70年前に紛失の財布　亡き妻の写真とともに持ち主のもとへ

（CNN）　果報はたとえ70年でも寝て待ってみるものだ。

第二次世界大戦の米海軍退役軍人ロバート・ジャドソン・ベルさん（88）は今週、1941年にシカゴで海軍の訓練中に失くした財布と約70年ぶりに再会を果たした。中にお金は入っていなくても、その財布はベルさんとその家族にとって非常に大切な品だ。財布の中には、1948年に交通事故で亡くなったベルさんの最初の妻ドロシーさんの写真2枚が入っていた。

財布がベルさんの元に戻るまでには紆余曲折があった。ベルさんは、シカゴの職業訓練学校で訓練中に財布を紛失。それから約45年後の1985年に電気技師のボブ・ジョーダン氏が学校の地下室で作業中にその財布を発見した。

ジョーダン氏は財布を持ち主に返そうとしたものの、持ち主探しは難航を極めた。そのため、財布は長い間ジョーダン氏の家の引き出しの中で眠っていた。しかし最近、ジョーダン氏は持ち主探しの再開を決意した。

ジョーダン氏は友人に連絡を取り、その友人がイリノイ州ヒンズデールの米国在郷軍人会の代表を務めるジョー・クレイグ氏に連絡した。クレイグ氏はピーター・ロスカム下院議員の補佐官の協力を得て、社会保障庁（SSA）にベルさんの捜索を依頼したという。社会保険庁は見事ベルさんを探し出し、ベルさんは今週、現在暮らすユタ州の介護付きコミュニティで行われたセレモニーで財布を受け取った。

ベルさんは財布が戻って以来、ドロシーさんの写真を何度も見返し、懐かしい思い出に浸ったという。

「彼女は美しい女性だった。ただ美人なだけでなく、気さくで快活で、素晴らしい人だった」（ベルさん）


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