2010年4月12日 22時7分 更新:4月12日 23時39分
自治体職員採用試験で全国で初めて、04年度に学歴・年齢不問とした千葉県市川市が来春採用分から、大学新卒世代枠を復活させると12日発表した。定年直前の59歳まで受験可能としたところ若者がほとんど入らず、年齢構成のバランスが悪くなったためだという。
市によると、制限を撤廃した04~10年度の7年間に採用した297人のうち、30代以上(採用時)が約28%を占め「即戦力」を確保できた一方、年代別で50代が最多に。高校3年生の受験者もいたが、30~40代の「経験値」にはかなわず10代の入庁者は途絶えていた。職員の平均年齢が上がり、逆三角形のいびつな年齢構成になった。
このため市は、今年6月に実施する来春入庁者の採用試験では、制限撤廃枠を14人程度に半減させ、22~26歳の学生ら新卒枠を15人程度とする。これらとは別枠で、高卒・短大卒対象の「初級職」採用試験も今年9月には復活する予定。
04年度は競争率が前年の約40倍から105倍に跳ね上がり話題を集めた。市の担当者は「今後は、二つの採用枠の良いところを生かせるよう併用したい」と話している。【山縣章子】