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【ドラニュース】


和田、起死回生3ラン

2010年6月5日 紙面から

中日−ロッテ 8回裏2死一、二塁、左越えに第17号の同点3ランを放ちバンザイする和田。投手薮田=ナゴヤドームで(中村千春撮影)

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◆中日5−4ロッテ

 スタンドは知っていた。この男なら、必ずチームを救ってくれると。異様な拍手とどよめきに包まれながら、和田がゆっくりと打席に入る。そして、たった一撃で大歓声を巻き起こした。

 「ど真ん中に来たので思い切り振った。まっすぐを待っていたけど、たまたま合わせることができた。大事なところで打てて、本当によかった」

 いつもはクールな男も、さすがに興奮の色を隠せない。3点を追う8回2死一、二塁。ロッテ・藪田の甘く入った初球チェンジアップを逃さなかった。思わずバットを放り投げたほどの快感は、3試合連発の同点17号。その直前、味方の痛い失点やセサルの負傷退場で敵に傾きかけていた試合の流れを奪い返した。

 「きょうは大事な試合だった。負ければ、この間(7点差を逆転された2日のオリックス戦)の負けがさらに重くのしかかるところだったから」

 今季がFA移籍3年目。昨季限りで立浪や井上ら生え抜きのベテランが引退した今、グラウンド内外でリーダー的存在になりつつある。開幕当初は打撃不振に苦しんでいたセサルが2軍降格を告げられた4月24日(阪神戦)の試合後。ロッカールームで肩を落とすセサルをしり目に、和田はチームに同行するルイス、デラロサのドミニカ人スタッフを呼び止めた。「もっとフォローしてあげなきゃ」。新しい仲間が実力を発揮できるよう、技術面だけではないサポートを求めた。そんな一面もあるからこそ、周囲の信頼は厚い。

 「きょう勝ったことで、次は思い切っていける」と和田。ファン、仲間、そしてチーム思いの男が価値ある勝利をもたらした。

 (安藤友美)

 

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