こうした中、生活保護が今、違った意味でクローズアップされているのです。深夜の大阪市浪速区。路上生活者たちが、夜を越す為に集まります。しばらくすると…。 【社団法人関係者】「はい、1列に並んでよ〜」「おにぎりやからな」「食べてや」「みんな弁当貰ったかなあ?」 社団法人を名乗る彼らは、毎週こうしておにぎりを配っています。そして、時には、生活保護を受ける権利を強調するこのビラを、併せて配ります。 一方、日雇い労働者や路上生活者が集まる西成区。この場に似つかわしくない身なりの男性が、周囲を物色するように見回し、労働者に声をかけています。記者は、彼らに接触してみました。 【不動産関係者と記者のやりとり】「明日からでもすぐマンション入れるわ。 住むところあったらエエんやろ?(金が無いが?)金なんか要らん。金なんか一切要らん。 全部市から出るけん。区役所行って登録したら、国から12万3610円という金が出る。 (なんですか、それ?)生活保護のお金。(やり方分からないが?)こっちがするけん。 こっちの言葉だけ。役所でバンと言ったらうまいこと通る。大丈夫、大丈夫。ええようにしてあげるよ。悪いようには絶対せえへん」「困っとる人を助けるのがワシらの仕事やもん。 困っとるやろ?」 生活保護の誘いは人助けの為だと、話していましたが、次第に本当の目的が・・・。 【不動産関係者と記者のやりとり音活かし】「(不動産屋さんのセールスマン?)そうそうそうそうそう。もとは不動産屋さん。親方が。そこからワシらが委託されて、紹介して、行くんや。そんだけの仕事、ワシらは。(いつも生活保護受けさせてやるって言って誘ってるんですか?)誘ってる」 契約の空きを埋めたい不動産業者が、生活保護の受給代行をエサに、野宿者を誘う構図です。今、生活保護を巡って、慈善事業なのか、ビジネスなのか、判別しにくい勧誘行為が横行しているのです。