2009年の日本の工作機械生産額は、前年比56.5%減の58億8890万ドル(約5300億円)と大幅に落ち込み、1982年以来続いていた生産額世界一から3位に転落した。首位は成長が著しい中国、ドイツは2位を維持した。
米調査会社ガードナーの調べをもとに日本工作機械工業会がまとめた。
中国は、主要国の生産額が世界同時不況で落ち込むなか、同8.9%増の109億5千万ドルで、前年の3位から一気に首位になった。ドイツは同35.2%減の78億2160万ドルだった。日本は82年に米国を抜いて首位となり、世界のものづくりを支えてきた。
工作機械は、金属部品などを削って加工する機械で、その生産状況は設備投資の先行指標とも言える。中国は政府の景気対策効果も後押しし、不況からいち早く立ち直った。一方の日本は内需の回復が遅れ、円高で輸出も厳しいままだ。最近は生産が回復しているが、「中国の需要など輸出主導の回復で、国内の需要はまだまだ少ない」(日本工作機械工業会)という。