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[19256] 【習作】HUNTER×HUNTERをプレイしてみた(仮)
Name: ユイ◆d2ec74bc ID:1dab45ea
Date: 2010/06/04 16:47
5/31 一話~三話まで投稿
6/2  誤って削除してしまい一話~三話を再投稿、四話を投稿
6/3  五話投稿
6/4  六話投稿

HUNTER×HUNTERの現実来訪物二次創作です。

二次創作を書こうと思った理由はアニメでのおはよう。やEじゃんの最中に流れる映像、あそこで描かれているようなゴン、キルア、クラピカ、レオリオが4人揃った場面をもっと見てみたいと思ったことです。

あの映像の中では楽しそうに旅をしている彼らですが実際はヨークシン以降クラピカもレオリオも出てこなくなり、あぁいうシーンはハンター試験以降まったく見られなくなってしまいました。

なのでこのSSでは天空闘技場もヨークシンもG・Iもキメラアントも常に4人一緒に行動してもらおうと思います。

そうなるように話の持って行き方は色々がんばってみようと思います。

それだけであれば再構成でも良いのですが誰かの介入なくしてその流れに持っていくことは難しいと思ったので現実来訪物にしています。

どちらかというとオリ主よりも原作キャラの魅力で勝負したいと思っていますのでオリ主はおまけ程度に考えていただければ…




以下の内容に当てはまる方は読まれないほうが良いと思われます。

・オリ主が嫌い

・ご都合主義は嫌い

・レオリオは念能力を鍛えるくらいなら頭を鍛えて医者になるほうが先だと思う

・クラピカは仲間と楽しく旅するなんて似合わない、一人で孤高に戦いぬけ

・幻影旅団はいい奴らだと思う


以下の内容に当てはまる方は作者と話が合うかもしれません。

・主人公組って言われてるのになんでクラピカとレオリオ全然出てこないの?

・レオリオって念能力鍛えて大天使の息吹みたいな能力作ったほうが人助けできるんじゃない?

・クラピカはもっと幸せになって良いと思う

・幻影旅団は犯罪集団、全員死んでも文句は言えないと思う
















オリ主の念系統は作者が系統診断をした結果をそのまま使用しています。

操作系「コンピュータタイプ」(原作キャラではシャルナーク)

あなたのプラス面

・知的で冷静な判断力

・周囲への思いやりもある

・遊び心もある

あなたのマイナス面

・機械的である

・打算的である

・人間味に乏しい

よく見られるタイプ

・学者タイプ

・オールラウンドプレイヤー

・一匹狼

このタイプの特徴

自分だけの判断で行動しやすいので敬遠されるときがある

さらなるレベルアップの方法

他人の意見に耳を傾けたり、組織と協調するよう心がける






作者は現在大学生で大学と3つのアルバイトに振り回されています。

家にいるときは基本寝るとき、となっているため執筆はスローペースです。

時間のあるときに書いて文量がたまったら投稿するといった感じになるので気長にお待ちください。

ちなみに1話は20KBあります。もちろんもっと少なくて良いといわれればそれだけ更新速度は上がります、感想でお知らせください。



[19256] HUNTER×HUNTERをプレイしてみた(仮) プロローグ
Name: ユイ◆d2ec74bc ID:1dab45ea
Date: 2010/06/02 15:47
なにやら大掛かりな装置の横で画面に向かい何かを打ち込む女性の姿がある。

装置の中には人一人が寝られるシートがあり頭や腕に装着するらしき機械やコードが大量に設置されていた。

[>New Game Load Game

ピッ

あなたの名前を入力してください

「えーと、あ、カタカナか…ユイ=ミヤシロっと」

あなたの年齢を入力してください

「24…あ、でも好きに設定出来るんだからもっと年が近い方がいいかな」

「うん、やっぱり年上より同い年の方が良いよね、って訳で12歳っと」

あなたの性別を選択してください

「異性を演じてみるってのも面白そうな気もするけど…普通のゲームならまだしもこういうゲームだとちょっと無理があるかな?」

「う~ん、ここは素直に女性っと」

「初期設定は結構面倒だけど…まぁプレイし始めれば後は流れに任せるだけだし、あーもう早く始めたい!」

今女性、由衣が操作しているのは体感型シュミレーションゲームの初期設定であり、設定を終えたあと装置の中に入ることで夢を見るような形でゲームを体験できるようになっている。

脳に負担をかけないレベルで通常よりも早く疑似体験させているため1日の中の一部の時間でもう一つの1日をゲーム内で楽しむことが出来る「貴方にもう一つの人生を」とうたわれている科学の粋を集めた最新型ゲーム機だ。

ゲーム内にのめりこみ過ぎないように1日に出来る時間にリミットが設けられているが、一部ではリミットを無理やり外してしまう例もあり社会的にも色々問題を起こしているゲームである。

問題を避けるため個人への販売は禁止されており、許可のおりた店舗にのみ設置されている。

一部それを破り違法な方法でプレイしている者も居るが、もちろん由衣はきちんと許可の下りた店舗で合法的にプレイを楽しむ予定である。

「えーと、なになに『初プレイ時は主人公組ルートのみ選択可能、第3部ヨークシンシティ編をクリアした後再度最初からプレイすると旅団ルートが選択可能』…か、旅団とも絡んでみたかったけど最初は強制的に敵設定かぁ、残念」

「あとは…これか『第4部G・I編までは決められた初期設定によってストーリーに補正が働くが第5部キメラアント編までプレイしたい場合は初期設定時に一定以上の強さに設定することが前提となる』ね。まぁ確かに最強設定つけておかないと無理ゲーになりそうだもんねキメラアントなんて」

「でも最強設定ってようするに強くてNew Game状態ってこと?そんなの一度プレイしてからならともかく最初からやることじゃないよね……」

それにそんなことしたらキメラアント編はともかくそれ以前がまったく面白みのないものになってしまうはずだ。

まぁ原作知識がある強みを使えばキメラアント編もなんとかなるだろうし強さはそこそこな感じでいいだろう、たぶん。

その後も画面に現れる選択肢や質問に対してユイはその都度何かを考えながらキーボードを打ち込んでいった。

その量はとても多く由衣が全ての質問に答え終える頃には操作をはじめてから実に2時間が経過していた。

「う~ん、よしこんなものかな…」

後は初期設定と一緒に答えた質問でされた性格分析によって念の系統が決定するらしい。

もちろんゲームなので自分の好みで系統を決めることも出来るらしいがどうせなら分析結果に従った方が自分にあったものになるのだろう。

分かりやすい強さを求めるならば強化系かせめて放出系・変化系だと良いんだけど…それなら特に難しく考えなくても潜在オーラと顕在オーラが高いってだけで強くなれるのだろう。

『分析の結果、貴方の念の系統は操作系であると判明しました、分析結果に従いますか?それともご自分で系統を選択いたしますか?』

……さて、どうするか…

操作系ってことはガチンコ勝負をする場合、対変化系・放出系で約1.4倍、対強化系ともなると約1.7倍ものオーラ量が必要になるってことになる。

原作の操作系キャラクターで思い浮かぶのはまずイルミとシャルナークの二人、対象に針やアンテナを刺すことで身体を操作できるようになる。

人体操作自体はチート級の能力だとは思うが、しかしこれは念能力者を相手取るには中々厄介な制約だ。

例えば強化系能力者であるギトが飛ばした独楽はゴンによって軽く打ち落とされた。

もちろんギトが取るに足らない能力者であったということもあるがそれはあの時点のゴンにもいえることだ。

格下ならともかく格上の相手に針を刺すというのは中々難しいことであるだろう。

直接刺すにしても苦手な接近戦を挑まなくてはならなくなる、どちらとしても厳しいことに変わりはない。

二人があのような能力であるのは非念能力者や格下の能力者を操り利用することをメインの戦法にしているからだ、1対1には適さない。

あとは生物を操る能力者でスクワラやヒルがいるがこれもどちらかというと直接戦闘以外で役に立つ能力だ。

人体と生物の操作を除外すると残りの選択肢は物質の操作、カルトの紙を操る能力やモラウの煙を操る能力などだろう。

物を操る能力として紙や煙はすぐに思いつくものであるし汎用性も高いとは思うがさすがに原作キャラクターと被らせるわけにはいかない。

とすると他にすぐ思いつくような能力といえば…水流操作系能力者などだろうか?

炎などもありがちだがそうするとオーラを炎に変化させるか炎を熾してから操作することになる。

前者だと対極の変化系能力になるし後者は使い勝手が悪い。

その点、水であれば持ち運びもしやすいだろうし煙と同様汎用性もかなり高いだろう。

1対1、1対多双方で使えるバランスのとれた能力になるはずだ。

……あぁ、そういえば原作でモラウの知り合いに雨の日だけ使える水流操作系の能力者がいたな…ハギャに使われてたはずだ。

まぁ直接キャラクターが出てきているわけじゃないし良いか…

彼が操る水の量は膨大ではあったが雨の日だけしか使えないという制約は厳しすぎる。

もう少し制約を緩くして常に使える能力としないといけないな…



………

……………

『すべての設定が完了しました』

「ふぅ…」

初期設定の入力を終えると由衣は装置に寝そべり機械やコードを繋ぎ装置の電源をOnにする。

「じゃあ、おやすみなさい」

こうして由衣は夢の中へと、もうひとつの人生へと旅立っていく。

夢を追い求めるハンター達がいる世界へと。



[19256] HUNTER×HUNTERをプレイしてみた(仮) 第一話
Name: ユイ◆d2ec74bc ID:1dab45ea
Date: 2010/06/02 15:36

一度眠りについた体が目覚めるような感覚。

さて、一番最初に着くのはどこなのであろうか?

船の上?ザバン市の船着場や一本杉への道の途中?それとも…

「いきなりハンター試験会場前っと、面倒な予選は免除してくれるのね」

しかしこれで私が中に入ると受験者のプレート番号はどうなってしまうのだろうか?

どうでもいい人が一人減らされて辻褄が合わされる?一つずつずれるなんてなったらややっこしいからそれだったら最後に入りたいんだけど…

「おいそっちじゃないよ、こっちだよ」

ん?

「どう見てもただの定食屋だぜ」

あれ?この声は…

「冗談きついぜ案内者さんよ。まさかこの中に全国から無数のハンター志望者が集まってるなんて言うんじゃねーだろ」

おぉぉぉぉ?!レオリオー、ゴンとクラピカもいるし、さすがゲーム、さすがご都合主義。

「そのまさかさ、ここなら誰も応募者が数百万人とも言われてるハンター試験の会場だとは思わないだろ?」

とにかく今混ざっていかないと、ゴン達で最後なんだから迷ってたら置いてかれちゃうし。

「本当ですよねー、私もここって聞いて来たんですけどもしかして私の聞き間違いだったんじゃないかって悩んでたんですよ」

私もハンター試験受験者ですよーといった空気を全面に押し出して接触を図る、お願いゴン君乗ってきてー

「君もハンター試験受けるの?」

よっし!ナイスゴン君!

「はい、ユイ=ミズシロです。よろしくお願いします」

「俺はゴン=フリークス、よろしく!」

そういって握手のために手を差し出してくれる、やっぱいい子だー。

「クラピカという、よろしく頼む」

「俺はレオリオだ、しかしゴンでも驚いたってーのにまさかこんな小さいお嬢ちゃんまで受けに来てるたーな」

う、ポンズも16くらいはありそうだったしせめてそれくらいにした方が良かったかな、今更だけど…

「ほら、話は中に入ってからでも出来るからとりあえずおいでよ」

キリコさんが呼んでくれる、そういえばもう結構試験開始ギリギリだもんね、話こんでると危ないかも。



「いらっしぇーい!!」

扉を開けてもやっぱり普通の定食屋でゴン君たち3人は固まってる。そうだよね、何の前情報もなしにこんなところに連れてこられても絶対信じられないよね…

「ご注文はー?」

これは…私が言わないとダメだよね。キリコさんに連れてこられた訳じゃないからちゃんと予選通ってるって証明しないといけないし。

「ステーキ定食、弱火でじっくりで」

「あいよ」

「お客さん、奥の部屋どうぞー」

店員のお姉さんが通してくれた奥の部屋のテーブルにはホントにステーキ定食が乗っている、あ…美味しそう、ゲームの中なのに!

「1万人に1人」

いただきます。

「ここにたどり着くまでの倍率さ、お前達新人にしちゃ上出来だ」

おぉ!美味しい!

「それじゃがんばりなルーキーさん達、お前らなら来年も案内してやるぜ。お嬢ちゃんもがんばってな」

「ふぁい、ふぁりあとうごふぁいまふ」

私が落ちてもさすがに案内してくれないよね?というか私は今年落ちたらゲームオーバーで最初っからなんだけどね…

「って、もう食ってるのかよ!?」

ラストの階段の長さからして相当下まで降りるだろうけどエレベーターだし早く食べないと間に合わないかもしれないじゃん。

レオリオ達もすぐに席について食べ始める、原作見たときも思ったんだけどこれ疑いなく食べるって実際どうなの?食べるけど。

「失礼な奴だぜ。まるでオレ達が今年は受からねーみたいじゃねーか」

「3年に一人」

「ん?」

「初受験者が合格する確率、だそうだ。新人の中には余りの過酷なテストに途中で精神をやられてしまう奴。ベテラン受験者のつぶしによって二度とテストを受けられない身体になってしまった奴などざららしい」

改めて聞くとホント恐ろしい試験だよね…まぁ実力もなしにハンターとして活動しようとしたら十中八九死んじゃうだろうから試験で実力を測るのは理にかなってるけどね、試験なら運がよければ死なないし。

「でもさ、何でみんなそんな大変な目にあってまで、ハンターになりたいのかなぁ?」

おぉ、訪れる沈黙、さすがゴン君。

「お前本当に何も知らねーでテスト受けに来たのか!?」

「う………」

「「ハンターはこの世でもっとももうかる(気高い)仕事なんだぜ(なのだよ)!!」

………

「えぇかっこしぃめ」

「金の亡者が」

レオリオとクラピカがそれぞれの主張を必死にゴン君に説明しているけどゴン君はいまいち分かってないみたい?

あ、話の流れだともしかして私もどっちのハンター目指すか聞かれる?まずい、そういえば私志望理由考えてない!

えーと第5部までやったらキメラアント殲滅が目標だから…人類救済?ってそんなこと恥ずかしくて言えるかー!

G・Iは理由にし辛いし(念が絡む)旅団の話なんていきなり出来るわけない(というか私個人は旅団に恨みはない)

大変だ、最終面接までにちゃんとした回答を考えておかないと…

「どうだゴン!!」

「ゴンはどっちのハンターを目指すんだ!?」

「どっちって言われてもなぁ~」

ぐるんっ

ぎくっ…

「「ユイはどうなんだ!?」」

決まってない!全然決まってないけどあえて言うのであれば…

「クラピカさんの方…かな」

「なっ!?」

「ふっ」

あ、クラピカが勝ち誇った顔してる、ちょっとレアかも。

チン

「着いたらしいな……」

「話の続きは後だ!!」

ぇ?続くの?



「………」

扉をくぐった瞬間全身に突き刺さる視線、視線、視線。

既に400人を超す人間が居るその場所はさっきまで居た地上とはまったく異質な雰囲気だった。

ただ…目で見た感じはすごく強そうな人たちって思うのに感覚が大したことないって言ってる気がする。

まぁ、ハンター試験落っこちる人たちに気おされてたらゲームクリアなんて夢のまた夢なんだけどね。

「それにしても薄暗い所だな」

「地下道みたいだね、一体何人くらいいるんだろうね」

「君たちで406人目だよ」

出たな、性悪おやじ。

「よっ、オレはトンパ、よろしく」

あ、マーメンさん番号札ありがとう。うん、やっぱり406番だね、良かったずれなくて。

「新顔だね、君たち」

「分かるの?」

ここで新人つぶしのトンパさんですよねって言ったらどうなるかな?……大して変化ないか、どうせモブキャラだし…

ゴン君達が常連の説明を受けてる…ってことはそろそろ…

「ぎゃあぁ~~~っ!」

居た…ヒソカだ、敵か味方かといえば敵なのにヨークシンやG・Iのことを考えると排除するわけにもいかないし、なんて面倒な…

「ちっ……アブない奴が今年も来やがった」

たぶんあんたもウザい奴が今年も来たなって思われてると思うよ?

「44番奇術師ヒソカ、去年合格確実と言われながら気に入らない試験官を半殺しにして失格した奴だ」

「………!!そんな奴が今年も堂々とテストを受けられんのかよ」

「当然さ、ハンター試験は毎年試験官が変わる。そしてテストの内容はその試験官が自由に決めるんだ。その年の試験官が『合格』と言えば悪魔だって合格できるのがハンター試験さ」

そういえばヒソカに殺されるあの元試験官って念能力者だったのかな…?まさか操作系じゃないよね…普通に投げてたし。

「奴は去年、試験官の他に20人の受験生を再起不能にしている。極力近寄らねー方がいいぜ」

20人って結構我慢したんだなヒソカ…それとも1次試験で試験官襲っちゃったのかな?

「他にもヤバイ奴はいっぱいいるからな。オレがいろいろ教えてやるから安心しな!」

「うん!」

あぁ、ゴン君はいい子だなぁ、癒されるよ~。

「おっとそうだ…お近づきのしるしだ、飲みなよ。お互いの健闘を祈ってカンパイだ」

「ありがとう!!」

うわ…私にも普通に渡してきたよ、容赦ないな…

「れろ…トンパさん、このジュース古くなってるよ!!味がヘン!」

「え!?あれ?おかしいな~?」

おかしいのはあんたの頭の中でしょうが



………

……………

「申し訳ないっ!!」

「いいよ、そんなに謝らなくても。でも良かったよ、オレが最初に飲んでみて。山とかでいろんな草や芽をためし食いしてるから、大体味で変なものが分かるんだ」

ゴン君って意外と美食ハンターとか向いて…ダメか、料理できないだろうから。

「い、いや~、本当に良かったよ」

そういって何度も謝りながら去っていくトンパ、もっといろいろ教えてくれるんじゃなかったの?いらないけど。

「ゴン君のおかげで助かったね、ありがとう」

「しかしとんだ野生児だな、普通生えてる草なんか食べてみよーなんて思わねーっつーの」

ジリリリリリリリリリリリリリリリ

「ただ今をもって受付時間を終了いたします」

ピリっと空気が引き締まる感じがする。

「では、これよりハンター試験を開始いたします」

そういって上から降りてくるサトツさん、今から数時間マラソンかぁ…どうやって時間つぶそう?

「さて、一応確認いたしますが…ハンター試験は大変厳しいものもあり、運が悪かったり実力が乏しかったりするとケガをしたり死んだりします。先ほどのように受験生同士の争いで再起不能になる場合も多々ございます。それでも構わない、という方のみついて来て下さい」

「承知しました。第一次試験405名全員参加ですね」

「当たり前の話だが誰一人帰らねーな。ちょっとだけ期待したんだがな」

「それなら最初から来ないもんね」

「……おかしいな」

「?…おいおい何だ?やけにみんな急いでねーか?」

「やはり進むペースが段々早くなっている!」

「前の方が走り出したんだよ!!」

うわ、いきなりはやっ…ゲームじゃなかったら絶対ついていけないスピードなんだけど

「申し遅れましたが私一次試験担当官のサトツと申します。これより皆様を二次試験会場へ案内いたします。二次試験会場まで私について来ること、これが一次試験でございます。場所や到着時刻はお答えできません、ただ私について来ていただきます」

「なるほどな……」

「変なテストだね」

「さしずめ持久力試験ってとこか、望むところだぜ、どこまででもついて行ってやる」

体力には相当自身のある人たちが集まっている中であえての体力や精神力を測る試験。

湿原に出るまでは途中で脱落しても死ぬことはないし、実力が激しく足りてない者を安全に脱落させるための試験内容、優しいねサトツさんは…

体力なんて最低限備えていて当たり前のものだって最初っから厳しい試験内容にしたら初受験者は軒並みそこで命を失っちゃうだろうし、これなら鍛えなおして再度受けなおすことも諦めることも出来るって訳かな…

「おい、ガキ汚ねーぞ!そりゃ反則じゃねーか、オイ!!」

ぉ、考え事してたらいつの間にかキルア君登場。

「何で?」

「何でっておま…こりゃ持久力のテストなんだぞ!」

「違うよ、試験官はついて来いって言っただけだもんね」

「ゴン君正論、その通り」

「ゴン、ユイ!!てめーらどっちの味方だ!?」

「どなるな、体力を消耗するぞ、何よりまずうるさい。テストは原則として持ち込み自由なのだよ!」

「~~~~~!」

私も何か持って来ればよかったかな…でもキルア君もすぐ降りるしいっか

「ねェ君、年いくつ?」

「もうすぐ12歳!」

「……ふ~ん、そっちは?」

「一緒だよ12歳」

「…やっぱ俺も走ろっと」

「おっ、かっこいー」

さすが負けず嫌いキルア君、同い年が走ってるのに自分だけ楽はしたくないと。

「オレ、キルア」

「オレはゴン!」

「ユイだよ、よろしくキルア君」

そういえばこのスケボーって最後まで持ってたっけ?なんか途中から記憶にないよーな、曖昧だけど

「オッサンの名前は?」

「オッサ…これでもお前らと同じ10代なんだぞオレはよ!!」

「「ウッソォ?!」」

「あーーー!!ゴンまで……!!ひっでー、もぉ絶交な!!」

おっさんは言いすぎだけど10代には見えないよね…22,3が妥当なところだと思うけど…

あ、気づいたら原作通りクラピカがいない、薄情な…



………

……………

「大丈夫?」

ゴン君がレオリオの心配をしてる…たしかにかなり辛そう、というよりここまで誰一人脱落してない事実が恐ろしいんですが…人間ってこんなに走れたんだね。

そうこう言ってる間に立ち止まってしまうレオリオ

「レオリオ!!」

「ほっとけよ、遊びじゃないんだぜ、ゴン」

「……ざけんなよ。絶対ハンターになったるんじゃーーーーーー!!くそったらぁ~~~!!」

そういって雄叫びを上げながら一気に前を追い抜いていってしまうレオリオ、はやっ

ゴン君はゴン君でレオリオが置いていった鞄を釣竿で一発で回収するし、なにこの超人さん達、近くで見ると改めてすごすぎる。

「おー、かっこいいー、後でオレにもやらせてよ」

「スケボー貸してくれたらね」



………

……………

現在ゴン君とキルア君とサトツさんのすぐ後ろを走ってます。

クラピカやレオリオと一緒にいるとクラピカが緋の目の話とかレオリオに出来なそうだし…レオリオと違って私はついさっき会ったばっかりだからね。

試験が進んでいつか私にも話してくれたら嬉しいけど、信用してくれたってことになるし。

「いつの間にか一番前に来ちゃったね」

「うん、だってペース遅いんだもん。こんなんじゃ逆に疲れちゃうよなー」

相変わらずの速さで走り続けながら談笑を続けるお子様たち、末恐ろしいって言われるのも分かる気がするよ…

あ、そういえばこの会話の流れだとやっぱりまたハンターの志望理由聞かれるじゃん!

しまったー、エレベーター通り越したら会長の面談までないと思ってたけどここ忘れてた!

どうしよう、キルア君と同じって言っちゃおうかな、でもさっきはクラピカと同じって言っちゃったからもうそういうことにしちゃう!?

「ユイは?」

「はい!?」

「いやだからユイは何でハンターになりたいの?」

「えと…なんとなく」

「あはは、何それ、変なの」

うぅ…ゲーム始める前にもっとちゃんと考えて置けばよかった…

「見ろ、出口だ!!」



「うわーー」

薄暗い地下からやっと出られたと思いきやその先はじめじめとした湿原、なんという…

「ヌレーメ湿原、通称『詐欺師の塒』二次試験会場へはここを通って行かねばなりません。この湿原にしかいない珍奇な動物達、その多くが人間をあざむいて食糧にしようとする狡猾で貪欲な生き物です。十分注意してついて来て下さいね。だまされると死にますよ」

「おかしなこと言うぜ、だまされるのがわかっててだまされるわけねーだろ」

騙される人はみんなそう思ってるんです。

「ウソだ!!そいつはウソをついている!!そいつはニセ者だ!!試験官じゃない!オレが本当の試験官だ!!」

「ニセ者!?どういうことだ!?」

「じゃ、こいつは一体…!?」

一瞬で騙されてるじゃないですか…

「これを見ろ!!ヌレーメ湿原に生息する人面猿!!」

「人面猿は新鮮な人肉を好む。しかし、手足が細長く非常に力が弱い。そこで自ら人に扮し言葉巧みに人間を湿原に連れ込み、他の生き物と連携して獲物を生け捕りにするんだ!!そいつはハンター試験に集まった受験生を一網打尽にする気だぞ!!」

いやいやサトツさんここまでの長距離マラソンを顔色一つ変えず走り抜けましたからね、人面猿がひ弱なんだったらそんなこと不可能でしょ…

そんなことを考えている間に人面猿の顔面に突き刺さる数枚のトランプ、グロイよ…

「くっく♠なるほどなるほど♣」

仲間が殺されて逃げ出した人面猿もヒソカのトランプに後ろから殺される。

「これで決定♦そっちが本物だね♥」

「試験官というのは審査委員会から依頼されたハンターが無償で任務につくもの♠我々が目指すハンターの端くれともあろう者があの程度の攻撃を防げないわけがないからね♣」

「ほめ言葉と受け取っておきましょう。しかし、次からはいかなる理由でも私への攻撃は試験官への反逆行為とみなして即失格とします。よろしいですね」

「はいはい♦」

ヒソカがサトツさんから注意をうける横で殺された人面猿に鳥が群がって食べられている。

「あれが敗者の姿です」

「自然の掟とはいえ」

「えぐいもんだぜ」

「私をニセ者扱いして受験者を混乱させ何人か連れ去ろうとしたんでしょうな。こうした命がけのだまし合いが日夜おこなわれているわけです。何人かはだまされかけて私を疑ったんじゃありませんか?」

レオリオ…はともかくハンゾー…それでいいのか?

「それではまいりましょうか。二次試験会場へ」



………

……………

湿原に入ってすぐに霧が出てきて周囲の状況がかなり分かりにくくなってきた…

「ゴン、ユイ、もっと前に行こう」

「うん、試験官を見失うといけないもんね」

「そんなことよりヒソカから離れた方がいい。あいつ殺しをしたくてウズウズしてるから。霧に乗じてかなり殺るぜ」

「…」

「なんでそんなことわかるのって顔してるね。なぜならオレも同類だから、臭いでわかるのさ」

「同類…?あいつと?そんな風にはみえないよ」

「それはオレが猫かぶってるからだよ。そのうちわかるさ」

「ふーん」

「レオリオーーー!!クラピカーーー!!キルアが前に来た方がいいってさーーー!!」

ゴン君が後方にいるレオリオ達に何とか前に来るように呼びかけてるけど無茶言うなって返答が返ってきてる。

さて…この後はヒソカの大量虐殺か…レオリオもクラピカも、ゴン君も大丈夫なことは分かってるけど、さてどうするべきか…

「緊張感のない奴らだな、もー」

「あはは、そだね」

キルア君と一緒に前にいるかゴン君と一緒に後ろに戻るか…

でも私が後ろに行って変にヒソカと戦闘が始まっちゃったりしたらそれこそみんなが危険かな…

待ってれば多少の怪我はするとしても無事に帰って来るんだし行かないほうが賢明かも。



………

……………

「うわあああああああ!!」

「ひいいいぃぃぃ!!」

「なんであんな離れた方向から悲鳴が!?」

「だまされたんだろ」

後方の至る所から騙されたらしい人たちの悲鳴が聞こえてくる。

ゴン君がさっきからしきりに後ろの様子を心配してるし…クラピカ、レオリオ本当に大丈夫かな?

「ゴン…ゴン!!」

「え?何?」

「ボヤっとすんなよ、人の心配してる場合じゃないだろ」

「うん…」

「見ろよ、この霧、前を走る奴がかすんでるぜ。一度はぐれたらもうアウトさ。せいぜい友達の悲鳴が聞こえないように祈るんだな」

「!」

聞こえた、私にもレオリオの悲鳴、どうする?行く?行かない?

「レオリオ!!」

「ゴン!?」

悲鳴を聞いたゴン君が躊躇いなく後ろに向かって走っていく、仕方ない私も…

「ユイ、待てよ!」

とりあえずゴン君についていこうと振り返りかけたところをキルア君に腕をつかまれる。

「キルア君…」

「お前ら人の話聞いてなかったのかよ!?一度はぐれたらもう二度と戻ってなんか来られねーぜ」

「うん…」

「ったく、バカだよあいつは。仲間のために死にに行くなんてさ」

「心配?」

「ばっ!?ちげーよ、呆れてんだよ」

「大丈夫、戻ってくるよ」

「は?なんでそんなこと言えんの?」

「信じてるから」

「ふーん、わっかんね」

いつか分かるよ、きっと



………

……………

「みなさん、お疲れ様です。無事湿原を抜けました。ここ、ビスカ森林公園が二次試験会場となります」

「それじゃ、私はこれで。健闘をいのります」



「これで一次試験おわりー!?タルいだけで全然おもしろくねーじゃん」

「いやまぁ試験だし…、面白おかしいのもどうかと思うよ?」

「そうじゃなくてもうちょっと張り合いが欲しいってこと、こんなんじゃ楽勝で合格しちゃうじゃん」

「でもまだ一次試験だし、段々難しくなるんじゃない?」

「だと良いけどさー、ホント頼むぜマジで」

周囲には息を切らした人が大量にいるというのにそんな余裕の発言をするキルア君、さすがです。

さすがのハンゾーも少し息切らしてるし平気そうなのはヒソカとイルミとキルア君くらいか…

さて次は二次試験、ブタの丸焼きは問題ないけどお寿司なんてもちろん作れないしどうしようかなぁ…

まぁ最悪落ちても卵取ってくれば良いんだしそこまで深く考える必要はないだろうけどね。



[19256] HUNTER×HUNTERをプレイしてみた(仮) 第二話
Name: ユイ◆d2ec74bc ID:1dab45ea
Date: 2010/06/02 15:37

さて…さっきレオリオを担いだヒソカが来てたんだからゴン君とクラピカももうすぐ来るはずなんだけど…?

あ、来た来た、ヒソカに指差されてレオリオの様子を見に行ってる。

「キルア君、ゴン君たち戻ってきたよ」

「え?マジ?うわっ、ホントだ、どうやったんだよ」

どことなくホッとした顔でそんなことを言うキルア君、戻って来れないと思ってたのはたぶん本心なんだろうけどやっぱり無事帰ってきたのは嬉しいよね。

「聞いてみれば分かるよ、いこ」

「そだな」



「ところでなんでみんな建物の外にいるのかな」

レオリオの状態を確認した後、ゴン君が特にやることもなく立っているだけの受験生たちを見渡してそんな疑問の声を上げる。

「中に入れないんだよ」

「キルア!ユイ!」

「よ」

「おかえり」

「どんなマジック使ったんだ?絶対、もう戻ってこれないと思ったぜ」



「レオリオのニオイをたどったーーー!?」

「うん」

「お前…やっぱ相当変わってるなー」

「そうかなー」

ゴン君の周りにだって他にそんなことできる人なんていなかったろうに、なんでそこでそうかなーなんて疑問が出てくるんだろう…?

くじら島ではほとんど動物達と一緒にいたからゴン君の普通は動物たちの普通なのかな?

でもそれなら人と動物は違うんだから動物並なゴン君は普通とは違うって気づいて欲しいところだけど…

「ジュースの時といい今といいホント獣並みの味覚と嗅覚だね、耳と目もよさそう」

「うん、結構自信あるよ」

「犬だろホントは…」

人に化けてる犬型の魔獣…結構本気で疑ってもいいレベルかもしれない。



「で、なんで中に入れないの?」

「見ての通りさ」

二次試験会場の扉に張られた『本日正午 二次試験スタート』の張り紙を指差しながら言うキルア君。

しかしこの音は…ブバラさんのおなかの音だって知ってはいるけど…いや、知っているからこそ信じがたい、何これ?

人ってどれだけお腹すいたらこれだけの音が出るようになるんだろう…?

「変なうなり声はするけど全然出てくる気配はないし。まぁ、待つしかないんだろうな」

「もうすぐだね」

「うん」

周りの人も武器に手をかざしている人がほとんどだ。確かにこの音なら普通は試験開始と同時に獣が飛び出してくるんじゃないか?くらいには考えてもおかしくないものね…

正午が近くなるにつれ緊張感が高まってきて、なんかここに居る事自体が息苦しくなってくる…数は減ってるだけ試験開始前の空気よりはマシだけど…

「…周りが緊張してきたな」

「何が起きるかわからないからな」

クラピカとレオリオも何が起こってもすぐに対応できるように臨戦態勢だ。

ピーーーーー…ン

ギギギギギ…

あ、緩んだ、今扉が開いてブハラさんたちが視界に移った瞬間周りの空気が緩んだのが私でも分かった。

本来次の試験の試験官が現れて気が緩むなんてあってはならないことなんだろうけど…これはしょうがない?

「どお?おなかは大分すいてきた?」

「聞いてのとおり、もーぺこぺこだよ」

「そんなわけで二次試験は、料理よ!!美食ハンターのあたし達2人を満足させる食事を用意してちょうだい」

「料理!?」

「まずはオレの指定する料理を作ってもらい」

「そこで合格した者だけが、あたしの指定する料理を作れるってわけよ」

「つまりあたし達2人が『美味しい』と言えば晴れて二次試験終了!!試験はあたし達が満腹になった時点で終了よ」

周りが動揺しているのが分かる、確かにこういった試験で料理が出るなんてまったく予想もしないだろうし。

「くそォ、料理なんて作ったことねーぜ」

「こんな試験があるとはな」

それはクラピカたちも同様、顔には出さなくてもイルミとかもまずいとは思ってるんじゃないかな?遊びに来ているヒソカとは違ってイルミはホントに資格が必要らしいし。

「オレのメニューは豚の丸焼き!!オレの大好物」

「森林公園に生息する豚なら種類は自由」

「それじゃ…二次試験、スタート!!」

スタートの合図と共に受験生が一斉に森の中へと駆け出す、しかし一次試験は走っているだけだったから良かったけど今回はグレイトスタンプ捕獲かぁ…

ゲーム内のおかげで想像通りに身体が動くから突っ込んできても避けて額を蹴り飛ばせばいい…ってのは分かってるんだけど…

怖いんだろうな…実物は…



森に入って数分、グレイトスタンプを見つけたのは良いけれど…

「ブオオオオオオオオ」

やっぱり実物は漫画とは迫力が違うね…自分の身体より大きな動物なんて動物園以外で見るの初めてだし…

バイオハザードのシュミレーションゲームとか私には絶対に無理だなぁ、普通のゲームでも怖いのに。

突っ込んでくるのを避けて一撃加えるなんて怖くて絶対無理だから不意打ちで行こう、うん。

木に登って…上から一気にっ!

ドギャァッ!

これで良しっと、他の豚に気づかれないように森を出てから焼こう。



「キルア君…」

ある問題を抱えた私はとりあえず近くにいたキルア君のところに助けを求めに行く。

「あ?どうしたんだよ、捕まえたんならとっとと焼けよ、早いもの順だぜ?」

「火…貸して…」

「…はあ!?火を熾す道具すら持ってねーのかよ!?試験内容が非公開でもそれぐらいは持ってくるだろ、ふつー!」

「ごめんなさい…」

初期アイテムにライターを設定しなかった私のミスです…

「たくっ、ほら…」

「ありがと」

あぁ…4次試験どうしよう…や、ライターあってもサバイバルの知識ないから一緒か…

常に誰かにくっついてよう、そうしよう。



「うん、おいしい!」

「これもうまい!」

「うんうん、イケる」

「これも美味!」

今私の目の前でスナック菓子を食べるようなスピードで無くなっていくのは本当に人よりも大きな豚の丸焼きなんだろうか…

周りの人たちも信じられないものを見た目でブハラさんのことを見てるし…

「あ~~食った食った、もーおなかいっぱい!」

ゴオォォォォォン!!

「終ーー了ォーー!!」

食べきった…なんで最後まで見ちゃったんだろう、でもなんか目をそらせない何かがあった、すごかった…

「やっぱりハンターってすごい人達ばかりなんだね」

「ああはなりたくないけどな」

ゴン君すごい、本心からすごいって言ってるよね、いや私も本心からすごいと思ってるけどゴン君のそれとは大分ベクトルが違うと思うんだ。

クラピカは必死に考えてる、考えても答えは出ないことに頭使っても疲れるだけだよ…

「あんたねー、結局食べた豚全部美味しかったって言うの?審査になんないじゃないのよ」

「まーいいじゃん、それなりに人数はしぼれたし。細かい味を審査するテストじゃないしさー」

「甘いわねーアンタ、美食ハンターたる者自分の味覚には正直に生きなきゃダメよ」

「ま、仕方ないわね。豚の丸焼き審査!!71名が通過!!」

ゴオォォォォォン!!

私が入ったからキリのいい数字じゃなくなちゃったね…どうでもいいけど

「あたしはブバラとちがってカラ党よ!!審査もキビシクいくわよー」

「二次試験後半あたしのメニューは、スシよ!!」

ハンゾー以外が困惑した表情になる、でも現実ではお寿司は世界でも結構知られてる料理なんじゃないかって思ってたんだけど実際そうでもないのかな?

海外でお寿司を知ってる人って実際どれくらいいるんだろう?

「ふふん、大分困ってるわね。ま、知らないのもムリはないわ、小さな島国の民族料理だからね」

「ヒントをあげるわ!!中を見てごらんなさーーい!!ここで料理を作るのよ!!」

うわっ…すごい光景、調理台がいっぱい…

「最低限必要な道具と材料はそろえてあるし、スシに不可欠なゴハンはこちらで用意してあげたわ」

「そして最大のヒント!!スシはスシでもニギリズシしか認めないわよ!!」

「それじゃスタートよ!!あたしが満腹になった時点で試験は終了!!その間に何コ作ってきてもいいわよ!!」



さて、出来れば私はこの試験で合格したい。

別にこれで落ちても卵をとってくればいいのは分かってるけど、出来ることならあんなところに飛び降りたくは…ないな…

ハンゾーはお寿司を知っていた、でも知っていることを全面に出して持っていってしまったためメンチに味で審査されてしまい落とされた。

つまりお寿司を知らない人が試行錯誤の末お寿司にたどり着いた、という風に出来れば味が悪くても合格するはずだ、もともとはそういう試験だったんだし。

つまりこれは…口先の勝負!!

「お願いします」

「あら、ようやくまともなのが出てきたじゃない」

持って来るタイミングは何人かが持ってきた後、ハンゾー前、このタイミングしか合格はありえない。

クラピカ、説明借りるよ。

「文献で酢と調味料を混ぜたご飯に新鮮な魚肉を加えた料理、と書いてあったのは覚えていたのですが形状は乗っていなくて」

「そうなの?じゃあどうしてこの形に?」

よし、乗ってきた。

「ニギリズシという名前、そしてそれしか認めないという発言から固形の形状が決まっている料理で手で握るものだと言うのは想像がつきました」

「続けて」

「はい、そしてメンチさんが手に持っている道具と手元にある調味料の入れてある小皿、その2つから大きさは大体この程度であると考えました」

「うんうん」

「あとは魚肉をどう加えるかですがこの大きさでは一匹全部を使うのは難しいので切り身にして、中に入れるか上に乗せるかは迷ったんですが…この大きさで中に入れようとするとさすがに小さすぎると思ったので上に乗せました」

「なるほど、それでこの形にたどり着いたって訳ね」

「はい」

「うん、正解よ、形はこれであってるわ。じゃ、試食させてもらうわね」

「はい、お願いします」

味は…自信がない。お寿司なんて作ったことはないし試しに食べてみたけど余り美味しくなかった…さっきの説明でどれだけ加算してくれるかかな。

「そうねぇ…シャリ、あ、ご飯のことね?シャリはもうちょっと強く握ったほうが良いかな?潰れちゃわないように気をつけたんだと思うけどこれだと醤油をつけた時に崩れちゃうわ」

「はい…」

「タネの切り方は結構良いわね、体温が移ってないわ。早く正確に切ったのがわかる」

「ありがとうございます」

まぁ包丁くらいは使えるからね…

「あとスシっていうのは摩り下ろしたわさびを使うのよ、調理台に会ったでしょ?緑色したやつ」

「あ、はい、ありました」

使わないほうが知らない人っぽいと思って迷ったけど入れませんでした、とは言わないけどね。

「摩り下ろしたわさびを酢飯と魚肉の間につけるのがホントの作り方よ」

「はい」

「でもここまで正確にスシを作れた観察力と推理力は大したものね、いいわ406番二次試験合格!!」

「ありがとうございます!」

良かった、作戦通り、まぁさすがにメンチさんだって美味しいお寿司が出てくるなんてもともとは思ってなかっただろうし、ハンゾーが作り方をバラす前だったらこんなもんだよね。

「ちょっと待ちなさい406番、戻っちゃダメよ」

「え?」

「作り方教えられちゃったら試験の意味ないでしょ?合格者はここで待ってなさい」

「あ、はい、分かりました」

戻っても教える気ないけどね、これで下手に数人が合格しちゃったらそのまま結果が通っちゃうかもしれないし…

でも合格者1人だったら原作通り再試験になるだろうし、私は飛び降りなくてすむし万々歳と。



………

……………

あの後原作通りの展開を経てメンチさんのお腹は無事満腹に、ただいま若干キレ気味にハンター協会に電話しています。

「だからーしかたないでしょ、そうなっちゃったんだからさ、いやよ!!結果は結果!!やり直さないわよ!!」

「報告してた審査規定と違うってー!?なんで!?はじめからあたしが『おいしい』って言ったら合格にするって話になってたでしょ!?」

あ、私おいしいって言われてないや…黙ってよう…

「それは建前で審査はあくまでヒントを見逃さない注意力と…」

「あんたはだまってなーー!!」

口を出そうとしたブハラさんがメンチさんに怒鳴られる。間違ったことは言ってないんだけど頭に血が上ったメンチさんには通じない…

「こっちにも事情があんのよ、テスト生の中に料理法をたまたま知ってる奴がいてさーそのバカハゲが他の連中に作り方を全部バラしちゃったのよ!」

バカハゲ…まぁそのハゲ、もといハンゾーがバラす前だったから私のお寿司でも合格にしてもらえたんだけどね。

まぁ実際はハンゾーが大声で作り方をばらしちゃった時点で試験続行不可能だったんだろうね、作り方バレたら味で審査するしかないっていうメンチさんの言い分はある意味間違ってないし。

「とにかくあたしの結論は変わらないわ!二次試験後半の料理審査、合格者は1名よ!!」

痛い痛い痛い、視線が痛い。たった一人合格したからってそんなに睨まなくても良いじゃないかー!

睨むならハンゾーでしょ!?ハンゾーのせいで試験がおかしくなっちゃったんだから!

そしてハンゾーがバラさなかったら結局正しい作り方にたどり着かなかった人は注意力が足らないだけでしょ!

たぶんクラピカはあと2、3回くらい持ってきてたら正しいの持ってきてたと思うし…

ドゴオォォン!!

トードーが調理台を素手で破壊する、念も使ってないのにパンチで調理台破壊して自分はケガなしって…今考えると結構すごくない?

「納得いかねェな、とてもハイそうですかと帰る気にはならねェな」

「オレが目指しているのはコックでもグルメでもねェ!!ハンターだ!!しかも賞金首ハンター志望だぜ!!美食ハンターごときに合否を決められたくねーな!!」

「それは残念だったわね」

「何ィ!?」

「今回のテストでは試験官運がなかったってことよ。また来年がんばればー?」

内心はらわた煮えくり返ってるだろうに良く押さえてるって言うべきなのかな?

そこで大人な対応が出来るならもっと前で出来ればよかったのにメンチさん…

「こ…ふざけんじゃねェーーー!!」

そんなことは分からないトードーは怒りに任せて突っ込んでくる、けど飛ばされる、ブハラさんに…

ブハラさん…怒ってるな、そりゃそうか、自分の仕事バカにされて怒らない人なんていないよね…

メンチさんが余りに豪快に怒るから気づかなかったけどブハラさんも相当怒ってたんだね。

それでもトードーが死なないようにしてあげるのはやっぱり優しいからかな。

「ブハラ、よけいなマネしないでよ」

「だってさーオレが手ェださなきゃメンチ、あいつを殺ってたろ?」

「ふん、まーね」

「賞金首ハンターなんて笑わせるわ!!たかが美食ハンターごときに一撃でのされちゃって。どのハンターを目指すとか関係ないのよ、ハンターたる者誰だって武術の心得があって当然!!」

何本もの包丁を巧みに操りながら怒りも露に力説するメンチさん、トードーが吹き飛ばされた事実とその姿に騒いでいた受験生たちが押し黙る。

「あたしらも食材探して猛獣の巣の中に入ることだって珍しくないし、密猟者を見つければもちろん戦って捕らえるわ!!」

「武芸なんてハンターやってたらいやでも身につくのよ!あたしが知りたいのは未知のものに挑戦する気概なのよ!!」

ごもっともです、ズルして合格した身としては色々と耳が痛いですが…

その後は原作通りネテロ会長がやってきて審査やり直し、でもお寿司で合格していた私は再審査免除になった、良かった…



「キルア君、半分ちょうだい?」

「えー、取ってくりゃ良いじゃん」

それが怖いから言ってるのに…、半分くらい良いじゃないかお子様め!

「私のでよければ半分あげよう」

そう言って差し出してくれるクラピカ、やっぱりクラピカは大人だね!

「ありがとう!いただきます!…お、美味しい!!」

何これ美味しい、すごく美味しいんだけど!?

元々ゆで卵はかなり好きだけどこれはすごいわ…命がけで取りに行くのも分かる気がする、やっぱり行かないけど…

「もう何個かとってこよーぜ」

そう言って再度崖下に下りようとしたキルア君はメンチさんに貴重な食材を乱獲して良い訳ないでしょうがって怒鳴られてた…



























5/31投稿

地の文もっとあった方が良いかな?

指摘に従ってところどころまとめて飛ばしてみた、多分こんな感じだと思う。

ハンゾーの前であればヒントから正しい作り方をして持って行った受験生は味が悪くても合格になったと信じてる。

次はネテロ会長と遊んだ後トリックタワー。

トリックタワーではオリ主はトンパの代わりに多数決の道に行く、トンパは落ちるだろうけど気にしない、モブキャラだし。

ただそのせいで4次試験が面倒なことになるだろうけどそれが分かった上でオリ主は多数決の道に行く。

1人で違うルートに入ると最悪死ぬ可能性があるから、ゲームオーバーの可能性が低い道に行く、さようならトンパ。



[19256] HUNTER×HUNTERをプレイしてみた(仮) 第三話
Name: ユイ◆d2ec74bc ID:1dab45ea
Date: 2010/06/02 14:41


「ユイ!!ユイも一緒に飛行船の中探検しよーぜ!!」

そう素晴らしい笑顔で聞いてくるキルア君たちはきっと断られるなんて微塵も思っていないに違いない。

探検しない?ではなく探検しよーぜ!!というところがそれを物語っている。

どうしよう…行くべきか断るべきか…

ネテロ会長にはどうせ勝てないだろうからボール遊びは時間の無駄だし…

でも着いていけばキルア君が私にも家の話してくれるかな?

二人と仲良くなるためには着いていく選択肢以外ないんだろうけど…

正直めんど…コホン、疲れたから休みたいし沼地走ったからシャワーも浴びたいし…

うん、迷うところだけどやっぱり断…

「ユイ、来ないの?」

「…行く」

ムリだ、断れない…

まぁ着いていったとしてもボール遊びに入る時に辞退すれば良いだけだし…

「まずどこ行くの?」

「やっぱ操舵室!これは外せないだろ!」

「でも入れてくれるかなー?」

どうだろう、私が子供だったころは飛行機でコクピット見せてもらったこともあるけど今はそれも出来なくなったって聞いたことあるし…

HUNTER×HUNTERみたいに現実以上に危険がありそうな世界だと無理かもしれないなぁ…むしろハンター試験中の受験生を乗せた船な訳だし普段以上に無理って考えるのが普通かも。

私が入れてもらったときはちょうど山火事が起こってたり機器の説明とかしてもらったり面白かったから2人にも見せてあげたいけどなぁ…












あの後予想通りといえば予想通りだけど私たちは操舵室には入れてもらえなかった。

今は仕方なく飛行船の中を隅々まで探索中、この身体だと色々なところに入り込めるから確かにちょっと面白いかも。

ただちょっと…いや大分疲れてきたんですけど…

お子様二人はまったく疲れる様子なく探検を継続中、まぁ私も身体的に疲れたわけじゃないんだけど…

二人が何かをイジるたびに、壊しちゃわないかな?とかドコかに入ろうとするたびに、見つかったら怒られないかな?とか思ってたら何というか段々精神的に疲れてきたような…

ゴン君にも気付かれちゃったみたいで「大丈夫?疲れた?」なんて聞かれちゃうし、ちょっとだけって返せばキルア君が「この程度で情けねー」なんて言って笑ってくるし、あぁもう!疲れて休みたいけど二人が可愛いから一緒にもいたいし…

「おっ、あそこ窓際にベンチあるからちょっと休もうぜ」

「そだね」

気、使わせちゃったかな?でもまぁ、どっちみち立ち止まってたかな?やっぱり乗り物といえば窓から見える景色だしね。

「うわすげー」

「宝石みたいだねー」

「綺麗…」

飛行機よりも高度が低いからかな?すごく綺麗に見える。

そういえば最後に飛行機乗ったのってもう10年近く前だ…懐かしいなぁ…

でも飛行機の窓はもっと小さいしこんなすごい景色見るのは…生まれて初めてだな。



………

私が景色に夢中になっている間にもゴン君とキルア君は原作通りに話していたらしく意識が戻った時にはもう話も終わりかけていた。

この話を聞くために来たようなものなのに何をやってるんだろう私は…

あれ?ってことはもうすぐネテロ会長がココに来る?たしか…っ!?

体が何かに反応したようについ左の方を見てしまうけどもちろんそこには誰もいない。

「どうかしたかの?」

後ろから掛けられた声にびくっと身体を震わせながらも振り返ればそこにいるのはネテロ会長。

知っていたはずなのにまったく分からなかった…ホントに今私たちの横を通り抜けて後ろに回ったの?

ネタの分かってないゴン君はまったく疑いもせずネテロ会長に問いかけるけど会長はそ知らぬふり…

何をされたのか分かったキルア君は会長に噛み付いて不機嫌になるし…これ以上私を精神的に疲れさせないでよ…

そしてそのまま原作通りの流れで二人は会長とゲームという名の会長の暇つぶしの付き合いをすることに…

いやゴン君そんななんでついてこないの?みたいな目で見られても私はもう戻って休みたいわけでね?

「ユイ?どしたの?行こうよ」

「……………うん」

ダメだ…好きな作品の好きなキャラクターが誘ってきてるのに断れるわけがない…何これイジメ?私戻って休みたいんだけど?

でも三人でやればもしかしたらボール取れないかな…?無理かな?無理だよね?無理だろうね…










キルア君が会長の足を狙って蹴りを入れるも逆に自分の足を痛めてゴン君と交代。

そのゴン君も会長の速さについていけず振り回されっぱなし、でもすごく楽しそう…

「う~ん、中々取れないなー、よし!作戦考えるから一回交代ね」

そう言って一度戻ってくるゴン君、まだ数分しかやっていないというのに相当汗をかいてる、確実に1次試験よりも疲れてる感じだ。

しかしネテロ会長どうなってるんだろう、あの人は…纏すらやってないのにあの速さと頑丈さはありえなくない?念を使わなければキルア君だって相当鍛えてるはずなのに…

やっぱり天武の才も100年を超える研鑽には適わないってことかな…

「あれ?キルア君行かないの?交代でしょ?」

「は?次はユイだろ?」

…なんですと?

え?見学じゃなくて私もやるの?一人で?

三人で掛かってもダメだろうなと結論付けたのに一人でやれと?

「ユイ!頑張ってね!」

「…………………うん」

え?だって、え?…念つかっていいの?もちろん私が使った上で会長が使わないこと前提だけど…ないかさすがに。

こっちが使って会長にも使われたらお話にならないから…念なしなんだけど…

無理でしょう…

ちらりとゴン君たちの方を見ると対称的な二人の視線が眼に入る。

うん、キルア君はまったく期待してないね。反面ゴン君は純粋に応援してくれてるけど。

まぁ取れれば暗い塔に3日間閉じ込められることも、無人島に1週間閉じ込められることもないんだ…

失敗しても何もデメリットはないんだし…どうせなら本気で…行く!



………

……………

一般人である私はただ走るだけならともかくこういったものでは本来速い動きには対応できないし目でも追えない。

それを可能にしているのは脳に直接働きかけるゲーム内であるからこその思考の加速。

自分含めて世界がいつもよりゆっくりと流れていくような感覚、思考だけが加速して他が置いていかれる状態。

擬似的な身体能力の向上、これのおかげで私は素早い動きと動体視力を確立できている。

会長の動きは目で追えてるはず、ボールの動きが予測できてるし体の動きもついていけてるはず。

にもかかわらずボールが取れないのはやっぱり私が素人だからだ。

きっと無駄な動きが多すぎる、後一歩ボールに届かない、なるほど遊ばれてるんだろう。

キルア君がイライラするのも無理ないね、こっちが取れないギリギリの速さでボールを操ってるのが良く分かる。

きっと私がもう少し早く動けても、会長はそれでも取れない速度でボールを動かすだけなんだろう。

とするとボールを奪い取るためには…予想外を使うしかない。

だとするとこれはやっぱり…

「これではらちがあかんのー、3人いっぺんにかかってきてもいいぞよ」

数で攻めて不意をつく!

「よし!!今度こそ!!」



………

……………

ゴン君が靴をずらした…会長のあごを蹴り上げるシーンだ。

この後キルア君が後頭部を蹴りつけて、取られそうになったボールを会長が足で蹴り飛ばす…とすると方向は…あっちか!

………

よしキルア君がボールに飛び掛った、これでボールはあっちに蹴り飛ばされ…逆!?

あれ?間違えた?いや違う、対応されたのか、こっちは会長の動き一つ追うだけで精一杯だっていうのにゴン君に不意をつかれた状態で冷静に私の動きまで目で追わないでよ!

でもまだだ、あのこぼれたボールをゴン君が靴をぶつけて跳ね飛ばすわけだから、ゴン君があっちにいるんだからボールはあっち!

よし!どんぴしゃ!原作の二人よりも先に動いた分だけ速い!取った!

「とっ…うわっ!?」

「努力賞…といったところじゃな」

…うそぉ、今のタイミングでもダメなの?跳ね飛ばされる前からボールの動き予測して飛び出したんだよ?

体勢崩された状態からゴン君とキルア君押しのけてなおかつ私よりも速くボールにたどり着くとか…反則でしょ…

もっと不意をつく意味でボールをゴン君とキルア君に任せて会長を押さえに行ったほうが正解だったかな…

いきなり念使って全力で飛び掛れば0.1秒くらい…稼げたらいいな…

結局手を抜かれて遊ばれてるわけだからどれだけ追い詰めてもその分だけ本気を出されておしまい…か

そろそろ潮時かな…眠いし、それに…

「やーめた、ギブ!!オレの負け」

キルア君も止めるしね。

ゴン君がもう少し頑張ろうよって止めてるけど会長がほとんど右手と左足使わずにいることを言って無駄だと断るキルア君。

「私も止めるね、そろそろシャワー浴びて寝ときたいから、ゴン君はどうする?」

「んー、オレはもうちょっとやってく、残り時間でネテロさんに右手くらいは使わせてみせるよ」

「うん、頑張って、無理しないでね」

「大丈夫!絶対使わせてみせるから!」

前半部分にしか答えてないよね?それ…まぁ、ほどほどにね





「キルア君、いこ」

「あぁ…」

さてと…あとはキルア君が誰ともぶつからないようにシャワー室まで行って…朝までぐっすり寝れば機嫌も治ってるでしょ、たぶん。

「イライラしてる?」

「別に」

あはは…してるね、すっごく。

「いーじゃん、一つやりたいこと見つかったよキルア君」

「は?なんで?」

「修行して強くなっていつか会長に一泡吹かせる、どう?」

「…いいね、それ。決定」

「でしょ?」

少しだけ笑ってくれたから、きっともう大丈夫だね。

こういう小さいことでいいんだ、きっとこれからもっとたくさん見つかる。

増やして行こうね、やりたいこと、そして一つずつ叶えていこう。

あぁ、うん、やっぱり着いてきてよかった。

キルア君が人殺し、しなくてすんだしね。

「さてと、シャワー浴びて寝ますか」

「ま、6時間は寝られるだろ」

「それだけ寝られれば十分かな?ゴン君は徹夜で来たりして」

「それしゃれになってねーっての、ありえそうで」

「あはは、ほんとだね」

隣で見せてね、キルア君がやりたいこと見つけていくところ。

私も出来るだけ、協力するからさ。




























5/31投稿

キリのいいところで切ろうとしてるから毎回文量が違う。

次とか3次試験全部書いたら結構長くなる気がする。

話の区切りよりも文量で投稿するタイミング決めたほうがいいだろうか?

今回は3次試験前のボール遊びだけで1話使ってみた。

何人増えようと会長からボール奪い取るのは無理な気がする。

きっとボール遊びのときは念は使ってないと信じてる、使ったのは飛行船から飛び降りたときだけかな?

もし飛び降りたときも使ってないっていったらもう会長を人間とは認めない。

150歳くらい生きてる時点で認めにくいけど…



[19256] HUNTER×HUNTERをプレイしてみた(仮) 第四話
Name: ユイ◆d2ec74bc ID:1dab45ea
Date: 2010/06/02 15:38
原作通り少し遅れてトリックタワーに到着、おかげでかなり眠れたので体調はバッチリだ。

ゴン君に聞いたらちゃんと会長に右手を使わせることには成功したらしい、すごく晴れ晴れとした顔で報告をされた。

そんなわけで今現在はトリックタワーの天辺に来ているのだけれども、高い、非常に。

外壁を伝って降りていくロッククライマーもすごいとは思うけれどそれを淵ギリギリで見ていられるゴン君とキルア君もすごいと思う。

あぁ、でもここに居る人たちはみんな卵取りに飛び降りたような人たちだし高いところは平気なのかな。

現在全員が隠し通路を探して探索中、私はというとゴン君たちと降りる気満々だし下手に歩き回って不意に落ちたりしたらたまらないから、なるべく動かないようにしてゴン君たちが扉を見つけてくれるのを待っている。

クリアまで一人でしかも得体の知れない道を降りるなんて怖すぎる、なるべく失敗する可能性は低くしておきたいからね。

まぁ代わりにトンパが高確率で落ちるだろうけど気にしない。

後は、四次試験が面倒になるっぽいけどそっちの方が色々やりようあるだろうし。

全員の6点分のプレートの集め方を思い出しつつ、どうすれば問題なくそこに自分を割り込ませられるか色々考えてたら原作通り多数決の道を見つけたらしく私にも声を掛けてくれた。

生きて必ず下で会おうとみんなと約束してから扉を降り、明かりがつくと全員が同じ場所。

原作との変更点がないことにほっとする、これで三次試験は特に問題なく通過できるだろうし私のやりたいことも出来るだろう。










左右の分かれ道ではトンパの代わりに説明をし原作通り5VS5の試練官戦の場所までスムーズにきた。

出来ればジョネスと戦いたい私は一番手に立候補することはなく代わりにキルア君が一番手で出てベンドットを圧倒。

ゴン君も二戦目を順当にとりあっという間に2勝0敗、三戦目も原作と変わることなくクラピカが出た。

今は気絶(したふり)をして起きないマジタニの回復待ち中だ。

ただここで勝たれてしまうとトンパの負けがないのでストレートで突破してしまう。

原作とクリア順やルートに違いが出るのは別に構わないんだけど、出来ればみんなの前で1回戦っておきたい私は早々に既に2勝していることを理由にクラピカからの棄権を推奨。

本来目覚めれば確実に勝ちが拾える勝負を捨てるのはありえないことだけどクラピカは自分のせいで時間を浪費していることは自覚しているし、ゴン君はレオリオや私を信じてくれてるから特に反対意見は出てこない。

レオリオも自分で決める気満々みたいだから乗ってくれたしね。

まぁそのレオリオはやっぱりレルート相手に賭けで負けて50時間のチップを失った、でも三戦目で気絶待ちをほとんどしていないので原作よりは時間が余っている、私が時間を掛けなければクリアに問題はないだろう。

最後の試練官が出てくる、拘束具を外されて出てくるのは……誰?

ジョネスではない、あいつは念能力者ではなかったはずだ、だが相手は念を纏っている。

さっきまでは確かに纏っていなかったはずだ、あの拘束具か?クラピカの鎖と同様捕らえた相手の念を封じ込める仕組み?

念能力者には念能力者をぶつける決まり?ヒソカのところには来ていたしまさかイルミのところにも居たのだろうか。

でもここは多数決の道だ、他に受験生が居るのに念能力者同士を戦わせるなんて、もっと臨機応変に出来ないのだろうか。

そりゃ肉弾戦だけならただ高レベルな勝負になるだけだけれど私は操作系なんだぞ?

まぁでもいい、私がやりたいことから考えればむしろ好都合だ、こんなところに捕まっているのだからきっと大した使い手ではないんだろう。

「ユイ、オレで決められなくてすまなかった、オレ達の負けでいい、あいつとは戦うな!!」

そういって私を止めてくるレオリオ、あいつのことも知っているのか、賞金首ハンター志望でもないのにすごいな。

見ればキルア君も汗びっしょりだ、彼が強者に対して一番反応するから。

ゴン君とクラピカも冷や汗を流している、念を使えない人にとって念能力者は相当なプレッシャーらしい。

レオリオの話いわく彼は連続放火魔、ただ対象は建物ではなくて人間。

数え切れない程の人間が彼の手によって無残な焼死体に変えられたらしい。

ただ謎なのは彼を捕らえようとした警察官が次々に焼死体に変えられたときの話。

明らかに炎に包まれたように苦しみ焼死体へと変わって行ったにもかかわらず彼らを包む炎がまったく見えなかったらしい。

見えない炎で人を焼く大量殺人犯、警察にも手に負えない彼は賞金首ハンターに捕まるまで一般市民の恐怖の対象であったらしい。

「なるほど……貴重な情報ありがとうございます」

炎が見えないのは恐らくオーラを炎に変える変化系能力者だから。

実際の炎ではなくオーラによるものなら念を使えない一般人には見えないはずだ。

変化と操作は遠いから自在に炎を操るというよりは触れた物を燃やすタイプの能力者のはず、近寄らなければ怖くはない。

変化系の相手と操作系の私、肉弾戦ではもともと不利である上にそんな能力、近寄られたらお終いと言ったほうが正しいか。

いかに距離をとったまま戦い相手を倒すか、操作系である私の本領発揮といったところか、やはり好都合。

どうせこの後無駄に50時間を過ごすのだ、ここで一度見せておいた方が説明もしやすい。

原作の流れなど知ったことじゃない、攻略法の知れたゲームに面白みはない。

私は私のやりたいことのために今ここでみんなに念をばらす、そのために彼には協力願おう。

あぁ、ネテロ会長と遊んでおいてよかった。

あれは遊びだけど、でも高速で動く感覚はつかめた、実践で始めてやるよりは安心できる。

尚も止めてくるレオリオに大丈夫だからと答えて中央へ向かう、近づいてくる相手のオーラを感じる、いやな感じだ。

怖いか怖くないかといわれたら怖い、でもこれはゲーム、失敗したらまた最初から始まるだけのそんなゲームだ。

大丈夫私はやれる、こんなところに捕まるような奴にやられるほど私は弱くないはずだ。

念能力者同士の戦いは必ず勝つつもりで……だったかな。

「勝負の方法はデスマッチ、オレかお前どちらかが死ぬまで戦う」

体格は私より大分いい、見た感じ強そうだ、けど念能力者の戦いは見た目の強さは関係ない。

「分かりました」

水筒から水を出す、量は2Lほど、これ以上は持ち運びにくい。

もう一つの能力は、間に合うかどうか分からない、相手には分からないだろうがこの場所は私にとって多少不利だ。

だから出来ればこれで決めるつもりで、体の回りに纏わせる、後ろで驚いている声が聞こえるけど後で説明するから待ってて。

私が操作系であることは目に見えてわかっただろう、相手は距離を詰めようとこちらに近づいてくる。

半分を体の回りに残しもう半分で相手を牽制、ただの水じゃないオーラで操っている水だ、尖らせれば刺さる、刃状にすれば斬れる。

纏っているオーラは大したことがない、操作系である私よりも下、これなら肉弾戦でも勝てるだろう能力を別にすればだが。

首や心臓を目掛けて針状の水を飛ばすが両手の炎で受け止められる、さすがにこの程度の水では凝をした部分を突破できるほど威力はないらしい。

距離を詰められないようにこちらも動きながら水を操る、両手で防ぎにくい足等も狙うがこちらは避けられる、初めてだからまだうまく動かせない。

水は私の思ったとおり動いてくれるが、相手の動きを予想するのと水を思い通りに動かすのを両立するのは難しい、2つのことをいっぺんに、慣れるまで時間がかかりそうだ。

結果攻撃は単調になる、うまく当たらない、避けられるか防がれる。

避けられるのはいいが防がれると段々水が蒸発していく、量が減っていく、私の生命線なのに……

距離を詰めようとする相手と距離をとろうとする私、水を飛ばす私とそれを防ぐ相手。

状況に変化がない、決め手がないから。やっぱりもっとちゃんと能力を吟味してから始めるべきだった。

漠然と水を操る能力としか決めず始めてしまった、オーラを込めた水は詰まるところ念弾のようなものだ基本技であり決め手ではない。

フランクリンのように数が増えればそれでも脅威となるだろう、純粋な放出系である彼は制約もあって威力も高い。

私は汎用性が高い分威力はそれほど高くない、手持ちの水が少ないから数も多く出来ない。

もっと考えなくてはダメだ、制約を増やすか技を考えるか、この程度の使い手に通じないとかこの先お話にならない。

考えているうちに隅に追い詰められそうになっていた、右に抜けようと身体をずらす。

「!?」

目の前に炎の壁、掴んだものを燃やす能力者だと決め付けてしまっていた。

放出も近くはないが出来ないわけではない、単調にまっすぐ伸びるだけの炎の壁、距離も大したことはない、なるほどこの程度なら可能だろう。

逃げ道を防がれた、接近を許す、体に纏った水で迎撃しようとするが一瞬固まった思考の分相手のほうが早い。

腕をつかまれる、とたんに感じる灼熱、私の反撃があたる前に相手は既に引いていた。

熱い熱い熱い、水を纏わせて炎を消すが酷い火傷だリミッターがあるから痛みはそんなに、でも腕は動かない、そのあたりは正確。

小さなころにした火傷を思い出しながらゲームでよかったと思う、あんな痛い思い仮想の世界でわざわざしたくはない。

そういえばこういう時は凝だったとゲンスルー戦を思い出して思う、私の攻撃を相手はちゃんと凝をした手で防いでいたのに忘れていた。

やはり私も修行が必要だ、格闘ゲームで強いキャラを使っても操作が下手なら負けてしまう。

今の私はそんな状態、知識はあれども身体は動かず、もっとスマートに勝つつもりだったのに舐めすぎていた。

相手は勝ちを確信した顔をしている、こちらの攻撃は相手に通らず、しかも水は段々減っていく。

狭いリングの上、また接近する機会もあるだろう、長期戦にはなるかもしれないが自分の勝ちは揺るがない、そんな顔だ。

そう、長期戦、代わり映えしない展開に気付けば結構時間もたっている、勝負を決められなかったのは残念だが、おかげで自分が大分未熟であることには気付けた。

ありがとう、あなたとの戦いは無駄じゃなかった、これからはもっとしっかり自分の能力を考えます。

相手の背後から噴出す大量の水、私のもう一つの能力がしっかりと役目を果たしたらしい。

これにて形勢は逆転、一つ一つの威力が低くてもこれだけの数の攻撃を防ぐ術は相手にはない。

大量の水を細かくわけ相手を囲うように包ませる、一つ一つを動かすなんて器用な真似は出来ないししていない。

芸もなくただいっせいに相手に殺到する無数の水泡、いくつかは避けられた、いくつかは防がれた、でも全てを避けきり防ぎきるほど相手は強くはない。

「勝ったよ」

みんなの方を見て言えば帰ってくるのは驚愕の表情、相手の炎は見えてなかったはずだけど私の水は実物だから見えたはず。

そんな顔をしないで、ちゃんと説明するから。

時間はたっぷりあるからね、今から50時間、理論の説明をするには十分な時間でしょ。

架け橋がかかりこちらに渡ってくる四人、ゴン君の目が相変わらずキラキラと輝いているのはさすがだね。

「すごいねユイ!それどうやるの?オレにも出来る!?」

どうだろう?ゴン君は強化系だからね、放出系寄りとはいえ何かを操るのは大分苦手そう。

「まったく同じことが出来るかどうかは分からないけどね」

キルア君がこっちに来ない、警戒されてる感じがする。

「なぁ、今の何?それと似た感じを前にも感じたことがあるんだけど」

イルミの念のことかな、試合中は錬をしてたから似た感じがしたんだろうね。

「とりあえず先に進もう?50時間過ごす部屋があるはずだから、そこでちゃんと話すよ」

この試験中に念が使えるようになって欲しいわけじゃない、むしろ色々変わりそうでそこまではさすがにやる気はない。

ただゾルディック家からキルアを連れ出したら、みんな一緒で天空闘技場にいけたらいいなって感じ。

レオリオは強化に近い放出だろうから能力しだいでは医者になるよりも多くの人を救えるはず。

クラピカも、原作では顧客を得るために別れたけど、9月に蜘蛛と遭遇する可能性が高いのならばそれよりも先に力を優先するはず。

今ここで見せて説明しておけば、みんなで一緒に行動できる可能性はかなり高くなる。

それが私のやりたいこと、原作にはなかった風景、アニメのOPで見た風景。

みんなが楽しそうに幸せそうに旅している景色、それが見たい。

原作通りの道筋を歩きたくてゲームをプレイしたわけじゃない、どうせなら原作になかった道を歩きたい。

とりあえず現時点でどこまで説明していいのか、頭の中で色々整理しながら待機部屋に行くために歩き出した。



























6/2投稿

三次試験試練官戦まで

今後の為に自分の強さを見せておこうとしたオリ主、でも分かったのは自分が大して強くなかったという事実。

天空闘技場ではみんなは念の修行、オリ主は戦い方の修行。

オリ主にとっては190階までの方が為になるかも。





手違いで一度全部消えてしまいました、原因は良く分かりません。

感想で色々指摘をもらっていたのに申し訳ありませんでした。



[19256] HUNTER×HUNTERをプレイしてみた(仮) 第五話
Name: ユイ◆d2ec74bc ID:1dab45ea
Date: 2010/06/04 00:11

部屋に入り試験官からここで50時間待てば扉が開き先に進めるとのお達しがあった後訪れる沈黙。
全員が私の発言を待っているんだろう、さて、どこまで話していいのだろうか。
もしここで念について全てを話せば、ゴン君とキルア君なら部屋を出る前に、クラピカとレオリオでもゼビル島滞在中に念に目覚めるかもしれない。
それだけの素質をこの四人は持っているはずだ。
その際何か不都合は起きるだろうか?
何か変化があるとすればゼビル島でのヒソカの対応、最終試験でのキルア君とイルミの試合、そしてゾルディック家を出るときだろうか。
ヒソカは……問題ないかもしれない、ゴン君は纏を覚えたとしても元々絶ができる、プレート奪取には影響しないはずだ。
いや、だが念を覚えたことを悟られればヒソカの警戒度が上がるかもしれない。
ヒソカはG・I内で絶をしていたカルトの存在に気付いていた、ゴン君の存在がばれることもないとは言い切れない。
イルミの対応も予想がしにくい、原作ではイルミはキルア君に悪影響を及ぼすとしてゴン君を殺したがっていた。
ゴン君はヒソカのお気に入りということで断念したが、キルア君に勝手に念を教えた私もイルミにとっては殺害対象になるかもしれない。
その際ヒソカは止めてくれるだろうか?
一応私もゴン君たちと同年齢で念能力者、青い果実だと思われていても不思議ではないが……
どちらも確定しないうえに悪いほうへ転がればゲームオーバーに繋がる可能性が高い。
やはりハンター試験が終わるまでは念に目覚めないでいてくれた方がいいかもしれない。
しかしだとするとどこまでが話していい内容になるのだろうか。
ゴン君もキルア君も感性も勘もするどい、身体を流れるオーラや燃の話をしただけで独力で念に目覚める可能性もある。
念の話はもちろん燃やオーラの存在の話もせず、ただ特殊な力という話だけをして詳しいことは試験後に話すと約束するだけで許してくれるだろうか?
ゴン君は好奇心の塊だしキルア君も隠されるのは嫌いそうだ、追求してくるかもしれないがそれも話し方次第だろう。

「ユイ……」

大体の方針が決まり口を開こうとしたところで先にクラピカから声を掛けられる、待たせすぎてしまっただろうか?
しかしクラピカはこういう話を急かしたりするタイプではないはずだけど、どうしたのだろうか。

「先ほどの男のことは私も知っている、たしかB級賞金首であったはずだ」

クラピカも知っていたのか。確かに念能力者は数が多くないらしいしそれがあんなに目立つ形で犯罪行為を行っていたのなら知っていてもおかしくはないか、それこそハンター志望者のほとんどが幻影旅団の名を知っているように。

「あの男がやったであろうユイの腕の火傷、そして先ほどユイが見せた不思議な力……その力を…………幻影旅団も使うのだろうか」

なるほど、幻影旅団はA級賞金首だ、それはつまり捕まえる際の難易度を示している。
B級賞金首であったあの男が使ったクラピカにとっては未知の力、それを幻影旅団と結びつけたのか。
頭の回転が速いと称えるべきか、思考の全てが旅団に結びついてしまうクラピカの現状を嘆くべきなのか。

「旅団はA級賞金首だから、多分構成員全員がこの力の使い手だと思う」

「っ!ならば私にそれを教えてくれ!!私には奴らに対抗できるだけの力が必要なんだ!!」

普段冷静であるはずのクラピカにしては珍しく詰め寄るように叫びながら訴えてくる。
いや、冷静であろうとしているだけでクラピカの本質は先ほどの試合の時のように蜘蛛と結びつけるだけで憎しみと怒りに支配されてしまう、とても危ういものなのか。
紙面や画面越しでは伝わらないクラピカの思い、紅く染まったその眼がクラピカの激情を現しているようだった。

「クラピカ!」

「っ!……済まない、取り乱した」

レオリオに肩をつかまれてクラピカの瞳に少しだけ冷静さが戻る。
そして語られるクラピカの思い、仲間の瞳、それを奪った幻影旅団への復讐。
私はクラピカのこの思いを受け止めることが出来るのだろうか。
笑顔で四人がすごす景色が見たい、ただそう思い、でもそれはそんなに簡単な事ではないのだと気付く。
クラピカに笑顔を与えることは、力を与え復讐を手伝うことなのだろうか。
復讐を終えた先で、クラピカは笑っていてくれるだろうか、復讐をせずとも笑ってくれるようになるのだろうか。
どちらを選ぶのが正解なのだろう?少なくとも原作で復讐の一端を果たしたクラピカは……辛そうだった。
思いを打ち明けてくれたクラピカに、でも私はなんて返していいのか分からず思わず視線を逸らしてしまい、ゴン君と眼が合った。

「親父も、その力を使えるのかな?」

その瞳はキラキラと輝いていて、ワクワクという擬音が聞こえてくるようだった。

「ハンターならまず間違いなく使えるよ、二つ星のハンターだって話だったしきっと私なんかよりずっとすごく」

その言葉を聞いたゴン君はなにやらとても嬉しそうで、手の届かないほど遠くにある目標を、でも必ず掴んでやると言っているようだった。

「オレも知りたいね、その力の先にきっと兄貴たちがいるんだ」

そう言ってくるキルア君、自分では適わないと思っていた存在に近づくための方法が見つかった。
何を探しているのかも分からなかったものが見つかったみたいに、その瞳はまっすぐ前を向いていた。
三人が三人ともそれぞれの理由で、でも切実に力を得ることを望んでいる。
幻影旅団に復讐をするため、家族を見返すため、そして父親に会うため。
残るレオリオと眼が合うと、優しく微笑みながら話し出した。

「オレはこいつらみたいに大層な目的があってハンターを目指しているわけじゃねー。ハンターになればバカ高い授業料が免除になるからって資格を取りに来ただけだしよ」

力はあるに越したことはないと思うけどな、って笑って付け足すレオリオ。
でもレオリオはそういうけれどハンターを目指す目的が一番綺麗なのはレオリオだと思う。

「一つ言えることはこいつらはさっきのを見なくても自力でその力に辿り着いただろうし、ユイが教えなくてもきっとどこかで手に入れる。だからユイは深く考える必要はない、言いたくないなら言わなくても大丈夫だ」

そう言って頭を撫でてくれるレオリオ、本来の私よりは年下だというのにその姿を妹を気遣う兄のようだと感じる。
ただ違うんだ、確かにレオリオの言うとおり私がいなくてもみんな念に辿り着く、そこは変わらない。
でも私がみんなに念の存在を教えると言うことは、私がみんなの人生に対して責任が出るってことなんだよ。
きっとレオリオは分かってて言わないでいてくれているんだろう、そんなこと気にしなくていいって。
でも関わるつもりならちゃんと覚悟を決めなくちゃいけないってことが分かったんだ。
私が念を教えればみんな私についてきてくれていつまでも一緒に旅が出来るって深く考えず思ってた。
でもそんなわけなかったね、クラピカは自分の復讐に仲間を巻き込んだりしない、きっと覚えることを覚えたら離れていってしまう。
最後まで付き合うには、付き合わせてもらうにはきちんと覚悟を決めないとダメなんだ。

「大丈夫、ちゃんと話すよ。でも、試験が終わるまで待って。試験が終わったらちゃんと全部話すから」

原作と違いが出ないようにとか、もうそういう理由じゃなくて、これは私が覚悟を決めるまでの時間。
今からキルアがゾルディック家から出てくるまでの約1ヶ月、その間に私もしっかり覚悟を決めるよ。
ありがとう、感謝するとお礼を言ってくれるクラピカ、試験が終わったらちゃんと話せよなと念押ししてくるキルア君。
ゴン君はさっきのもっかいやってみせてよなんて言ってくる、結構マイペースだね。
レオリオはやっぱり優しい顔で頭を撫でてくれて普段との違いがなんかくすぐったい。
短期で大雑把、でも心が広く情に厚い、レオリオはまさに放出系の鏡だね。
とにかく今は三次試験を突破することを考えよう、原作より時間は余っているけどこの先の道は知らないから楽観は出来ない。
タワーに入るまではここで念の話する気満々だったのに無計画に考えすぎたなと反省。
これからはちゃんと考えて行動しないとね、難易度も上がってきてちょっとのミスがすぐゲームオーバーに繋がっちゃう。
とりあえずこの50時間は、ターゲットがどう変わっても全員で合格出来るように試行錯誤することに使わせてもらおう。
無理に聞かないでくれるみんなの優しさを感じながら意外と大変なプレート問題に頭を悩ませる二日間になりそう。






























6/3 第五話投稿

短いけどキリがいいし切っておく。
次はタワー突破して四次試験は一気に書こうかなと思い中。
トンパ待ちの2時間と気絶待ちの数時間がないので原作よりもクリアタイムは早い予定。
誰が何時間でクリアしたかは知らないけれど少なくともポックルよりは早くなる。
他にもモブキャラ数人よりは早いかも。
その分ターゲットに変更が出る、どう変わるかはクジやアミダでも作って決めようかな。
でもゴン君のターゲットはヒソカ固定の方がいい気がするからいじらない。



[19256] HUNTER×HUNTERをプレイしてみた(仮) 第六話
Name: ユイ◆d2ec74bc ID:1dab45ea
Date: 2010/06/04 17:02
現在最後の多数決の部屋、長くて困難な道と短くて簡単な道でもめております。
解決策を知っているんだからゴン君よりも先に教えてあげればいいのだけれど今の私は落ち込んでいてそれどころではありません。
ただいまの残り時間約6時間、原作に比べれば早いのだけれど待機部屋を出た時点では原作より10時間近く早かったはず。
つまりトンパよりも私のほうが3~4時間余計に時間がかかっているということに気付いて凹み中。
何がいけなかったのか、○×迷路や地雷つき双六はすごく面白かったんだけど……楽しんだのがいけないのだろうか。
落ち込んでいる間にゴン君の閃きで壁を壊し、5人で短くて簡単な道に行くことが決まったらしくみんなが壁を壊すために斧を手にし始めた、名誉挽回させてもらおう。
任せてと言って壁の前に立つ、斧は持っていない。
この程度の壁であれば硬をすれば壊せるはず、確か厚さ3~40cmくらいだったはずだ。
練をして壁を壊そうと思ったところでここでゴン君に硬を見せていいのだろうかとふと思う。
彼は審査前に自力で硬に辿り着き、愛着ある必殺技として完成させた。
ここで私が事前に見せてしまったらそれを自力で編み出した技のように使えるだろうか。
もちろんオーラの見えないゴン君に現時点で技の詳細は分からないだろうが思いつけば気付くかもしれない。
人の技を奪うのは良くないと思い直し練ではなく発で壊すことに予定変更。
本来地面に設置する私の発「何時でも何処でも私に水を(instant exvavator)」を壁に向けて発動、オートだと水源を求めて地上を目指してしまうのでマニュアルで水平に掘らせて壁に穴を開ける、大きさが足りないので少しずらして二度、三度と発動すればようやく人が通れるほどの大きさになる。
これは先の戦いでも使った私の具現化系能力だ、あまり得意ではない系統だが直接戦闘に使うわけではないので問題はない。
地面を掘り進んで地下水脈を見つけてくれるだけの穴掘り機だが水を使う私にとっての生命線だ。
水は使い勝手がいいが大量になると持ち運びはしにくい、この能力を使えば時間はかかれどたいていの場所で水を手に入れられる、天空闘技場は無理だがあそこは事前に水を用意していけば良いかなと思っている。
キルア君が今の一体どうやったんだと詰め寄ってくる、さっき試験が終わるまで待っててくれるって言ったじゃないか。
しかし自分が同じことをやられて後で説明するから待て、といわれたらふざけるなと思うだろうなと想像してごめんなさいと謝っておく。
謝らなくて良いからタネを教えろと言われるけれども私はイルミに殺されたくないから言わない、というか言えない。










気を抜けば滑り落ちそうになる滑り台を慎重に下って扉を開ければ試験通過という放送。
回りを見渡せばポックルを除く全員がいる、もう何人か抜けるかと思ったがそんなことはなかったらしい。
これで四次試験が面倒になる可能性があがってしまった。原作では5人が引いたプレートの中にトンパとレオリオの2つが入っていた。
原作通りにプレートが引かれていけば今回も私とレオリオのプレートが残るわけで、何人か抜けば被らない可能性も高まっただろうがポックルしかぬけなかった現状ではゴン君のターゲットが私、といったような状況になりかねない。
とにかく部屋で考えていた通り、ハンゾーに正規のターゲットであるアモリのプレートを入手してもらってなるべく1点プレートを浪費しないようにしてもらうしかなさそうだ。
キルア君はウモリのプレートだけ奪って残りを投げ捨ててしまったがおそらくあの時点でアモリとウモリの二人はターゲットのプレートを既に奪った後だったはずだ。
キルア君のターゲットが誰に代わるかは分からないがイモリのターゲットがキルア君であることは変わらないだろうからハンゾーに渡す分を差し引いてもあの3人から4枚のプレートを奪えるだろう、私たちの中の誰かがウモリがターゲットならそれで二人分だ。
最悪なのは私たちの中で2人が仲間内でターゲットにされることだがそうなったらボドロさんもポックルも落として1点プレートをかき集めるしかない、面倒そうだ……










プレートを引き終わり船の上、私のターゲットはウモリになった、しかしゴン君たちのうち最低でも1人は仲間のプレートを引いてしまったはずだ。
とりあえず二人並んで話しているゴン君とキルア君を見つけて声をかけるとちょうどプレートの見せあいっこをしているところだった。

「あ、ユイ、この番号誰だかわかる?」

そういってキルア君が見せてくれたのは105番、原作ではポックルのターゲットだった番号だ。

「ちょっと大き目の刀持った鼻が赤い人、ほら、あそこに座ってる」

名前は……確かキュウだったかちょうど見える範囲にいたので指差して教えておく、これでキルア君は問題なく合格するだろう。

「マジ!?やりー、聞いてみるもんだな、サンキュ」

「後で頼みごとするかもしれないからお礼に聞いてくれるとうれしいかも」

恐らく序盤はキルア君と行動することになるはずだ、三兄弟のプレート根こそぎ欲しいし。

「ゴン君は……死なない程度に頑張って?」

「あはは……やっぱそう思う?」

ゴン君のターゲットは変わらずヒソカだ、何か運命的なものでもあるのだろうか。
しかしこちらも原作通り問題は……一応ないはずだ。
落ち込む結果になってしまうのだろうがヒソカからプレートを奪えるのは賞賛ものである、借りも天空闘技場できちんと返せるのだから余計な手出しはしないでおこう、ゴン君もやりがいがあるといった表情で頑張るといってくれた。
これでこの二人は問題ない、あとはレオリオとクラピカの二人だ、きっと一緒にいるだろうから探しに行こう。










「クラピカ、レオリオ」

やはり一緒にいた二人に声をかける、表情が硬いがまさかクラピカ→レオリオ→私という最悪の展開になってしまっているのだろうか?

「二人のターゲット、何番?」

しかし聞いてみないことには分からない、気まずかろうがそういうことなら逆に言ってもらって協力しなければ全員突破は難しいのだ。

「私は246番だ」

クラピカの言葉にほっとする、これで最悪の展開だけは免れた、全員での合格もほぼ問題はないだろう。

「誰だかわかってる?」

「あぁ、頭に丸い帽子を乗せていた女性だ、見た目から戦い方も想像がつく、油断する気はないが注意して臨めば大丈夫だろう」

さすがクラピカ、24人しかいない受験生の番号はしっかりと記憶しているらしい。
いや、クラピカのことだからプレートNoを引いた時点で次の試験内容を想像し番号を確認していたのかもしれない、試験官が説明するまではみんな普通にプレートつけたままだったから。
しかしクラピカのターゲットがポンズということはレオリオのターゲットが私だろう、でなければレオリオは自分がターゲットになってしまう。
自分のプレートとターゲットのプレートが被って6点分、なんて展開だったら楽にクリアになるのだがさすがにそんな展開はないだろう。

「レオリオのターゲットは……私?」

「な!?」

驚愕の表情、でも言い当ててしまわなければレオリオは自力で3人分のプレートを集めようとするだろう。
ポックルに狙われながら自分のプレートを守りつつ3人分のプレートを集める、出来るのかどうかわからないが厳しいことに変わりはない。
私が入ったせいでターゲットに変更が出てしまったのだ、出来ることなら協力したい。

「さっきプレート引くとき一度つかんだ紙を試験官にそれはダメだから引き直せって言われた。誰が何を引いたかは機械が記録してるって話だからきっと自分のプレートを引いたんだと思う。私の後に引いたのはクラピカとレオリオと弓の人だけだからもしかしたらレオリオが私の番号を引いたのかと思った」

嘘だがもっともらしい説明だ、クラピカもレオリオもうまく騙されてくれたらしい。

「まぁ……な、引いちまったよユイの番号をな」

あげないよ?とふざけて言えばとらねーよ!と返された、やはり3人分を集めるつもりらしい。
クラピカとレオリオは原作と違って最初から協力していくらしい、レオリオだけだと不安だがクラピカもいるならポックルはきちんと返り討ちにしてプレートを奪えるだろう。
そういうことなら私はやっぱりキルア君と行動して三兄弟の持っているプレートをかき集めてからレオリオにプレゼントに行こう、それで全員合格できるはずだ。
一番の不安要素だった四次試験が無事突破できる目処がついてほっとする、これでハンター試験はもう問題はないだろう。
キルア君の下へ戻って一緒に行動させて欲しいと頼んで了承をもらう、理由はサバイバル知識がないから一人だと不安ということにしておいた、事実だが。
プレートが集まったらレオリオにあげに行くといって別れればいいだろう、その後はクラピカとレオリオにくっついていればやはり問題はないだろうし。
1週間お風呂なしは……ちょっと辛いけど。










「23番スタート」

お姉さんの合図に従い船を下りる、待っていてくれたキルア君と合流してとりあえずはキュウを探しに行く。
イモリはもうついて来ていているのだろうが良く分からない、気配察知とか出来るようにならないとダメなんだろうな。
私は放出に近い操作系なんだからきっと練習すればある程度円が出来るようになるはずだが、しかし半径数mくらいでは結局意味がない。
練習しても無駄とは言わないが今ここで役立つことはないだろう。

「なぁ後ろついてきてる奴やっちゃう?うざいだろ?」

やっぱりついてきてるのか、しかしここで排除されてしまうのはちょっと困る、せっかく芋づる式にプレートが集まる元なのに。
しょうがない、ここは分かっている振りをしよう。

「あの人私のターゲットの兄弟なの。多分キルア君を狙ってるんだと思うけど泳がせておけばじきに私のターゲットも合流してくると思うから、それまで放っておいてもらってもいい?」

ごめんね、と頼めばそういうことなら放っておくかと納得してくれた様子。
あぁでも付いてこられてる間水浴びとかどうしよう?確か合流してくるのは3日目の昼間だったはず。
キルア君はどこにいるのかちゃんと分かっているっぽいし死角になるようにしてキルア君に見張っててもらえば大丈夫かな。










現在3日目の昼過ぎ、必死にクラピカとレオリオを探して駆け回っています。
あの後無事にキュウを発見してキルア君は6点分のプレートを確保、予定通り合流してきたアモリ三兄弟も無事倒して彼らのプレートと彼らが奪っていた362と89のプレートもゲットし、私も6点分のプレートを確保した。
後はこれをレオリオに渡せば大丈夫だと思ったところで問題に気付き、慌ててキルア君にクラピカたちを探してプレートを渡してくると断って別れて以来ずっと探しっぱなしです。
その問題はと言うとクラピカとレオリオは今夜ヒソカに遭遇する可能性が非常に高いということ。
もちろん原作と微妙に変わっている以上もしかしたら遭遇しないかもしれないが楽観視は出来ない。
なぜなら仮にポックルを撃退して1点分のプレートを持っていたとしても原作と違って2人にはそれをヒソカに渡す理由がない。
原作ではポンズからプレートを奪えばクラピカもレオリオも6点分集まるため余分に持っていた1点分のプレートなら渡してもさほど問題がなかったためヒソカに渡した。
でも今回はポンズのプレートを奪っても6点集まるのはクラピカだけでレオリオはさらに2枚集めないといけない状況だ。
ターゲットが私で一気に3点たまるプレートがない以上、1点分のプレートであってもヒソカに渡すわけにはいかない。
ヒソカにとって青い果実である2人がプレートを渡さないからといって殺されるのかどうかは分からないが、もしかしたら力ずくでプレートを奪われる可能性なら出てくる、そうなるとまずい。
それにあそこで残り1点になったヒソカは2人の行動によってあふれ出た殺気を抑えるために281番を強襲、それがゴン君がヒソカからプレートを奪えるチャンスになったのだ。
つまりゴン君たちが無事に合格するためにはクラピカたちがヒソカと遭遇する前に2人と合流し、3点分のプレートを渡して原作同様1点分のプレートが余っている状態にしておかないとまずいっぽいのだ。
しかし見つからない、この島は思ったよりも広いし私はキルア君みたいに他人の気配になんて気付けない。
時間は刻一刻と過ぎていって焦りも出てきた、こんなことならキルア君に頼んで2人を探してもらったほうが良かっただろうか?と思い始めたところで目の前に救いが現れた。

「ストップ、止まってくれ嬢ちゃん。嬢ちゃんが持っているプレートのうち1枚を譲ってもらいたい」

現れたのはハンゾー、そういえばすっかり忘れていた、余分に奪ったプレートのうち197番はハンゾーにあげる分だった。
元々はタダであげるつもりだったが状況が状況だ、施しを受けるより取引であるほうがハンゾーも納得するだろうし協力してもらおう。

「あげてもいいですのでクラピカとレオリオ、3次試験を私と一緒に突破した金髪と黒髪の2人組を探すのを手伝ってください!2人を見つけてくれたらプレートは差し上げますから!」

余りにも私が必死に頼むので若干面食らったようだがそういうことならと2人を探すのを手伝ってくれるらしい。
見つけたら私に知らせに来てくれるそうだ、なんでみんなこんな広い島でそんな簡単に誰かを見つけられるのだろうか?
その後も私も探し続けたが結局ハンゾーが先に2人を見つけてくれた。
プレートを渡してお礼を言えば礼を言う必要はない、嬢ちゃんも頑張れよと言って去っていった、なんか格好いい。

「クラピカ!レオリオ!」

やっと見つかった2人に声をかける、もう夕方だ本当に危なかった。
ハンゾーに渡した分を除いた198番、89番、362番をレオリオに見せて余分に手に入れたからあげるといえば喜ばれた。
別に私が自力で手に入れたわけじゃなくてキルア君にもらったものだから後でキルア君にお礼を言ってねといえばそれでも助かった、ユイもありがとうと再度お礼を言われた。
この後のヒソカ遭遇は私が居たほうがいいのだろうか?居ないほうがいいのだろうか?
ヒソカに会うのもポンズからプレートをゲットするのも既に私が居なくても大丈夫なはずだ。
ポンズのプレートを奪うのがレオリオではなくクラピカになっているが恐らく原作と大差ない手順を踏んで手に入れることになるだろう。
残り3日間を一人で過ごすのは心細い、しかしヒソカに会うのも出来れば遠慮したい。
理想はここで2人と別れてヒソカと会わずに残り3日間を別の誰かと過ごすことだがキルア君もハンゾーももう何処にいるのか分からない。
ハンゾーに傍で待っていてもらえばよかった、一緒にいてくれと言えばきっと居てくれただろうに、ジャポンの話とか聞いてみたかった。
すぐに探しに行けば見つかるだろうか?
でも見つからなかったらこの薄暗い島で一人寂しく過ごすのだと思うと尻込みしてしまう。
迷いどころだがやはりヒソカにはお会いしたくない、退散させてもらおう。
プレートを渡したらキルア君のところに戻る約束だと嘘をついて2人と別れる。
さて、夜までに誰かを見つけなければ薄暗い森の中一人で野宿だ、私にとっては大変な問題にさっきと変わらない必死さで人探しを再開する。










今私の視界の先には一人の人間、もうあたりは真っ暗だ、今から他の人を探している時間はない。
しかしよりにもよって、いやいいのか?子供には優しそうだし既にプレートも集めているだろうから戦闘にもならないだろう。
1人で野宿は遠慮したい、私は覚悟を決めて声を掛けた。

「あの……ご一緒してもよろしいでしょうか?」

結局残り3日間、ずっと一緒に居させてもらった、食事も用意してくれたし私と同じくらいの年の孫がいる話までしてもらい残りの時間を寂しく過ごすことはなかった、ありがとうございます、ボドロさん。













































6/4投稿

なんかナチュラルにポックルが落ちてる。
まぁ合格してもキメラアントに殺されるだけだし別に落ちてもいいと思う。
合格しなくてもNGLに行くのかもしれないけどそうなったらもう知らないです。
モブキャラのアモリ兄弟ですらあの広い島でお互いを簡単に見つけあう、一体どうなっているのだろうか。
今回ユイの能力が名前つきで登場、括弧内はアルファベットよりも片仮名で書くべき?
直訳すると大体簡易掘削機みたいな感じです。
次は最終試験、ハンター試験がようやく終わる。
ゾルディック家はほとんど変更ないだろうしすっ飛ばしていいはずだからもうすぐ天空闘技場。
しかしクラピカはともかくレオリオは能力が出ていない、勝手に作っていいのだろうか?



[19256] HUNTER×HUNTERをプレイしてみた(仮) 第七話
Name: ユイ◆d2ec74bc ID:1dab45ea
Date: 2010/06/05 21:48
最終試験のトーナメント表、私の居る位置は原作で言うポックルの居る位置だった。
確かに注目している相手にゴン君とキルア君、戦いたくない相手にヒソカを選んだからポックルとまぁ似ているところも……あるかな?
何にせよ宣言どおりヒソカと別ブロックにしてくれたのはただただ嬉しい、戦いたくない相手にゴン君たちも入れなくて良かった、そうするとドコに入れられるか分からないから。
先ほどゴン君とハンゾーの試合、そしてクラピカとヒソカの試合が原作通り終わってこれから私とハンゾーの試合だ。
ゴン君のスピードはボール遊びの時の感じだと念を使ってない状態で私とほぼ同じ、ハンゾーはもちろんそれより上。
ただ1次試験の様子等を見た感じではキルア君の方が若干上に思える。
さて、とりあえずは念なしでやってみよう。
今の自分がどれだけ動けるのか、ちゃんと身体を動かすのはこれで3回目、殺されることのないこの状況で格上のハンゾーとやれるのは訓練としては申し分ない。
向かい合って顔を見れば若干疲れた感じに見える。
先ほどまで面倒なゴン君の相手をして次がまた子供の私だ、ハンゾーでも若干のやりにくさは感じているだろう。
しかし、だからと言って手を抜いてくれることはない、相手が誰であろうと必要ならば非情になれる人だ。
限界まで思考速度を上げる、パワースピードともに適わない相手に唯一勝るとすれば思考速度とそれにより擬似的にあがる反応速度。
まずはこの武器だけを頼りにどこまでやれるか試してみる。
ゴン君のようにあれだけ嬲られながらも意地で負けを認めないなんてこと私には出来ない。
組み伏せられたら終わり、首筋や側頭部に食らっても終わり、攻撃は全て避けるか逸らすか防ぐか。
相手を格上と認めながらこの条件はかなり厳しいと自分でもおかしくなる、しかしこれぐらい出来なければこの先が不安だ。

「第三試合、ハンゾーVSユイ 始め!!」

試験官の合図と共に動き出すハンゾー、対してこちらはその場を動かず。
回り込もうとするハンゾーに合わせ、体の向きだけをずらしてハンゾーを正面に維持する、視界から外れてしまったら反応できない。
いくらハンゾーの方がスピードが上でも回り込もうとする相手と身体をずらすだけの私なら遅れはとらない。
半周ほど回ったところで正面から向かってくる、放たれる右を腕でガードしながら反撃しようと試みる。
しかし腕に当たった瞬間に後ろに弾き飛ばされる私の体、攻撃の衝撃を殺しきれず受けてカウンターは無理と判断。
続けて接近し尚も放たれるハンゾーの打撃を、今度は腕を側面にあて外に逸らすことで懐にもぐりこもうとする、狙うは腹部。
うまく潜り込めそうだった、が予定をキャンセルし後ろへ後退、眼前すれすれのところをハンゾーの手刀が通り抜ける。
私程度の打撃なら喰らっても問題ないと判断されたのか防御をせずに斜め後ろから首筋を打ち抜かれそうになった。
前進をキャンセルしての急激な後退でバランスが崩れる、放たれるハンゾーの次の打撃、大きく横に凪ぐ手刀をどうすれば避けられるかを加速した思考で考える。
後ろに下がっていたら間に合わない、しかし攻撃の方向的に左右も無理、周りにしてみれば一瞬の判断で足を前に蹴り上げ自分から後ろに転ぶように回避する。
両手を地面につき体を伸ばしながら右足を蹴り上げる、狙うは顎、しかし身体を引いて避けられる。
そのままバク転をして後退、顔を上げるとハンゾーがいない、見失った。
視線を外す今の動きは失敗だったと自分を叱責、左右どちらに行ったかが判断できない、が後ろに回ろうとしていると予想をつけ、確実に居ないことが分かっている前方に全力で駆ける。
振り返りたいが左右を外すと背中をさらす、そのまま突き進み壁を駆け上がりつつ反転、視界におさめたハンゾー目指して天井を蹴りつけ突撃する。
体重を乗せた一撃、しかし難なく受け止められる、ガードを超えてダメージを与えるには力が足りていない。
振り払う動作に身を任せ一度距離をとる、ここまでで分かったことは反応は何とか出来る、しかし受けきれずこちらの攻撃が通じない。
釣竿を使わなかったゴン君に対し、相手を嘗める行為だと叱責していた姿を思い出す。
ゴン君同様私にとってもはるかに上の相手、念なしではやはり厳しいと判断しオーラを纏う。
練はしない、非念能力者に過剰にオーラを乗せた攻撃は命の危険を与える、殺したら失格のルール、纏の状態を維持する。
今度はこちらから向かい、放たれる打撃を外へと逸らしまた内部に潜り込む。
先ほど同様腹部への一撃を代償に首筋を狙うハンゾーに今度はオーラを乗せて威力の上がった拳を叩き込む。
吹き飛ばされるハンゾーの体、足が崩れ届かぬ位置にある顎が下がってくる。
追撃をしようと近づいた私に体勢を立て直したハンゾーから放たれる足による一撃、両腕でガードするが受けきれずに弾き飛ばされる。
蹴りは拳の数倍の威力があると言うが纏をしているおかげでガードは出来る様、しかし踏ん張りはきかない。
小さい身体はどうしても軽い、しかし小回りは利くので一長一短。
とにかく纏の状態ならば勝負にはなる、試合はまだ始まったばかり、次の一手を考えながら立ち向かう。










青い果実を探しに来て想像以上の豊作だった今年のハンター試験♦
その中でも彼女は異質でとても目に付く♥念が使えるというのに見たところ戦闘経験は皆無、とても美味しそうだというのにまるで実がついてすぐのようだ♣
彼との試合もまるで自分でも分からない自分の力を試しているよう♣
最初は念を纏わず、それでは適わないと理解してからは纏をしだした♦しかし僕の見たところ纏をしたとしても彼の方がやや優勢♣
だけど今僕の目の前で彼女は徐々に彼に追いついてきている♥一度交差し離れるたびに動きの無駄が減っていく、この短期間でスポンジが水を吸い込むように成長している♥
あぁぁぁぁ♥良い、すごく良いよ、さっきのゴンの試合も良かったけど君の試合も見ていて飽きないよ♥
一体どこまで美味しくなるんだろう♥今すぐ食べてしまいたいけどダメダメ、まだまだ熟してからじゃないと♥










何度目か分からない打ち合いからまた距離をとる、加速しっぱなしの思考にそろそろ脳が熱を持ってきた感じがする。
しかし動きについていけるようになってきた、まだやれるもう少しと思う反面脳と身体は休息を求めている。
判断をミスり一撃を喰らえばもうそれだけで私は戦えなくなる、そろそろ限界だろうかと考えている中ハンゾーが身体を起こし腕から刀を取り出した。

「なるべく後に残るような怪我はさせないように終わらせようと思ったが、認めよう、お前は強い。本気で行く、まいったというなら今のうちだ」

ちょっと待て、刃物はずるい、纏による防御力は一体どのくらいなのだろうか?
ズシは纏の状態でキルアのほぼ手加減なしの一撃を受け無傷だった、相当な防御力なのだろうが刃物を受けられるほどだろうか?
いや、練の状態ならともかく纏ではさすがに無理だろう、しかし私は刃物どころか武器になりそうなものを何も持っていない、水はあるが非念能力者に発による攻撃など出来る訳がない。

「ずるい!私は武器使ってないのにハンゾーだけ!」

刃物を見て混乱した頭が馬鹿な台詞を吐き出させるが殺す以外何でもありのルールだ、武器の使用は当たり前だろうと返され再度降参を促される。

「クラピカ!双剣貸して!」

それならば自分も武器を持てば大丈夫だろうと安易な思考がクラピカの持っていた双剣を求めるが試験官に試合開始後の武器の貸し出しは手助けにあたり失格になると注意を受けた、それはそうか。

「刃物ちらつかせて女の子を脅すなんて!鬼!!悪魔!!」

やはり長時間の思考の加速で脳がオーバーヒート気味になっているらしい、自分でも何を言っているのか分からなくなってきた。
武器は借りられない、生身では戦えない、これはもう無理ではないだろうか。
眼前に突きつけられる刃物、その眼は脅しでなく降参しないのなら斬りつけると言っている様だ。
さすがにいきなり足や腕を斬り飛ばされることはないのかもしれないが斬られるだけで十分嫌である。
練をしようか、いやまて死んだらどうするんだ、生身の相手にそんなことをしたらどうなるかは天空闘技場の3バカが十分に示してくれている。
ハンゾーも刃物ちらつかせて腕や足を斬り飛ばそうとしてるんだこちらもそれくらい、と黒い思考が流れそうになるのを慌てて止める、その考えはさすがによろしくない。

「う~……、参りました……」

負け上がりだと次はキルア君だ、もし次も私が負けてキルア君が合格したらイルミに殺されるんじゃないだろうか?
しかしそれはかもの話で今目の前に突きつけられてる刃物は降参しなければ私に降りかかるのは確定事項である。
とりあえず眼前の恐怖から逃れることを優先しよう、キルア君との試合は……また後で考えよう。

































6/5投稿

本当は最終試験は全部一度に書くつもりだったが夜勤に行かないといけない時間になってしまったのでここであげる。
最初はユイを勝たせるつもりで書き始めたのに書き終わったら負けていた、さすがハンゾー。
ハンゾーが負けるところがイメージできない、纏をしたズシは念を知らないキルアに負けた、そのせいでハンゾーがユイに勝つイメージしかわいてこない。
なんか1話書くごとにユイが弱くなっていく、ヨークシンとか大丈夫だろうか?
天空闘技場をかなり必死に書いてユイを強くしないと足を引っ張る気さえしてきた、頑張れユイ、というか頑張れ自分。


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