和歌山県太地町のイルカ漁を扱ったアカデミー賞受賞映画「ザ・コーヴ」の上映中止が抗議活動によって相次いでいます。その撮影方法が物議を醸し出しましたが、表現の自由との兼ね合いで議論を呼んでいます。

 和歌山県で行われているイルカ漁を題材にアカデミー賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」。日本では26日から全国の映画館で順次、上映される予定でした。しかし、上映直前になって中止が相次いでいます。現段階で中止を決めたのは、東京と大阪の3つの映画館です。ほかの映画館でも上映について協議中です。中止を決めた映画館などによると、上映に反対する団体から抗議の電話などがあったため、観客や近隣への迷惑がかかる可能性があり、警察と協議のうえ、中止したということです。
 映画を配給するアンプラグド・加藤武史代表:「反日的だとか、人種差別をしているなど、まだ見てもいない情報で勝手に決めつけて映画館に中止を迫る。表現の自由を完全に侵している」
 一方、抗議を行った市民団体は次のように話しています。
 主権回復を目指す会・西村修平代表:「日本人を完全に侮蔑(ぶべつ)して、日本人を猟奇的な民族として、このように描くこと自体が毒物。上映自体に反対しないといけない」
 また、西村代表は、上映中止を求める街宣活動も憲法で保障された言論の自由に値するとしています。
 映画ファン:「見たいなと思っていたので残念。見てみて判断するべきかなと思う」

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