タンクローリー乗り付け、燃料３万リットル盗む

　愛知県の知多、三河地方で今年１月から３月にかけて、ガソリンスタンドや駐車中の大型車両から軽油や灯油を抜き取る窃盗行為を繰り返していたとして、愛知県警が同県内の男２人（別の窃盗罪で公判中）を１５件の窃盗容疑などで名古屋地検半田支部に追送検していたことが３日、分かった。県警捜査幹部が明らかにした。
　２人はタンクローリーを使って抜き取りを繰り返しており、被害は軽油、灯油計約３万６０００リットル、総額約３３０万円に及ぶという。
　追送検されたのは、同県武豊町、建設業上田晃一（５１）、韓国籍で半田市乙川新町、自営業朴龍鳳（５３）両被告。両被告とも容疑を認めているという。
　捜査関係者や起訴状などによると、２人は、３月８日午前１時半頃、武豊町の港運会社駐車場で、停車していた大型トラックなど３台から軽油計７９０リットル（約８万円相当）を抜き取ったとして、窃盗容疑で逮捕、起訴された。
　その後の捜査で、２人は、２月９日に碧南市築山町の大浜漁業組合内のガソリンスタンドで軽油４１００リットル（約４１万円相当）が盗まれた事件など、今年１月以降、豊川市、蒲郡市、美浜町、南知多町などのガソリンスタンドや駐車中の大型車両から軽油や灯油が抜き取られた事件への関与を認めたという。県警は、裏付けがとれた１５件について追送検した。
　２人は、深夜から未明にかけてタンクローリーで乗り付け、ポンプで軽油や灯油をタンクに移し替えていた。盗んだ燃料は、大阪府や静岡県の卸売業者などに売却していた。タンクローリーは、別の車のナンバープレートをつけていた。
　調べに対し、２人は「借金返済のためにやった。タンクローリーは外国人から買った」などと供述しているという。