【エルサレム=井上道夫】イスラエルのネタニヤフ首相は2日、イスラエル軍によるガザ支援船団拿捕(だほ)事件についてエルサレムで演説。同軍の武力行使で船団側に9人(軍発表)の死者がでたことについて、兵士が乗員に集団暴行されたことに対する正当防衛との見解を示し、「我々は自分たちを守るために決して謝罪しない」と断言した。
ネタニヤフ氏は死者がでた船の乗員が兵士を攻撃するためにナイフや鉄棒を用意し、待ち受けていたと指摘した。
一方、パレスチナ自治政府のアッバス議長は同日、パレスチナ自治区ラマラでイスラエルとの間接和平交渉を仲介するミッチェル米特使と会談。同席したパレスチナ解放機構(PLO)のエラカート交渉局長によると、アッバス氏は米国に対し、同事件を調べる国際調査団の設置▽イスラエルによる自治区ガザの境界封鎖の解除などを求めた。
また、アラブ連盟も2日夜、カイロで外相会合を開き、国連安保理事会に対し、事件の遠因となったイスラエルによるガザ地区封鎖の解除を求めることを決めた。
イスラエルは2007年以降、人道支援物資以外の搬入を認めない封鎖策を採っている。