国連人権理 調査団派遣を決議
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国連人権理 調査団派遣を決議

6月3日 6時57分

パレスチナのガザ地区の沖合で、市民団体の船がイスラエル軍にだ捕され死者が出た問題で、国連人権理事会は、イスラエルを厳しく非難するとともに、現地に独立した調査団を派遣するとした決議を賛成多数で採択しました。

パレスチナのガザ地区の沖合で先月31日、トルコなどの市民団体が派遣した人道支援物資を積んだ船がイスラエル軍にだ捕され、活動家9人が死亡した問題について、ジュネーブの国連人権理事会は、2日間にわたって対応を協議してきました。この中で、イスラム諸国などが、「イスラエル軍の行動は国際法を無視した暴挙で、関係者は厳しく裁かれるべきだ」と非難したのに対し、イスラエルは「兵士たちは鉄パイプなどで襲われたためにやむなく発砲したもので、正当防衛にあたる」などと反論しました。理事会では、2日になって、「イスラエルの国際法違反を最大限非難し、真相を究明するため現地に独立した調査団を派遣する」とした決議案をイスラム諸国が提出し、採決の結果、賛成多数で採択されました。しかし、採決では、アメリカなどが「事実関係が明らかでなく、決議は一方的で、調査団の派遣も時期尚早だ」として反対に回り、日本やイギリス、フランスなども棄権しました。人権理事会では、これまでもパレスチナ問題をめぐってイスラエルを非難する決議がイスラム諸国などの賛成多数で採択されてきましたが、欧米諸国は慎重な姿勢を見せるなど、対応は分かれています。