2010年4月8日 21時5分 更新:4月8日 23時7分
山田宏・東京都杉並区長や中田宏・前横浜市長ら現職の首長と首長経験者らが、月内に新党を結成することが8日、分かった。今夏の参院選に10人以上の候補者を擁立する方針だ。
山田氏らは昨年10月、自治体の首長などによる政治団体「よい国つくろう!日本志民会議」を結成。斎藤弘・前山形県知事ら24人の首長、首長経験者が参加しており、新党はこのグループが母体になる。しかし、現職国会議員は参加しない見込みで、政党助成法の政党要件は満たさない。
現職の国会議員を参加させないのは既成政党と一線を画し、清新さを前面に打ちだす狙いだ。だが、山田、中田両氏はともに松下政経塾出身で与野党の国会議員に人脈が深い。原口一博総務相や、小沢一郎民主党幹事長と距離を置く前原誠司国土交通相も同塾出身で両氏と親しい。
山田氏は8日、毎日新聞の取材に「予算編成を見ても民主党に任せていては日本が持たない」と批判したが、念頭にあるのは小沢氏が主導した昨年の衆院選での「バラマキ」路線だ。
山田、中田両氏と斎藤前知事は10日発売の月刊誌・文芸春秋への寄稿で「沈み行く日本丸の中で、自民党と民主党という二つのレストランが客引き競争を始めた」と批判している。参院選で自民、民主両党への批判の受け皿を目指すと同時に、参院選後にありうる政界再編で核となることを意識しているとみられる。山田氏は他党との連携について「誘いはあるが、選挙までは関係ない」と選挙後に含みを残した。
原口氏は8日「国そのものも変える大きな志を持った方々とリンクを張っていきたい」とエールを送った。しかし新党が首長連合といえるほどの広がりを持つかはまだ不透明だ。
鳩山由紀夫首相は8日夕、首相官邸で記者団に「私たちはもっと先を走っている。考え方の近さはあるのかもしれないが、それぞれの政治家が自分の信念で行動していることだと思う」と述べるにとどめた。【笈田直樹、田村彰子】