本日も心身共に余裕がないのでごく短く、参考になるかもしれないことを記しておきます。明日の民主党参院選には、菅副総理の対抗馬としてどうも樽床伸二衆院環境委員長も出るようなので、単行本「民主党解剖」(産経新聞出版)の19ページから、関連部分を抜き出しておきます(※昨年のエピソードです)。
《小沢氏が民主党常任幹事会で西松建設の違法献金事件の説明を行い、改めて潔白を主張するとともに、当面は代表にとどまる意向を明らかにしたのは今年三月十日のことだ。鳩山氏はその夜、都内でホテルで開かれた樽床伸二元同党衆院議員の政治資金パーティーに出席し、こうあいさつした。
「民主党と小沢氏が一緒になれたのは樽床氏の手腕だ」
樽床氏は、鳩山氏の若手側近ながら、平成十七年の郵政選挙で落選している。平成十四年九月の代表選で再選された鳩山氏は、幹事長人事で党内の反発を招き、苦境にあえいでいたとき、樽床氏から自由党との合併を持ちかけられ、民由合併実現に動き出した経緯がある。
平成十五年七月、民由合併は鳩山氏の後継代表となった菅氏が引き継ぎ結実する。》
幹事長職を辞任することになった小沢氏の当面の目標は、いかにして自分の意に沿う後継首相を、国民にも党内の非小沢系議員にもそれと分かりにくい形で就けるかでしょうね。万人に最初から「小沢傀儡」と見え見えになってしまうと、鳩山氏を辞めさせた効果が台無しになってしまいますから。
そのため、小沢氏は本命の候補にも簡単には「支持」を表明しないでしょうし、自分はそうじゃないというポーズを示すために、わざと他の候補に自派「一新会」の票を流すこともするでしょう。「一新会」は、親分の言うことなら、黒いカラスも白くなる集団ですから、そこはうまくやるのでしょう。
まあ、鳩山首相の辞任表明から二日後の代表選なんて、ある意味では「出来レース」に決まっているわけですが、その中でも政治家同士は、少しでも有利なポジションを占めようとさまざまな駆け引き、売り込みを続けていると。人間の集団のやることなんて古今東西変わらないものでしょうし、政治は割とそれが典型的にわかりやすく表れるものだろうと思います。
by fa-eng
参院選で民主党がどこまで勝つ…