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【国際】

ガザ支援船また拿捕 平和賞受賞者も乗船

2010年6月6日 朝刊

 【カイロ=内田康】イスラエル軍は五日、アイルランドからパレスチナ自治区ガザに向け航行していた新たな支援船「レイチェル・コリー号」を、ガザ沖の地中海で拿捕(だほ)した。AFP通信によると、十五人の乗船者は船に乗り込んできたイスラエル兵に抵抗せず、負傷者はいなかった。コリー号は軍の監視下で、イスラエル南部アシュドッド港に到着した。

 五月末に起きた国際支援船団拿捕事件で乗船者九人が死亡したことから、アイルランド政府はイスラエルに対し、安全にガザに入港させるよう要請していた。ガザの経済封鎖を続け、自由な航行を認めないイスラエルの方針に、再び批判の声が高まるとみられる。

 イスラエル軍の艦船は五日朝にコリー号に接近し、アシュドッドに入港するよう要請。支援物資はイスラエル政府が検査した上でガザに運ぶと提案したが、コリー号側が拒否したため、拿捕に踏み切った。AP通信によると、現場は公海上だった。

 コリー号は国際支援団体「自由ガザ運動」が運航。アイルランドから車いすや薬品などを運ぶ途中だった。一九七六年にノーベル平和賞を受賞した英国・北アイルランドの活動家マイレッド・マグワイア氏や、アイルランドやマレーシアなどの活動家が乗船。五月末に拿捕された船団に加わる予定だったが航海が遅れ、単独でガザを目指していた。

 「レイチェル・コリー」は二〇〇三年にガザで、イスラエル軍のブルドーザーにひかれて死亡した米国人活動家の名前。

 

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