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[19188] 【一発ネタ】明るいエヴァンゲリオン(キャラ魔改造)
Name: はなび◆21c520f7 ID:fce82a21
Date: 2010/05/30 14:53
碇家は特撮マニアである。


大黒柱の碇ゲンドウ、実は婿養子。彼が好きなのは昭和仮面ライダー。特に仮面ライダーと仮面ライダーBLACKがお気に入りである。

対してその妻、碇ユイはウルトラマンシリーズがお気に入りだった。帰ってきたウルトラマンとウルトラマンレオの動画を、パソコンに保存するくらいである。彼女にウルトラマンを語らせたら、朝まで付き合わせられるとは惣流博士の弁。

そして、その息子碇シンジは両親の嗜好を受け継いだのか平成仮面ライダーと平成ウルトラマンシリーズがお気に入り。勿論、戦隊シリーズも含んで。


そんな仲良し家族の彼らでも、仮面ライダーとウルトラマンを愛するが故に喧嘩する。


即ち、仮面ライダーとウルトラマンはどちらが強いか。比べる迄もなく、サイズが違うが最近のウルトラマンは人型サイズにもなれる。ユイに言わせれば邪道らしい。最も、仮面ライダーも地球の力とカードの力を使って巨大化する。

ゲンドウは特に何も言わない、「これも時代の流れか…」と受け入れている。そう、『時代が望む時、仮面ライダーは必ず蘇る』のだから。


だがゲンドウも当初、龍騎を受け入れなかった。クウガ・アギトはまだ良かったが、龍騎はいきなり十三人のライダーが登場。実態はバトルロワイヤル、戸惑った。


ラスト、主人公の生きざまに涙。本郷猛・南光太郎、ゲンドウが尊敬する偉人に城戸真司が加わった瞬間である。

それを見ていたユイとシンジも感動、シンジは自分の名前に誇りを持った。




そして彼らに試練が訪れる、碇ユイによる人類初のエヴァンゲリオン起動実験。その場にシンジもいた、結果は失敗。周囲は動揺したが、ゲンドウとシンジは慌てなかった。彼らの交わした会話がそれを証明している。


「シンジ、お前も見ていたな。母さんはウルトラマンになったのだ」


と宣う、母のウルトラマン愛を知っているシンジはそれを受け入れる。

ここに赤木ナオコ博士がいたら、全力で否定するだろう。その場にいないのが悔やまれた。


だが、エヴァンゲリオンをウルトラマンと言う彼ら。あながち間違ってはいない、人造人間だけに。供給されるケーブルを抜いたら、三分間じゃなく五分間弱しか動けなくなるところとか。具体的には、ダイナとネクサスに登場した者が近い。ゲンドウは更に衝撃の真実を告げる。


「シンジ、今から九年後に来る使徒に迎撃する為、お前もウルトラマンになれるのだ。それまで体も心も鍛えておいてほしい」


「任せてよ、父さん!」


笑顔でサムズアップをする二人、脳裏に「鍛えてます」と言う仮面ライダーが浮かぶ。


その後、シンジは体と心を鍛えるため山籠り。それを見ていたシンジの幼なじみ綾波レイは、こう呟いた。


「バカばっか」


彼女はアニメ好きである。



息子が頑張る中、ゲンドウも頑張っていた。人類補完計画と称し暗躍するゼーレとの戦い。表向きは彼らに従うフリをしているが反逆する気満々のゲンドウ。その補佐をしていた冬月コウゾウは、こう証言。


『彼らの会談の後、必ず碇は憤る。「おのれ、ゼーレめ!」と』


元ネタを知らない老人、それを聞いたシンジ。


(きっと、怪人を送り出してくるんだ!それに立ち向かう父さん、変身するのかな?)



太陽を背に、変身ポーズをとるゲンドウが思い浮かんだ。



そしてゼーレは完全に秘密結社扱い。これもまた間違ってはいない、シンジが想像した怪人。それに近いものを終盤に出してくる。
ネルフも秘密結社に近いのだが、ゲヒルン時代から、ユイとゲンドウが頑張って人類からは地球防衛軍扱いである。使徒の存在も公表、それを迎え撃つ兵器エヴァンゲリオンはヒーロー扱い。これはユイが熱心に出張した。

周囲は頭を抱えていたが、利点もある。戦略自衛隊との協力関係。これで、来る使徒の襲来に万全に立ち向かえるだろう。


ちなみに、ユイがいなくなった後の赤木博士、惣流博士はどうなったのかというと…


赤木博士は娘と共にネルフに残り、マッドな研究を続けているため問題ない。


問題は惣流博士である、ネルフドイツ支部で、親友のユイの実験失敗を聞き不謹慎ながら、これで特撮話から解放されると喜んだが……今度は娘に悩まされた。

これには実験ばかりで娘を見なかった自分に非はある、あるのだが…


娘の惣流・アスカ・ラングレー、彼女も特撮マニアに染まった。


海外で放送されるパワーレンジャーシリーズに。


自分が、エヴァンゲリオンの選ばれたパイロットで真っ赤な搭乗機を見た瞬間、


歓声をあげた。


これは、自分がリーダーなんだ!と実感。まだ見ぬ仲間を想い訓練に励む。


彼女の努力は報われるだろう、何せ日本には同志がいるのだから。


報われないのは、惣流博士ことキョウコ・ツェッペリン。娘にも親友にも恵まれなかった。




こうして、それぞれの思惑を絡み時は西暦2015年。


使徒、襲来。


シンジとゲンドウ、そしてユイの戦いが始まる。




おまけ



第三使徒戦、呼び出されたシンジ。父の要請を受けエヴァンゲリオンに搭乗。その際、


「エヴァーーっ」と叫んだ。


それを知ったユイは喜び驚異のシンクロ率を記録。
止めは、アンビリカルケージをパージして五分間弱のピンチを作り出し上空にジャンプ、回転しながらキックを使徒に繰り出した。


第五使徒戦、荷粒子砲を放つ敵にネルフ・戦自敗退。だが碇親子は必勝の策があると自信満々。何故と問い掛けたレイに、シンジはこう返した。


「綾波、光は絆なんだ」


首を傾げるレイ。数秒考えて無表情になり得意の台詞を言った。


月を背に始まる迎撃戦。見守る周囲、初号機の全身がA.T.フィールドを利用して光り輝く。その現象に赤木親子はパニック。
初号機、両腕を十字に組んでA.T.フィールドを放った。ぶつかり合う光、競り勝ったのはエヴァ。


第七使徒戦、初めて三機揃ったエヴァにアスカとシンジはテンション高く名乗りを戦隊風にあげる。嫌々ながらレイも名乗った。


「……静かなる蒼、エヴァ零号機」


「穏やかなる紫、エヴァ初号機!」


「燃えあがる紅、エヴァ弐号機!!」


「「「三機揃って……新世紀戦隊エヴァレンジャー!!」」」


何故か、エヴァ三機の背後で爆発。律儀に使徒は、それを見る。名乗りの邪魔をしない戦隊のお約束を本能的に悟っていたのかもしれない。


その後、初号機と零号機の援護を受け弐号機が止め。だが、アスカは慢心せず注意深く観察。巨大化すると警戒、実際には分離。それでも、テンションの高い二機の敵ではなかった。即席で作った合体技に、使徒撃破。夕日を背に佇むエヴァ三機。



その後も、彼らの快進撃は続いたと言う。





[19188] 燃えるエヴァンゲリオン【前編】(キャラ魔改造)
Name: はなび◆21c520f7 ID:431de52f
Date: 2010/06/04 23:09
第三新東京市の犯罪検挙率は100%である。


優秀な警察がいるから?

違う。

優秀な探偵がいるから?

違う。


答えは…仮面ライダーがいるからである。


事件が起こり、被害者の悲鳴が響く時。

どこからともなくバイクの排気音が聞こえてくる。


周囲が、その方向に目を向けると、そこには銀の仮面、真っ赤な瞳。メカチックなボディ、真っ赤なマフラーの戦士の姿が!


「あなたは、仮面ライダーG3!!」


被害者からは歓喜の声、犯人からは悲鳴の声。それでも、武器(拳銃、スタンガン、真剣)を手に犯人が立ち向かうも、G3は直ぐに鎮圧。容赦なくマシンガンが火を噴いた。勿論、弾は麻酔弾。警察からは「いつもご苦労さまです」と感謝され、被害者からは「ありがとうございます!」と頭を下げられる。


それにG3は頷き、バイクに乗って立ち去る。


正体不明な正義の味方、彼がいる限り第三新東京市は使徒が来るまで平和であった。


使徒が来るようになっても彼は現われている、故に第三新東京市は治安が良い。


後日、犯罪者の方々はトラウマになり夜な夜な、


「仮面ライダーがっ…仮面ライダーが来るッ!」


「うわあああああっっ!」


「やめろー、ショッカー!俺に近づくなっ!!」


うなされていると言う。



ちなみに正体は、マッド親子による研究の成果で、変身した碇ゲンドウである。


実験台に大の字で、身体を拘束され改造人間になった………わけではない。


彼女達が開発した強化装甲服、それを装着している。


モデルは仮面ライダーアギトに出てくる彼である。


名前は同じでも由来が違う。


G3とは、ゲンドウのイニシャルGから、3は改良の数。


G1は動きがぎこちなく、歩くのがやっと。


G2は改良されたが、今度は動作の遅れが出た。


G3で一応の完成を見たが、まだまだ改良の余地はある。


噂ではG4が開発されているとあるが真相は定かではない。


誰でも装着できるわけでもなく、世界でただ一つゲンドウ専用の変身ツール。



ネルフ本部に配属され、それを知ったアスカが羨ましがり赤木親子にプラグスーツ改造を申し出たのは別の話。





鈴原トウジは、悩んでいた。


父と祖父はネルフに勤め人類の役に立っている仕事を誇り、妹の鈴原ミサキは最近流行の「機動天使エンジェリックレイヤー」の優勝候補のプレイヤーとして活躍している。これを知ったレイとアスカも参加。


家族の中で自分だけが、何の取り柄もないと悩んでいた。


同級生が、ヒーローのエヴァンゲリオンだと知った時は嫉妬した。テレビでいつも見る使徒戦では応援しているが、自分も共に戦いたいという気持ちが強い。


これはトウジだけではなく、第三新東京市で過ごす男の子全員が思っている事だが。


余談だが、子供達に聞いた将来なりたいもの男の子第一位はエヴァンゲリオンである。これは碇夫妻、特にユイの頑張りの成果だろう。第二位は仮面ライダー。これはゲンドウである。


シンジとの初対面は、彼がエヴァンゲリオンだと知りその嫉妬から拳で殴りあい夕日の下で親友の契りを交わした。



だから、ネルフに呼び出され自分がエヴァンゲリオンになれると言われた時は喜んだ。


その際、シンジからは


「一緒に頑張ろう!」


と激励されアスカからは、


「私がリーダーよ!」


と念を押され名乗りの台詞を言わされた。


レイからは何も言わず、黙って、アニメの「機動武闘伝Gガンダム」のDVDを渡された。貰った時は首を傾げた。尚レイもトウジも知らないがこれは、後に加わる委員長こと洞木ヒカリの参戦フラグである。




そして、エヴァンゲリオン参号機の起動実験。


賽は投げられた。




夕日の中、シンジ達は発令所から使徒接近の報を聞いた。実験場には葛城ミサト、赤木親子他がいたが無事。エヴァンゲリオン参号機は所在不明。



そして彼らは“敵”を見る。


夕日を背に佇むのは…使徒に乗っ取られた参号機。



「これは…エヴァ!?」


「最悪ね、使徒に乗っ取られたんだわ」


「……発令所、指示を」


チルドレン達は動揺するが、発令所も混乱。何せ作戦部長がいない。だが…そこには、総司令と副司令がいる。


「落ち着きたまえ!」


「総員第一種戦闘配置、シンジ聞こえるか?」


二人の声に落ち着きを取り戻す。


「父さん……」


「フ、そんな情けない声を出すな。エヴァを信じろ、アスカ君もレイもだ。これより全力でパイロットを救出し敵を倒せ」


「司令…」


「祖父が言っていた、絆とは決して途切れない繋がり、一人一人は弱くても絆を繋ぎ合わせる事で強くなれるとな。お前達が力を合わせれば不可能も可能になるのだろう?第十使徒戦の奇跡をもう一度、起こしてみろ」


「言ってくれるじゃない!シンジ、レイ!いつも通り行くわよ!!」


「必ず助けだしてみせる!行こう、綾波!アスカ!」


「…ええ」


ゲンドウの激励に、テンションが上がるチルドレン達。


第一次エヴァ同士の戦いが始まった。



おまけ


テンション上がるチルドレン達、同時にエヴァンゲリオン達も燃えあがる。

エヴァ零号機=エステバリスゼロ

「熱血は正義、問題ないわ」


エヴァ弐号機=スーパーエヴァロボ

「正義は必ず勝つのよ!」


エヴァ初号機=ウルトラマンユイ

「シンちゃんに負けないように、母さんも頑張るわ。今回は仮面ライダー系の必殺技も許可します」



今の内に第十三使徒、若しくはトウジの無事を祈っておくべきだろうか?




[19188] 燃えるエヴァンゲリオン【後編】(キャラ魔改造)
Name: はなび◆21c520f7 ID:2f17bd1d
Date: 2010/06/05 18:32
時間は少し遡る。


「ところで、碇。お前に祖父なんて居たか?」


冬月コウゾウは先程のゲンドウの言葉に違和感を覚え聞いてみた、記憶が確かならこの男に親族はいないはずである。

昔、一度だけこの男の身元引受人をやっていた事を思い出す。その時のゲンドウの格好は、緑の仮面を被り真っ赤なマフラー、仮面ライダーのコスプレをしていた。第一印象は、(馬鹿がいる!?)警察官と頭を抱えた。


「何を言う、冬月。碇家の翁がいるだろう」


「………そうだったな、彼の事か」


「彼とは同志であり、手を取り合える仲間だよ」


「…………」


ゲンドウの返答に、冬月は碇家の当主を思い出し、


(深くは問うまい…)


突っこみする事をやめた。賢明な判断である。




アスカは何時もの名乗りを、上げようとシンジとレイに通信を開き伝達した。レイも慣れたのか何も言わず頷いた。

これがないと、闘いは始まらない。

アスカは真剣に、そう思っていた。

これまでの使徒戦、例外をのぞき名乗りを上げて闘いに挑んでいる。


「静かなる蒼、エヴァ零号機」


「穏やかなる紫、エヴァ初号機!」


「燃えあがる…」


そこで我慢が出来なかったのか、参号機の腕が伸び弐号機に直撃。転倒するが、すぐに起き上がる。


「何て奴よ、名乗りを邪魔するなんて!」


「……むしろこの反応が当たり前ね。今までのは…偶然?」


憤るアスカ、何も言わないがシンジも憤慨。冷静に思考するレイ、ともかく闘いは始まった。


「エントリープラグを傷つけないように、まずはエヴァに攻撃を仕掛けるわよ!」


戦いで攻撃していけば“敵”は何らかの行動を起こす、アスカの号令にエヴァ各機は伸びる腕に注意しながらパレットガンを撃つ。


発令所は見守るしか出来ない。余談ではあるが、オペレーター三人組は当初、戦わせる子供達に罪悪感を抱き、せめて普段は優しくしようと考えていた。実際に子供達に会ってその罪悪感は消え去る。詳しくは語らないが、「深く考えていた自分達が馬鹿らしく思えた」と日向マコト、青葉シゲル、伊吹マヤは口を揃えて語った。


弾幕を張り続けるエヴァ三機に、いらついたのか参号機は飛び上がる。


「「なっ!?」」


その動きにアスカは対処できず、


「キャアァァッッ」


弐号機のアンビリカルケーブルが切断。そのまま動きを封じられ内部電源が停止した。
弐号機、戦線離脱。


「アスカッ!」


初号機が駆け寄り、零号機は参号機にパレットガンを撃ち続ける。


「……こんなこともあろうかと、新兵器は?」


科学者なら誰もが言いたかった言葉、それを呟くレイ。その場に赤木親子がいたら悔しがっただろう。

先日、シンジとアスカから提案された新兵器案。それを受け技術部は制作に入ったはずなのだが…

申し訳なさそうにマヤが答えた。


「ごめんなさい…レイちゃん。新兵器は間に合わなかったの」


「………そう」


残念がるレイ、それに合わせ零号機もうなだれる。参号機はそれを見てロックオン。

腕を伸ばし、神速の速さで零号機の首を掴む。


「くぅ…」


シンクロ率が若干高いため、レイは直に味わい痛みに呻く。


「シンクロ率カット、強制停止。急げ」


「はい!」


ゲンドウの指示に従い、マヤは零号機を緊急停止させた。
零号機、戦線離脱。

レイは首を擦り、エントリープラグの中で息を吐く。

(後は碇君次第…)


アスカと同じくモニターで、二機を見る。


向かい合う初号機と参号機、一対一。

シンジはその状況に戸惑う事無く、逆に闘志を燃やす。


(よくも、アスカと綾波を!トウジまで巻き込んで許さない!!)


傷つけられた仲間の仇を、討つとばかりに参号機を睨む。


その参号機から、


「聞こえるかぁ…シンジィ…」


通信が入った。


「っ、トウジッ!?無事なのっ!!」


驚愕するシンジと発令所。


「参号機の様子は?」


「依然、パターン青のままです。おそらくパイロットは意識を…」


すぐに冬月がシゲルに問い掛け、マギを使って原因を探る。


「ワイはなぁ、センセが羨ましかったんや。いつもヒーローのように敵を倒すセンセに憧れとった…」


「トウジ…」


親友の言葉に迷うシンジ。


「だから、今この場におることを感謝するんや…センセを…否、シンジを倒して…ワイがヒーローになる!!」


参号機が初号機に飛び掛かる、それにシンジは動けずそのまま倒れる。
後は参号機が拳を初号機にぶつける音が響いた。


「……シンジ」


父の声に、シンジは答えない。


「碇、マズイぞ。このままでは…」


「………」


ゲンドウは痛みに耐える息子を見て…数秒考え口を開く。


「…シンジ、お前はそのまま終わるのか?」


「父さん…でも僕にはトウジを……」


「迷うな!!シンジ、お前が今戦わなければ、参号機パイロットに関わる人達全てが泣くんだぞ!それをお前は許せるのか!!仮面ライダーの信条を思い出せ!!」


「っ!!」


ゲンドウの叱咤に、目を覚ますシンジ。発令所の皆は口を挟まない、ゲンドウの嗜好は知り尽くしているから突っこみもない。


そうだ、僕が戦わずこのまま負けたらトウジは…


思い出す、学校で喧嘩ばかりするけど互いを思い合う委員長とトウジを。


トウジがいなくなったら、委員長は泣くだろう。妹のミサキちゃんも家族も。


それは許せない、今、僕にできるコトは―


トウジの想いを受けとめ敵を倒す!


もう、迷わない。


「……そうだね、父さん。……こんな奴のために委員長の涙はみたくない、二人には笑顔でいてほしい!だから、僕は戦うよ!!」


シンジの想い、発令所の皆とアスカは感動した。マコトとシゲルは拳を握り締め、マヤは涙ぐむ。


「それでこそ、シンジだ。思いっきりぶつかってゆけ」


「うん!!」


繰り出される参号機の拳を受けとめ、初号機の右ストレートが炸裂。


「司令、この場に相応しい曲があります。マギを使って、コード“SEED-ED 1”を流してください」


レイの唐突な提案に、発令所は沈黙。動じる事無く、ゲンドウは手元のパネルでマギを操作。レイの言うとおりにする。
それを見ていたマヤは、別の意味で涙を流した。


そして、流れる“あんなに一緒だったのに”



拳と拳で殴りあい、


「シンジィィッッ!!」


「トウジィィッッ!!」


ぶつかり合う二人。背景は夕日。



見事に曲が似合いすぎる、序でに言えばあるアニメのシーンにも似ていた。



参号機の腕が初号機のケーブルを切断、始まる停止のカウントダウン。ユイにとっては、カラータイマーの点滅。


だが、シンジは慌てない。ここからが本番とばかりに体勢を整える。


A.T.フィールドを調整し右足にエネルギーをためる。紅く光る右足、イメージは夢を守った戦士。


シンジとユイ、二人の心が、発令所で見守るゲンドウも合わせれば、三人の心が一つになる。


(Exceed Charge)


初号機が跳び、空中で回転し右足を蹴の体勢で落下。
参号機は両手で受けとめ、初号機を殴り飛ばす。

宙を舞う初号機、見守る彼らの思考が一致。


(止められたっ!?)


それでも三人は諦めない、カウントが一分をきる。


右手にA.T.フィールドを集中させ拳を突き出し再び落下、今度は参号機も反応できず、その拳を受けて―


爆発した。


倒れるエヴァ両機。


「パターン青消失、パイロットも無事です!」


巻き起こる歓声、ホッとするシンジに通信。損傷がひどくノイズがするが間違いなく、トウジから。


「すまんかったな、シンジ…」


「トウジ?」


「想い伝わったわ、さっき言ったことも本音や。うらやましかった……でもな、それ以上に………なりたかったんや、ワイも……エヴァンゲリオンに………」


「トウジ…」


そこで切れる通信、シンジは叫んだ。


「トウジィィッッ」


黄昏が、エヴァ全機を包む。


尚、トウジは気絶しただけ。シンジが叫んだのは、その場の勢いである。




おまけ


感動に浸る一同に、レイの一言。


「自爆しないのね…」


「ちょっと、何不吉な事言ってんのよ!!」


台無しである。レイの脳裏では、参号機が初号機に組み付いて自爆、その際トウジは脱出。シンジは巻き込まれ……何故か月で新初号機を受け取り、窮地に陥った皆をシンジが、


「新初号機は、伊達じゃない!」


と言い助けるストーリーが浮かんでいた。何か交ざっているのは、レイの趣味。

これが第一次エヴァ同士の戦いの結末であった。




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