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<大相撲>夏場所でも組長観戦 維持員席、1月に続き

6月6日2時33分配信 毎日新聞

 両国国技館(東京都墨田区)で開催された大相撲夏場所(5月9〜23日)で、指定暴力団住吉会系組長が「維持員席」と呼ばれる特別席で観戦していたことが分かった。暴力団員の観戦を巡っては、09年7月の名古屋場所と、国技館で開かれた10年1月の初場所でも発覚。日本相撲協会は昨秋から対策に乗り出し、名古屋場所での観戦について木瀬親方(40)=元前頭・肥後ノ海=を5月、2階級降格処分としたが、警視庁は、対策実施以降も観戦が続いた点を問題視し、組長が入場券を入手した経緯を調べている。【酒井祥宏、川崎桂吾】

 同庁組織犯罪対策3課によると、夏場所14日目の5月22日、向こう正面の前列から2列目の維持員席に、スーツ姿の住吉会系組長が座っていた。現場で警戒中の捜査員が見つけ、協会を通じ、組長に維持員資格がないことを確認。協会職員が声をかけると姿を消したという。

 一方、初場所9日目の1月18日に向こう正面花道脇の維持員席で別の住吉会系組長が観戦していた問題について、相撲案内所(相撲茶屋)20店を管理する「国技館サービス」が調査したところ、ある維持員が案内所に託した入場券が、複数の関係者を通じて組長に渡っていたことが判明した。国技館サービスは、問題の入場券を扱った案内所の番頭格の従業員を平社員に降格させる処分を下したという。

 国技館の場合、原則として一括で390万円以上を協会に寄付した法人や個人、後援団体などを維持員として承認し、土俵に近い300席を6年間無料で割り当てている。席の利用は原則として維持員に限られており、一般販売されていない。

 しかし相撲関係者によると「観戦しない日の入場券はそちらで使ってほしい」「親の代から維持員になっているが、自分は相撲に興味がないので利用してほしい」として入場券を案内所に託したり、販売する維持員もいる。案内所はこうして入手した入場券を常連客などに再販売するケースも多いという。

 国技館サービスは取材に「再販売した入場券がどのように流通するのか把握することは困難だが、暴力団関係者に転売されないような対策を検討している」と話している。

 ◇ことば 相撲案内所

 江戸時代からの歴史がある相撲茶屋が起源。相撲部屋関係者が部屋の運営費を稼ぐために始めたものが多いとされ、日本相撲協会が発行するチケットを代行販売したり、食事や土産物を座席まで届けるサービスをしている。1957年に国会で「前近代的な切符の販売方法」として問題化し、東京では株式会社「相撲サービス」(現・国技館サービス)が設立され、相撲案内所20店を管理するようになった。国技館サービスは東京場所のチケットの約半数を扱っている。

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最終更新:6月6日2時33分

毎日新聞

 

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