めるか…。
 『えー…。そちらに中隊長を送った。すぐ着くそうだ。』
 「中隊長ならなんとかしてくれそうだな…。」
 (ここの中隊長…か。まずは様子見だな。)
 兵士たちは全員銃を下ろし、なにか話している。

 (…うまくいくといいが。)
 そう考えながら、ちゃっかりダンボールを拾っておくフォックスであった。

 その時、なにかが後ろにいる気配がした。
 「―っ!?」
 バット後ろを振り向くと、

 「この子ですか?迷子というのは…。」
 「―!」


 いつのまにかそこには、研究所で見たあの赤い瞳を持つ女性がいた。


 
 
 あとがき 作者のたわごと3
 フォックスのキャラ崩壊注意報。
 大丈夫な方だけゆっくりしていってね!
 今回は(も)少しグダグダです…。ごめんなさい…。
 言い忘れていたのですが…。
 実は言うと私、MGS1…もっているんです。
 でもプレイしていない…。
 グレイフォックスは動画とかで知ったんですよ。
 設定資料とかも参考にしています。
 なんとか面白くなるように頑張るのでよろしくお願いします!!



[19151] 第五話 赤い瞳を持つ女性。
Name: 桜井百合◆609a50af ID:57cf3718
Date: 2010/06/05 07:07
 いつの間にかそこに立っていた女兵士は、研究所で見た瞳とまったく同じものを持っていた。
 髪は赤く、服もほかの兵士が着ているような戦闘服ではなく、赤い私服だ。覆面もしていない。
 その女兵士は、近くにいた兵士となにか話した後、こちらに向き直った。
 「どうしました?」
 しゃがんで、やさしく微笑みかけてくる女兵士。
 「あ…、えっと。迷ってしまって…。」
 (おかしい…。)
 さっきまで赤かったこの女兵士の瞳の色は今,―黒くなっていた。
 (気のせい…だったのか?)
 「そうですか…。迷ってここへ…。」
 そう呟くと女兵士は立ち上がり、フォックスの手を優しく握った。
 「問題解決まで私が面倒を見ます。」
 「了解しました。よろしくお願いします。」
 兵士たちが女兵士に向かって敬礼をする。
 女性も兵士に敬礼を返す。
 ずっとにこやかに笑ったままなのが、どこか薄気味悪さを感じる…。

 狭い廊下を歩いていると、突然女性が話しかけてきた。
 「お名前は、なんて言うんですか?」
 「…コリンヌ…です。」
 「私はアカネといいます。この後、少しお話聞かせてくださいね。」
 「はい…。」
 「…緊張してます?」
 「いえ…。」
 そんなやり取りを交わす。
 このアカネという兵士、ほかの兵士とは明らかに違う゛なにか゛があった。
 (…今はそんなことを気にしていてもしょうがない…。なんとかこの女から情報を聞き出し、どうにか脱出しないとな…。)
 フォックスは人体実験をされていた。もしここにまで資料が来ているのだとしたら、それは研究室にあるだろう。
 (アームズテック社とFOX…。まだ繋がりがあるといいんだが…。)
 廊下の角を曲がったところに、鏡があった。
 
 (俺は、こんな姿をしていたのか…。)
 予想どうり顔立ちはよく、髪は金髪で、腰まで伸びていた。
 (なんとなく、悪い気はしない。)
 
 「さて、ここでお話しましょうか。」
 「はい。」
 一つの部屋に案内させられる。
 普通の家などにあるような、小さな部屋だ。
 (本当にここは基地なのか…?)
 「えっと、コリンヌさん?」
 「はい。」
 椅子に座るように促され、アカネと向き合うように着席する。
 アカネは姿勢を正し、上品な座り方をしている。
 そのしぐさが、ますます兵士らしくない。
 「迷子で、ここに来たんですよね?」
 「はい。」
 「どうして迷子になってしまったんですか?」
 「それは―――」
 (くそっ。アドリブがいつまでもつか…。)
 なぜか、尋問されている気分だ。落ち着かない。
 (この女に目を向けられると、すべてが見透かされているようで気味が悪いな…。)
 そう思いながらも、アカネとの問答を繰り返していった。
 
 「…さて、最後の質問です。」
 「…はい。」
 (やっと最後か…。)
 ふーっと小さく溜息をつく。
 うつむき、もう一度顔をあげてアカネの顔を見ると、
 (―っ!?)

 アカネの顔にはさっきまでのような笑顔は残っていなかった。
 急に真顔になったアカネ。
 (な、なんだ…。いきなり。)
 「…コリンヌさん?」
 さっきまでおっとりとした口調が、急に鋭くなった。
 「……はい?」
 なるべく、平常心を保てるようにする。
 (この女の目…。まるで、猫だな。)
 そのようなことを考えながらも、アカネの目を見つめ返す。
 
 「私、今までたくさん質問してきましたね。」
 「…?…はい。」
 「あなたはその質問にちゃんと答えてくれましたよね。」
 「…はい。」
 当たり前のことを言ってくる。
 正直、この女兵士が何を考えているかまったくわからない。
 「では聞きますが、あなたの答えの中に―」
 少し間をおいた後、アカネは言い放った。
 「―嘘が、ないですか?」
 (…!)
 「…はい。嘘はありません。」
 「本当に?」
 「…本当です。なぜ、そんなことを?」
 フォックスは今真顔で答えている。
 平常心をたもっているように見せているが、内心かなり緊張している。
 (くそっ。元の姿のときはこんなことなかったのに…。)
 そして、アカネはやんわりと笑った。
 「もちろん―」
 


 

 

 

 「―信用していないからに決まってるじゃないですか。」





[19151] 第六話 戦いの幕開け
Name: 桜井百合◆609a50af ID:57cf3718
Date: 2010/06/02 20:34
 「―信用していないからに決まってるじゃないですか。」



 「…!」
 (…こんな姿の者まで疑うとは…。…やるな。)
 「そうですか…。」
 「はい。」
 相槌を打ちながら元の笑顔に戻るアカネ。

 しばらくの沈黙の後、先に口を開いたのはやはりアカネだった。
 「―実はですね。」
 「…?」
 「先ほど、アームズテック社という場所から、ある人体実験に使われていた人物が逃げ出した…。という連絡が入りまして。」
 「…!」
 心の底まで見透かされそうな真っ黒い瞳が、こちらを見つめている。

 (完全に疑っているな…。まぁ、当たり前といえば当たり前…か。あくまで知らないフリをしなければな…。)

 「アームズ…テック?」
 「はい。その人物を発見しだい確保せよ、といわれているんです。」
 「はぁ…。」
 肩をすくめながら返答をする。
 「その人物の容姿は10代前半くらいの少女。髪は金髪で、肩ぐらいまで伸びているそうです。」
 「…。」
 いぶかしげな表情を作る。
 その表情を見ても、会話を続けるアカネ。
 「コリンヌさん。その服…、どうしたんですか?」
 「これですか…?これは、私の…「私のもっていた服に似てるんですよ。」…!」
 途中で言葉を遮られた。
 (しまった…!)
 あの時は、考えもなしに持っていってしまったからな…。
 もしかすると、あのロッカーはこの女の物だったのかもしれない。いや、おそらくそうだったのだろう。
 (だとしたらまずいな…。どうする…!)
 焦りを感じてきた。だが、アカネはおかまいなしに話を続ける。
 「私のロッカーにあった服が一着なくなっているんですよ。」
 「………。」
 (どうにかして逃げ出さなければ…。)

 この状況の中、一人の戦友の顔が思い浮かんだ。
 (こんな時、あいつならどうするだろうか…。)
         
 「どうしました?『グレイ・フォックス』さん…?」
 「………。」
 

 もう、隠し切れない。
 (なんとか気絶だけでもさせることができないか…。)
 ちらっと、辺りを見回してみる。
 武器になりそうなものはないかと探してみたが、中々使えそうなものがない。
 
 「あぁ…。」
 アカネが椅子から立ち上がり、スカートのポケットから指の部分が出るようになっている黒い革のグローブを手にはめた。
 「ここに武器になるようなものはないですよ。あ、逃げようなんて思わないでくださいね。」
 「…仕方がない…か。」
 こちらも立ち上がり、姿勢を低くしながらファイティングポーズをとる。
 相変わらず立ったままのアカネだが、いつ攻撃してきてもおかしくはない。
 (この姿でどれくらいのことができるか…。)
 「まさか、正体がばれるなんて思ってなかったでしょう?」
 「…覚悟はしていたさ。」
 「そうですか。」
 くすくすと笑うアカネ。
 「おとなしくしていてくださいね。そのかわいい顔を傷つけたくないので。」
 そういうと、アカネは薄く目を開いて笑った。
 
 「…始めないのか?」
 「初めてもいいんですか?」
 フォックスは少し後ろに下がった。
 アカネはただニコニコと笑っている。
 「俺は逃げも隠れもしない…さ!!」
 目の前にある椅子をアカネめがけて思いっきり蹴っ飛ばす。
 一瞬の隙を突いて後ろに回りこみ、気絶させようとしたが…。
 

 「…」
 「!?」
 アカネにあたるはずの椅子は突如バラバラになって床に散った。
 すでにアカネの後ろに回りこんでいたフォックスは、気配を感じてその場にしゃがんだ。
 チリッ、という音ともにフォックスの髪が数ミリ切れて、宙に舞った。
 「フフッ」
 「…チッ!」
 次の攻撃が来る前に、後ろに下がって距離をとる。
 
 「大丈夫ですかぁー?」
 アカネが場違いな甘ったるい声で言う。
 「黙れ。」
 「あら強気。でもその姿じゃ全然迫力ないですよー?」
 近くにあった分厚い本を数冊投げつける。
 
 (くそっ。こんな幼稚な方法ではだめだ…!)
 近くにあったライトも投げつけるが、さっきの椅子と同様バラバラになった。
 その破片をいくつか拾って投げつける。
 
 (…この切断面、なにかおかしい。)
 元の姿だったとき、天井などを高周波ブレードで切断したことがあったが、ここまで綺麗に切れることはなかった。
 
 そう考えている間にも、アカネからの攻撃は止まらない。
 「くっ!」
 身体能力が衰えていないのが、唯一の救いだった。
 攻撃を何とかかわし、先の尖ったガラスをナイフとして扱う。
 


 (―ん?)
 しばらくし、違和感に気づいた。
 よく目を凝らしてみると、アカネの周りに無数の細い糸が舞っている。
 それをガラスで切ると、アカネが少し驚いた顔をした。
 「あら…。やっと気付いたんですか?」
 いったん動きを止めるアカネ。
 フォックスも構えたまま動きを止める。
 
 「その糸は…ピアノ線か…?」
 
 「フフ…。フォックスさん。曲弦糸って知ってます?」
 
 アカネの手には、何十本もの細い糸が握られていた。
 「…そう甘くはないってことか!!!」
 
 フォックスはアカネに向かって勢いよく走り出した。 

 



 あとがき
 戦闘シーンって難しいですね…。
 場の緊張感とかがちゃんと伝わるといいのですが…。
 そして、だんだんと題名が味気ないものになってきているのですが…。勘弁してください。
 皆さんにファンの一人になってもらえるよう、頑張っていきたいと思います!



[19151] 第七話 捕獲された狐。
Name: 桜井百合◆609a50af ID:57cf3718
Date: 2010/06/06 01:48
 


 (殺すのは難しいだろう。気絶だけでもできれば…!)
 
 とにかくナイフで近くにある糸を順に切っていく。
 相手も武器がなければ戦えないだろう。
 (さすがに武器はあれだけじゃないだろうが、少しでもこちらが有利にならないと。)
 
 なるべく間合いを詰めてアカネ自身も攻撃しようとする。

 「―おっとっ。これは危ないですかねぇ…。」
 少しずつ壁においつめられていくアカネ。
 だがその顔からはまったく焦りが感じられなく、笑ってさえいる。
 
 「そのわりにはヤバそうにみえないがなっ!」
 前に駆け出して、半ば飛び掛るように糸を切りつけていく。
 最後の一本を切ったとき、アカネが後ろに飛びのいた。
 「もう…!」
 わざとらしく、子供のように頬を膨らませながら切れた糸を捨てるアカネ。
 「…ハァ、ハァ、ハァ…」
 すぐに疲れるのは、子供の姿をしているからだろう。
 
 「ハァ…ハァ…」
 (くっ…。かなりきついな…。)
 元の姿だったときはこれくらいなんともなかったのだが…。
 心では強く構えていても、身体は限界だ。
 少し体制が崩れる。
 アカネはそのフォックスの姿を見て、フーっとため息を吐いた。
 
 ―そして、
 「……そろそろ、終わりにしましょうか。」
 まるで、さっきまでの戦いが遊びだったように、軽い口調で言った。
 「………あ?」
 (―この女。かなり手加減していたのか…!こっちはかなりきつかったというのに!)
 
 「ふざけるな…!そう易々と捕まってたまるか…!」
 体勢を立て直し、もう一度構える。
 アカネは残念そうな顔をした。
 「…ごめんなさいね。これが任務ですので。」
 アカネがスッと構える。
 「そうか…」
 アカネの言葉にそれだけ返す。
 フーっと大きく息を吐いて、拳を強く握り締める。
 
 「あ、心配しなくても大丈夫ですよ?気絶させるだけですから。」
 「そ―」
 ―そんなことはさせない。
 
 そう言おうとした瞬間、視界からアカネが消えた。
 それと同時に、背後に気配を感じる。

 (後ろかっ!?)
 後ろを向いた刹那、腹部に重い衝撃が走った。

 「がっ…!」
 みぞおちを思いっきり殴られた。
 (油断したか…!く…そ…!)
 薄れいく意識の中で、何故か思い浮かんできたのはかつての戦友の姿だった。


 ドサリと床に倒れるフォックス。
 「……完了…ですかね。」
 そう呟き、ゆっくりとフォックスに歩み寄る。
 念のため、気絶していることを確認。
 「大丈夫みたいですね…」
 そしてアカネは、フォックスを担いで、部屋から出た。

 
 
 
 
 
 
 
 
 ひどく懐かしい夢を見た。

 『早く逃げろ!』
 『グレイ・フォックス!』
 『懐かしい名前だ…。ディープスロートよりは聞こえはいい。』

 ―――
 
 『フォックス!なぜだ!なぜ俺にこだわる!』
 『俺は死の囚人だ。お前だけが俺を解放してくれる…。』
 『フォックス…。もうこんなことには関わるな…!』
 ―――
 『中東ではジャッカルの代わりに狐を狩る…。フォックスハウンドならぬロイヤル・ハリヒア』
 『フォックス!』
 『強化骨格がどこまで保つかな?』
 『スネーク!こいつを見殺しにするつもりか?』
 
 『追い込まれた狐は、ジャッカルより凶暴だ!』
 
 ―――
 『スネーク!俺達は政府や誰かの道具じゃない!戦うことでしか…自分を表現できなかったが…、いつも自分の意思で戦ってきた!』

 『スネーク…さらばだ』
 『フォックス!!』
 ――

 
 「ん…?」
 そこで目が覚めた。
 「う…」
 腹に少し痛みがある。
 その部分を押さえながら起き上がり、辺りを見回すと―
 「牢屋…か?」
 鉄格子で囲まれた部屋の中に閉じ込められていた。
 薄汚れたベッドの上で、しばらくボーっとする。
 
 (そうか。俺はあの女に…。)
 ギリッと歯を食いしばる。
 研究所にいたころかなり訓練をしていたのだが、こうも簡単に負けてしまうと、その努力がすべて意味のないものになってしまった。
 「く…。こんな姿では、あいつには勝てない…!」
 頭を抱えて唸っていると、牢屋の近くにいた一人の兵士がやってきた。
 
 「おい…。おいコリンヌ!大丈夫か?」
 
 「…ジョニー?」
 牢屋の前で見張りをしていたのは、ジョニーだった。
 「なんで来たんだよぉ!」
 小声で話しかけてくるジョニー。腰には牢屋の鍵が引っ掛けてある。
 「…お前には関係のないことだ。」
 冷たく言い放つと、ジョニーは大げさにたじろいだ。
 「な、なんだよ冷たいなぁ…。」
 すこし後ろに下がって石をけるそぶりをする。
 どこかの脇役がやっていそうな素振りだな…。
 
 とくに緑の帽子をかぶっていてLがトレードマークの…いや、そんなことはどうでもいい。
 
 「ここは…地下か?」
 
 あたりは暗い。空気が冷たく、湿っぽい。
 「あぁ。ここは地下2階だ。」
 そうか。とだけ言ってもう一度ベッドにうなだれる。
 何故か身体がひどくだるいかった。
 
 「なんとかするから…もう少し休めよ。」
 「…」
 ジョニーの声は、すでに届いていなかった。


 
 

 


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