ギリシャ支援:ユーロ圏16カ国 3.8兆円融資枠で合意

2010年4月12日 10時47分 更新:4月12日 11時46分

 【ロンドン会川晴之】欧州共通通貨ユーロを採用しているユーロ圏諸国(16カ国)は11日、深刻な財政赤字に陥っているギリシャ支援策が決まったと発表した。現在のギリシャの調達金利よりも2%以上低い約5%の金利で、初年度は最大300億ユーロ(約3兆8000億円)を融資する。国際通貨基金(IMF)も協調融資するため、総額は400億ユーロを超える可能性がある。融資期間は3年間で、ギリシャから要請があった場合に実施する。

 英米格付け会社フィッチが9日夕、ギリシャの格付けを2段階引き下げたことを受け、週明けの市場が開く前に各国の財務相が緊急に電話協議して合意した。16日にマドリードで開く欧州連合(EU)の財務相理事会で正式に決定する。融資はユーロ圏諸国が3分の2、残りをIMFが負担する。

 EUは3月末、ユーロ圏諸国とIMFがギリシャを支援する枠組みを決めた。しかし、安易な支援実施はモラルハザードを招くと、ドイツなどが市場金利に近い水準での融資を求めたため、融資総額や金利、融資期間など諸条件は決まっていなかった。

 このため信用不安は収まらず、ギリシャ国債は先週、市場で急落(利回りは上昇)した。10年物国債の利回りは一時、7.5%以上まで上昇、欧州の指標となるドイツ10年物国債との利回り差は、4.5%以上にも拡大した。ユーロ圏諸国は条件面での詰めの協議を急ぎ、市場の懸念を解消する必要に迫られていた。

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