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【国際】

日本製粉ミルク輸入禁止 中国の消費者困惑

2010年6月5日 夕刊

 【北京=朝田憲祐】宮崎県の口蹄(こうてい)疫問題で、中国が日本からの粉ミルクなどの輸入を全面的に禁止したことを受け、中国の空港や港で製品が押収されるケースが相次いでいる。中国各紙が報じた。

 中国政府は四月三十日付の公告で、日本製粉ミルクのほか、牛や豚などの偶蹄類の輸入や手荷物による持ち込みを禁じた。しかし、通知は徹底されておらず、粉ミルクについては、中国人旅行客が「安心・安全な日本の土産」として持ち込もうとしたり、乳幼児をもつ中国在住の日本人家庭に郵送しようとして水際で止められているという。

 また、中国のインターネットショップ最大手「淘宝」は、日本製の粉ミルクの販売を中止するよう出店業者に通知した。

 一方、中国各地のスーパーなどは、「口蹄疫被害が発覚する前に輸入した」との理由で、現在も日本製粉ミルクを販売。一部ネットショップでは、日本製粉ミルクが今後、品薄になるとみて値段が上がり始めている。

 日本製粉ミルクを購入している中国人の母親は「中国の粉ミルクなんて、安全性が心配でわが子に飲ませられない」とし、輸入禁止は政府による過剰措置だと批判。「日本製粉ミルクが手に入らなくなったらどうすればいいのか」と懸念している。

 

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