今年の十大ニュース
1.囲碁将棋チャンネル買収劇
銀河戦や女流王将戦を主催しているサテライトカルチャージャパンが東北新社に買収されました。(社)日本将棋連盟理事会は競争入札に応じておりました。
竜王戦、名人戦の単年度契約は棋界最高額ですが、その3倍の金額です。会館建設を外せば史上最高額の攻防戦でした。
東北新社と日本将棋連盟は直ちに将棋の普及発展のため協議を重ねております。
2.女流王将戦継続
ホッとしました。女流王将戦という由緒あるタイトル戦が継続したのです。上記のサテカル社と霧島酒造様がスポンサーになって下さった。次期からは日本将棋連盟所属の女流棋士全員と招待枠の女性によるタイトル戦が定着するのです。
皆さん、スカパーあるいはケーブルテレビ「囲碁将棋チャンネル」を宜しく。
3.いろいろ
文化庁予算
文化庁関連の予算は6事業で5億円でした。全国の文部、普及指導員、棋士などへ声をかけて、将棋界は1億600万円余が認められました。3月31日までの事業はまだまだ続きます。地域が主体となって、日本将棋連盟がお手伝いする事業です。
とにかく今年度は無事に終って欲しいと祈っています。4月1日以降の新予算がどうなるか。それは私の運なのか実力なのか分かりません。ゼロ査定か。それとも増額か。
4.陳情
民主党政権になって伝統文化予算はどうなるのでしょう。文化芸術振興基本法にあるものはマニフェストで「振興に尽くす」とありました。そのマニフェストは大丈夫でしょうな。
陳情に行ったのです。首相官邸へ行き、文科省内の大臣室へ行きました。むしろを立ててという米長案は却下されましたがね。
将棋界独自のお願いもしました。おかげさまで文化庁の人達ともすっかり顔なじみになりました。
いろいろありますが、5番目以降は略します。
(2009/12/27)
スリッパを片付けたで賞
世の中は厳しいですが、将棋界はこの一年間、一応の頑張りをみせて不満ながらもホッとしています。
小学生は日本中で個人も団体も参加人数が増えたのです。常日頃普及活動をして下さっている方々に厚く御礼申し上げます。こればかりは金とは次元の違うものです。
プロの姿勢も問われます。全国へ棋士派遣をしていますが、その棋士の指導の評価も下ります。教え方の上手下手。丁寧か熱心か。時には負けて花を持たせたり氣配りはどうか。夜の一杯などではおつき合いをしたかどうか。
逆にプロ側からもチェックします。女流棋士をホステスのように扱ったりした等々ですね。
こうして双方向性のチェックにより、プロとアマの一体感を深めてゆきたい方針です。
いわゆるモチ代は男女問わず250名程の全員に振り込みました。総務、経理、法務全てに亘って合法的かどうか再検討してのことです。
先般行われた棋士へのアンケートの回答は未解答が約一割です。理事会一任、若しくはもっとしっかりせよという回答の合計は85%。話し合い、あるいは情報が欲しいという人が数名です。
未回答の人には再度お尋ねしますが、9割くらいの人が「選挙で選んだ理事会」を任期中は支持していると判断しました。
来年度からは公益法人改革目指して、谷川委員長の答申を基に理事会も手伝ってゆきます。
要は プロ棋士は対局を頑張ることと普及に努めることに尽きるのですね。普及というよりも人間として皆成長せねばなりません。身近なところから始めます。
■スリッパを片付けたで賞
モチ代というのは昔から言われている名称ですが、一部は賞の方へ回す。そのひとつが上記の賞です。雑然としたスリッパをていねいに揃える。このような当り前のところからです。
上記の賞は女流2名、男子1名です。金一封が出ます。一割源泉になっています。もう一人同様に「洗面所をきれいにしたで賞」もありましたが、収入が多い者だったので袋だけにしました。
男子も女子もほほえましい将棋界になってきました。
(2009/12/19)
対局規定外
年末にかけて、今年の十大ニュースと来年の展望を考えています。世の中が激動していますので将棋界もその余波を被ります。余りにも多くのことがありすぎて何から始めて良いかも分かりません。だいいちとのニュースがトップかも難しいです。
今年、一番大きなことはJT日本シリーズで渡辺明竜王をトーナメント表から外し、谷川浩司九段を入れたことかもしれません。
同じようなことはマイナビ女子オープンでもいえます。対局日に挑戦者の岩根忍二段が出産予定になっていた。どうしたか。
将棋指しは親の死に目に会えない。これが将棋界の掟でもありました。対局が最優先という意味です。しかしこれがぐらついたのです。
ひとつは新型インフルエンザ。ご存知のようにJT日本シリーズは千名からの子どもが観戦と対局に来ます。観戦していたら感染したというのは避けねばなりません。対局以上に優先させるものがあって、それは青少年の健全育成、健康への配慮です。悩み、討議し、決断する。
これが谷川繰り上げの真実です。賛否はどうあれ、会長の私と理事会が全ての責任を負います。
出産。こればかりは男社会では分かりません。出産したので不戦敗に出来ますかいな。少子化の折、出産育児は国策でもあります。主催社のマイコミ社は働く女性を支援している社であり、8週間の延期は直ぐに決定になりました。
ということで、新型インフルエンザと出産は対局規定にない出来事でした。泥縄式に対応する。泥沼流泥縄式です。
規定を明文化するべきはしておき、最終的には主催者と将棋連盟とで構成する委員会で決定するということになります。両対局者は委員会の決定に従うのは規定です。
対局は棋士にとっては命そのものですが、その対局日程を変えることがある。しかも2通りあったとは。私にとってはこれがニュースのトップなのですが、理事会の苦悩を外せば下位のニュースかもしれません。
(2009/12/12)
普及サミット
普及活動はアマチュアとプロが対等である。これを標榜して活動しております。とは言っても永年に亘って社団法人日本将棋連盟に本部があり、支部はやはり文字通りの支部です。
免状は400年の伝統あるものです。どうしても本部の役割と支部の役割とに分かれているものは急に変えることは出来ません。
電話
本部に掛かってきた電話は、どこから掛かってきたかはきちんとしておきます。誰からなのか分からないのは困る。次にもっと大事な応対です。
「はい。こちらは日本将棋連盟○○部です」と必ず言う。出来るだけそのように対応するよう指導しています。
「はい。私○○がご用件を承りました」
外部の人達の反応を聞いてみますと大変良くなっていると言って下さる人が多いですが、まだまだですね。
普及サミット
全国の支部長や普及指導員の方々と会長の私や理事、職員が年に一回も顔を合わせないというのはまずいです。東京へ呼びつけるというのもどうでしょうか。
今年度も全国11ヵ所のブロックに分けて開催します。会場費や夕方の懇親会は本部負担。現地集合で現地解散。その交通費は各自負担です。しかし日帰り出来る距離ですから出て来やすい筈です。会長の私は6ヵ所。
第一部は指導講習会これを受けた方には将棋コーチになれる資格がある。子どもや初心者への教え方、引率のお母さんへの接し方などを話す。
第二部
これは真剣なディスカッションです。私が出席の時は約40分間熱弁をふるいます。普及方針、課題、反省、展望。一通り話すんですね。次いで質疑応答。苦情から要望から全て承る。即答するケースと、持ち帰って検討の結果、必ず返事をするものとに分けます。
第三部
酒。これが楽しみという人もいます。楽しいです。水戸の時だけは私はパスしましたが、あと5回は飲むでぇ。
(2009/12/5)
ネット社会
回想録の方にも書きましたが、将棋界のこれからは通信と電波ですね。インターネット、ケイタイ、ケーブルテレビです。
現在進行中のものはネット中継。これから始めるのがケイタイ中継です。これ等は主催の新聞社との話し合いが大事です。
インターネット
これは新聞社が主として中継。将棋連盟は協力、共同運営、委託。どれも新聞社の意向通りに致します。
ケイタイ
これは将棋連盟が課金して中継をする。儲けというほどのものは出ないかも知れませんが、うれしい結果になった時は将棋連盟と各社が協議です。俗に言えば利益を折半ですね。勿論将棋連盟はそれを普及目的で還元します。
又、ケイタイ事業によって発生する殆ど全ての権利は新聞社側に帰属します。ケイタイによって一人でも多くの人々に将棋を楽しんでいただくのが主旨ですから、余り多くの事は求めない。
ケイタイとインターネットそれぞれの通信対局も同時に始めますが、これは将棋連盟がすべて取り仕切ります。
(2009/11/28)
危機感
世の中は移ろい易い。将棋界を取り巻く環境も大きく変ります。私が会長になってからは4年間右肩上がりの財政でした。大不況下でのことですから苦労が多い。
しかし今年の不況は私ではどうにもなりません。このままいきますと今年度は約2%ものマイナスになりそうです。たった2%、されど2%。
お世話になっている新聞社やテレビ局も大変そうです。パソコンやコンピュータ業界も相当に厳しい。将棋でも一歩損だけなら大したことはありません。しかし、それは何十手か先に不利が拡大してやがて負けにつながるのですね。
将棋の先生も将棋に置き換えればすぐに分かるんでしょう。
そこで理事会は危機感の共有を訴えたのです。
団結。それ以外ありません。棋士は対局と普及の二本柱が大事です。社団法人日本将棋連盟は永遠です。ファンへの呼びかけ、将棋を知らない人への呼びかけの前に、プロ棋士の結束を訴える。
結束どころかそれに反する棋士もいるようです。週刊誌に協力する昭和24年生まれの人もいるらしい。悪宣伝を載せているホームページ主宰の人もいるらしい。近々弁護士から連絡がいくでしょう。
(2009/11/21)
JT杯と羽生
11月22日(日)がJT杯の決勝戦です。谷川浩司VS深浦康市。コーチャン同士の対決。
思い返せば渡辺明竜王の新型インフルエンザ騒動で谷川を繰り上げるという特別措置がありました。トーナメント表に存在しなかった谷川が代わりに繰り上がった。その谷川が決勝に進出したのです。もしも優勝するとどうなるのかなぁ。史上初のケース。
当日は子ども大会もあります。これも千人どころではない多くの親子が詰めかけることが予想されます。
10時開会で、子供大会の決勝は席上対局です。表彰式は午後3時頃でしょう。
それからプロ同士の決勝で解説が老雄加藤一二三。表彰式は午後5時頃でしょうか。
私は困るんですね。当日は倉敷藤花戦が倉敷である。前夜祭に出席し、22日は対局開始の午前10時には対局に立ち会わねばなりません。
心はふたつ、身はひとつ。会長の代行、代理は認められるものと駄目なものがあります。羽生善治名人に無理なお願いをしたところ快諾。有難いことです。
JT杯は
午前10時 中川大輔理事が開会挨拶
子ども大会の表彰式は羽生名人
プロの表彰式は米長会長
つるの剛士さんも出演される。
皆さん、ビッグサイトへどうぞおいで下さい(無料)。
倉敷の芸文館ホールへもおいで下さい(無料)。
(2009/11/15)
スケジュール
11月は将棋界にとっては真しく将棋月間です。日本中至る所でイベントが目白押しです。私は以下の通りのスケジュールで動きます。
日付の左端の※印は是非あなたにも顔を出して欲しいものです。ただし、有料と無料、会場の入室制限のケースもあります。下記の日本将棋連盟のホームページで詳細をどうぞ。
※11月8日
加古川市にて将棋の日。これはNHKでも収録されて後日放映になります。私は11月7日の前夜祭、そして翌日の11月9日は市長へ表敬訪問です。
11月10日
竜王戦 第三局。私は加古川から京都へ移動して前夜祭に出席。対局初日の午前9時に立ち会ってから帰京します。
11月10日
帰京して日本青年館にて倉敷藤花戦の前夜祭出席。翌11日は対局です。
※11月15日
棋士会イベント。なんでも佐藤康光が受付とか。
11月17日
将棋の日。表彰式典があります。私は東京の将棋会館で表彰状の読み上げです。
※11月19日
JT杯のレセプション。谷川浩司の途中出場というか特例がどうなるのかは神のみぞ知る。
※11月20日
王座就位式。正午から新橋・第一ホテル東京にて。
※11月21日
倉敷にて前夜祭出席。
※11月22日
倉敷藤花戦立会い。直ちに東京へ引き返します。
※11月22日
東京にてJT杯日本シリーズへ出席。子ども大会決勝の表彰状授与。続いてプロの決勝戦にて表彰式。
※11月28日
大洗にて関東地区普及サミット出席。
(2009/11/7)
草食系女流棋士
10月30日。女流の貞升南と野田澤彩乃の二人が私に相談があるというのです。女性から相談。胸がキュンとなりますね。
女流棋士の自主棋戦 LADIES HOLLY CUPは目出度く終了して決勝戦は上海で行われます。
実は罰ゲームがあるのです。ふたつのリーグに分かれての棋戦でしたが、一番負けた人には罰ゲームを課したのです。それをどうしようかという相談です。4人だそうです。なんだ。全く胸キュンではないではないか。関東が3人と岡山の女流の計4人だそうです。
2人は将棋倶楽部24で指導対局をすることにしました。あとの2人は新宿将棋センターで指導対局。これは私の意見ですが、その通りになるでしょう。
実は私は忘れていたのです。しかし16名の女流はこれを覚えていて、私に最終の相談に来た。素直な女流は私の意見を尊重してくれます。ファンのみなさん。女流棋士もこのような人も多いのです。これからも応援してやって下さい。
追って将棋倶楽部24と新宿将棋センターの件は、日本将棋連盟のホームページに出る筈です。
(2009/10/31)
週刊現代
今週から放談室を「会長回想録」にしました。会長になってからの4年間で、公式には書けないことなど本当のことを書き留めておくことにします。
週刊現代に私の連載が始まってから一年余りになります。名棋士今昔物語。私が直接取材して聞き書きしたものですから、その甲斐あって意外な一面が表に出てくることが多いです。故人には面会ということは出来ませんけどね。
毎週一人の棋士を採りあげる。やっぱり羽生だとか大山、升田は名前が通っていますから、読者が将棋を知らなくても読まれます。余り知られていない人を書く時は、将棋を知らない人でも読んでもらえる工夫が必要になります。
毎週ページ毎の評価が出るらしいんですね。というのはここの所、私のページの評価がグーンと跳ね上がったからです。林葉直子を二週書いた。その後に先崎学、中川大輔です。中でも林葉直子は断トツ、二週に分けて書いたほどでした。母親を交えて3人で会い、近況編と美少女編の2回に分けた。本人からもお礼が来ました。と言っても私はお世辞を書いたわけでもなく、ありのままを書いたんですけどね。読者の反応で驚いたことは、林葉人氣はまだまだ根強いことです。
来週からは江戸時代の棋士や、王将リーグ初参加の豊島五段が出てきます。皆さん、週刊現代を買ってちょ。
(2009/10/24)
知事予算
国からの予算は文化庁だけではありません。県知事からのものもあります。今年度、国は47都道府県知事に1億円を上限として文化予算を拠出します。
何もしなければ0円です。1億円までなら国が金を出す。但し文化に限定です。当然将棋はその中に含まれます。日本将棋連盟はどう動いたか。
先ず職員を中心に企画案を各自に提出してもらいました。賞金制で5人に差し上げる。正職員、契約社員が一人だけ除いて全員が提出してくれました。69の案が出てきたのです。
アーケードでの100面指し。ハサミ将棋大会。いろんな案が出揃いました。これらにはダブリもありますので、これを10くらいの企画にまとめて47の知事全員に送付。知事には私がお手紙をしたためました。
各県さまざまです。何もしない知事もいる。将棋には全く理解なしの県もある。熱心な県もある。
予算は知事が出しますが、やはり世話役はアマチュアの愛棋家に頼らざるを得ない。文化庁からの7団体5億円の予算と混同する恐れがあったのに、皆さん良く別物だと理解して下さった。知事が将棋を文化として見做してもらえたかどうかという点で注目しているものです。
栃木県のケース
ここが一番予算額が多い。一県平均100万円ですが、来年1月10,11日両日に行われる「将棋まつり」は凄い。宇都宮市内でプロ棋士も男女合わせて20名くらいになるようです。ようです、というのは、日本将棋連盟は脇役だからです。
ここの実行委員会から女流は三派合同でという申し出がありました。LPSAもフリーの北尾まどか女流も一緒で良いですかということです。日本将棋連盟の姿勢は一貫しています。
○公式戦は混合ですが、非公式戦は交流しない。
○イベントも全く別団体で、それぞれが別に催す。
しかし、今回は違います。国や県などの予算には合体が好ましい。文化庁の予算も女流枠は団体別に参加人数比できちんと分けて、所属を問わず普及活動をしてもらっています。やっぱり仲良くがいいですね。
宇都宮での三派合同は極めて稀な催しですので、正式発表をみてどうぞお出掛け下さい。
「まじめな私」もどうぞ。(2009/10/17)
普及大綱
全国の支部長、普及指導員約2000名にお手紙を差し上げました。下記のURLに全文掲載されています。7枚くらいのペーパーでした。
普及はプロが脇役。これが第一です。次には各県に連合会を結成していただき、本部の普及部の役割を委譲するあるいは委託です。女流棋士を県連に担当してもらうのも新しい試み。
いろいろこちらからの試案を提示して、受け入れられるものから随時採り入れてゆくつもりです。私の出張予定表も掲載されています。
将棋コーチになろうかという人にも来ていただき講習会を開きます。入会金というか1000円をいただきます。これは冷やかしやイタズラというか、登録のみだけという人を排除するためです。
全員一丸となってアマチュアがプロを主導する普及形態を作り上げておきたい。
まずは日本将棋連盟のホームページをどうぞ。
http://www.shogi.or.jp/topics/news/2009/10/21_8.html
(2009/10/11)
文化普及
10月2日。正式に認可されました。伝統文化に対する7団体へ5億円の予算です。将棋界も全国各地から申請を出してもらい、それを日本将棋連盟がとりまとめて一括して提出していたのです。関係者には一斉にお手紙を出しました。
今こそ社団法人日本将棋連盟とアマチュアの人々との連携が求められます。ファンが主導権を握ってプロ側が脇役。この姿勢を鮮明に打ち出しました。
各地の親子教室は10万円から300万円までさまざまです。全額地元が負担して、後から国の予算をもらえるのが安心です。しかしその金の立て替えが無理な時はどうするか。これは日本将棋連盟が全額立て替えます。その総額が1億円を超しても構わないという決議を理事会ではしています。文化庁の今回の予算も、朝日・毎日からの予算も普及活動には大いに役立ちますが、将棋連盟はいわゆる儲けにはなりません。
今回の予算は正式には「生活文化普及支援事業」と申します。この事業を間違いなく地元で施行され、領収書と報告書のとりまとめがきちんと出来るかどうかが極めて大切です。9月から来年の3月31日までですが、今年度をしっかりとプロもアマも一体となって頑張ろう。
この事業は将棋界にとっては存亡をかけるくらいのものです。当然プロ棋士全員に会報を出しました。私が掲げた方策の元に団結してもらいたい。私はいかなることがあろうとも前進致します。どうかご協力をお願いします。
普及方針は近々に発表します。もっとも全国の支部長、普及指導員の方々約2000名には通知を出しております。全国11会場へ会長や理事が出向いて、普及シンポジウムを開くのです。方針の賛否を問う。
(2009/10/4)
羽生防衛
強い。強すぎる。
羽生善治王座が挑戦者の山崎隆之七段を3-0で退けて防衛した。18連覇である。
20才になったばかりの新王座がアラフォーまで18年間守り続けているということは奇跡なのか当然の実力なのかは分かりません。
ここ数年は3-0が多いのもビックリします。挑戦者の山崎とて久保利明と並ぶ大阪の期待の星で、生涯で好調の波のひとつでしょうからご当人はショックだったでしょう。
第三局は昨日天童市で行われました。理事出張は西村一義専務理事です。立ち合いやら解説が弟子の藤井猛、三浦弘行のA級コンビです。山形県出身の新四段の阿部健治郎君も西村門下。これに山田久美、北尾まどかの両美人が居れば全員集合になるところでした。
将棋は後手の羽生王座が横歩を取らせた後、研究と氣合いが激突。ピストルの撃ち合いのような将棋でした。しかしピストルの撃ち合いで18年連続も良く勝ちますねぇ。
立派なのは山崎君。終局直後に大盤解説場に顔を見せて両対局者がコメントする。こんな所に彼の生真面目さが分かります。近頃はたいていの棋士がそういう姿勢なのは大変嬉しいです。
本局は小学生の観戦が多かったようです。「本物を観る」のは教育上大切なことで、将棋が全国的に教育現場へ迎え入れられていることも感動致します。会長の私の数少ない功績があるとすれば、それは教育界へ将棋が導入出来たことですね。
さあ、来週は王位戦の決着だ。下記でお楽しみ下さい。
王座戦第三局
http://live.shogi.or.jp/ouza/
王位戦第七局
http://www5.hokkaido-np.co.jp/50oui-7/
(2009/9/26)
前進する普及 普及も含めて将棋界はどうあるべきかの素案がまとまりました。いよいよ打って出る。私が会長になってからの4年間は内政に終始しました。守りを堅めるというか財政の建て直しやら人事などに苦慮しておりました。契約は交渉事であり、名人戦の移行から共催は三番目に大きな契約問題でした。
現在は一段落しました。このあとも再び難局面は続くでしょうが、それは又その時のことです。大不況でどこも厳しいです。
頭の中がスーッとしています。何をすべきか。何をしてはならないか。このふたつがはっきりと判ってきたからです。
攻める。これからは守り一方でなく攻めですね。まずは普及。日本将棋連盟本部は「お役に立つ」ためだけの存在とします。普及はアマチュア主導とする。
秋から来春にかけて全国10会場で支部長や普及指導員の人々が集まってのサミットを開催します。
会長の私が全部へ行くべきなのですが、どうしても6ヵ所しか行けません。本部からは理事、職員、棋士が出向きます。酒も飲むでぇ。
本部へ支部を呼び寄せるのではなく、本部の方から出向くのです。事前に要望、要請、ご意見は承っておく。同時に本部が考えている大方針も示してあります。提案ですね。これからは男子プロも女流棋士も全国的普及活動に打ち込んでゆくことになってくるのでしょう。
文化庁の文化事業は全国で300ヵ所以上になります。これはあくまで実施するのはアマチュアの方々が主になります。日本将棋連盟は棋士の派遣や、事業の金の立て替えの相談、領収書など事務手続きのアドバイス、報告書のとりまとめなどなど裏方に徹します。
これを機にアマとプロの絆がますます深まってゆくことを強く望みます。
(2009/9/21)
生活文化普及支援事業(一)
文化庁は伝統文化の親子ふれあい事業の一環として、合計5億円の予算を組みました。
7業種です。業種というのも変ですが囲碁やお茶、お花などです。
将棋はこれまで国からの予算で何かをしてもらったということはありません。東西の将棋会館建設も国からはビタ一文出してもらってはおりません。今まであまり予算措置をしていない業種に配慮したものです。
厳しい査定でした。8月末日になってやっとある程度のものが認められました。全国、北は北海道から南は沖縄までアマチュアの申請を主としてとりまとめて提出したのです。
社団法人日本将棋連盟が文化庁から委託された事業。主に支部や普及指導員あるいは教育委員会や地方自治体などからの申請が多かったです。
だいたいは公民館などの公共施設を借りて、将棋に興味のある親子をお呼びするのです。そこへプロ棋士や女流が出かけていって指導や講演をする。プロ側の謝金は一律です。
女流棋士は日本将棋連盟所属の者だけでなくLPSA側の人にも協力してもらいます。
誰がどこへ行くか。これはコンピュータによる抽選なんですね。一人だけは支部や、その土地の出身者などの理由で選定します。一回につき3、4人が行く。ずいぶん贅沢なものですが、主催者の方は「あの棋士に来て欲しい」との願いはあるでしょうが、その全く逆もあるのでしょう。公平にするための全く新しい人選方式を取りました。一度確定した後微調整ですね。
日本将棋連盟は一応事務経費は頂きますが、儲けということではありません。大半は会場の設営、準備など主催者への支払い。プロ棋士等へは旅費、宿泊代、謝金などの支払い。これ等を場合によってはまず日本将棋連盟が立て替えるケースも相当あります。後日国から金が同額振り込まれる筈ですけどね。
これからの将棋界は、この事業の成否にかかっているといっても良いでしょう。「領収書の受け取りは大丈夫だろうね」等々楽しいけれども苦労も多い。さあ、頑張ろう。
(2009/9/12)
日経と教育
9月4日の日経新聞朝刊は感動しました。一面の下段に「春秋」というコラムがあります。そこに王座戦第一局に合わせたようにドンピシャリのことが書かれているのです。
プロの対局を観戦した志賀直哉が梅原龍三郎画伯に伝えた手紙について語っている。精魂傾けた戦いに驚嘆し、その一手々々の読みの深さはごく僅かなプロにしか分からない。しかしその面白さは一般人にも分かる。これは不思議なことである。
坂口安吾も大の将棋ファンで、名人戦の観戦記も書いたことがあります。「やじ馬が観ていてこんな面白いものはない」とある。
日経新聞社は新社屋落成記念の王座戦第一局に相当力を注いでいただきました。新社屋では150名のファンに佐藤康光先生が大盤解説。夕方から終局までです。
立会いは不肖会長米長邦雄。解説佐藤康光、観戦記青野照市。将棋世界の観戦記は谷川浩司。羽生王座の袴捌きはさすが、とマイナビ社の鳴海女史。山崎隆之挑戦者は初々しさが出ている。
午前9時の対局開始時には都内の暁星小学校の3年生の児童達が正座して見守っていました。
対局室を出てからお母さんの一人に質問。あなたは今朝の春秋欄をご覧になりましたか。PRに努めようとしたところ、「私は生まれた時からずっと日経を読んでおります」。ウヘェーー。
成績のいい子は、いい学校に入り、将棋を覚え、いい母親を持って幸せです。日本中の学校がこうならなくてはと願っています。校長の佐藤先生という方にお会いしたいものだ。
(2009/9/5)
近代将棋道場
インターネット関連のお知らせです。永らく楽しんでいただいた近代将棋道場が8月末で閉鎖になります。
将棋倶楽部24は日本最大のインターネット道場です。会員数は実質で20万人です。24時間、いつでも、誰でも無料で対局出来ます。日本将棋連盟の最大の財産といっても良いくらいのものです。その中に「近代将棋道場」があったのです。これは月刊誌近代将棋の販売、宣伝の効果を見越してのものでした。しかし近将は現在休刊中です。
復刻する日を楽しみに継続していました。ただし金はかかるんですね。設置回線料月額98,553円。これは実費ですから日本将棋連盟が現金で支払う。もっとも振込みですけどね。あとは棋譜使用料、広告費等々がありますが、これは権利としての金額であって、実費ではありません。
というわけで、インターネット内の近代将棋道場を全面的に支援して参りました。
残念ながら諸般の事情で休刊でなく廃刊ということになりそうです。問題が生じました。
「このまま続けるのか」「経費分は経営者(理事会)に責任があるか」
そこで8月いっぱいで閉鎖になりました。経費の累計は計算方法によって2,723,954円から1,700万円の範囲です。
普及目的のためであったから許される、というのが私個人の甘えではあります。満額入金されれば良いのですが、万一金が入らなくても多くのファンに楽しんでいただけたらそれで良しとなりますように。
週刊将棋とタイアップして新しいものを立ち上げる計画中です。ご意見、ご要望などメールでお寄せ下さい。
女流王将戦は「まじめな私」をどうぞ。
(2009/9/5)
全力疾走直前
文化芸術振興基本法は平成13年に施行されました。その中の第12条に将棋は伝統文化の仲間であると明記されている。このさり氣ない、何でもないようなことが大きなことになったのです。この法律は党派に関係なく成立しましたので、次の選挙で民主党が天下を獲っても自公が守りきっても政治とは関係なく、将棋は文化の一翼を担うものとの認識は不動です。
今回の8月30日の選挙で各党のマニフェストを読む限りでは、将棋に対する理解度は全党同じくらいですね。しいて言えば日本共産党が一番理解があります。なにしろ機関紙赤旗で新人王戦を主催していますからね。だから「しい」委員長なのでしょうか。
今度の選挙はずい分と思わぬ結果になるだろうと予想する人が多いです。しかし新しく国会議員になると思われる先生の中には将棋界への理解は今以上の人が多い。このことは会長である私には一番嬉しいことです。
8月30日が過ぎ、9月1日になりましたら社団法人日本将棋連盟は大綱を発表します。プロ向け、アマチュア向け、そして女流棋士向けの3通りになるでしょう。
これからは正々堂々と全てをオープンにして、プロもアマも女流も一丸となっての将棋界になることでしょう。
苦労も多いですが、多くの賛同者が得られるかどうかは、会長の私が中心になって立案する設計図によります。将棋界の実力そのものが試されるものと身を引き締めて事に臨んでいます。
(2009/8/29)
強くなったなぁ!!
夏は小中高の全国大会決勝がいくつもあります。私は先々週は天童にて中学選抜、先週は小中学校団体戦へと顔を出しました。
天童の中学選抜は三笠宮寛仁親王殿下が育て上げられた大会です。女子の方も彬子女王杯が創立されて10年になります。
その女子の方ですけどね。これが皆強いんですね。昨年優勝した仙台の成田嬢も負けてしまい、大阪の西山朋佳さんが優勝しました。ベスト8くらいからは実力も紙一重です。男子に交ってもヒケは取らないくらいです。着実に実力アップして層も厚くなってきました。
8月13日は小中学校の団体戦。1校3人のチーム戦です。団体戦はまだなじみが少なく周知していませんが、年を追う毎に参加校が増えてきました。
これを全国の全ての学校への参加を完成図に描いてスタートしています。20年経てば半分は達成出来るかも。
小学校も中学校も優勝校には文部科学大臣杯が出ます。この大会を創立したことが、私の会長としてのささやかな功績かもしれません。
いずれにしても小学校も中学校も相当に強い。この団体戦には女子も参加していて、ベスト4のチームの中にも居ました。その将棋の強いこと。最近はプロでも中学生や高校生がひとかたまりで強い集団を形成しています。
プロもアマも女流も、十代の若者が新しい将棋界を築いてくれることでしょう。楽しみな将棋界です。
囲碁は「まじめな私」をどうぞ。
(2009/8/23)
新婚
今週は幸せな結婚式と、明るい小野君の話です。将棋界は幸せいっぱいです。
8月8日、職員の山田穣太郎君の結婚式がありました。新婦は小学校の先生で正子さん。アットホームな結婚式。職場の仲間と友人、ご家族の集まりです。
教会で式があり、私も参列しました。今週の表紙の写真が新郎新婦と私。将棋界からは約20名。皆明るく笑顔が絶えないのです。
職場が明るくなったのか、結婚式だからなのかは分かりませんが、余りにも雰囲氣が良いのには驚きました。
新婦は先生です。先生については「まじめな私」をお読み下さい。
お二人の幸多かれと祈る。
(2009/8/16)
小野修一君 先週佐世保へ行った折、小野君のお墓が大分市にあることを知りました。豊川孝弘七段が教えてくれたのです。8月7日にお墓参りに行く予定とか。おじさんの電話番号とお墓の住所を教えてもらいました。
どこの駅が一番近いのか。佐世保からはどう行くのか。降りた駅からはどうするのか。こんな時は才媛を秘書代わりにするのが一番です。笠井女流アマ名人は現役の東大生で超人氣者。彼女にインターネットで調べてもらうのです。
私は南大分駅まで行き、そこからタクシーで丸山墓地へ。広いんですね。お墓がいっぱいある。しかも小野という名字が多い。市の墓地で、管理人のみ居るだけで住職のような方が居ない。熱中症になりそうな暑さでした。
困っていると、そこへタクシーが一台。大分市内に住んでいるおばさん(父の妹)が来てくれたのです。有難い。地獄に仏じゃなかった、お墓におばさん。
広くて立派なお墓でした。長男なのですね。水もなく花もない。手を合わせてご冥福を祈る以外になにもない。3日後にトヨピーこと豊川七段が、博多のおじさんと来ることをおばさんは知っていました。
大分市の将棋ファンとも協議して「小野修一記念大会」を毎年行うようになればと願いつつその地を離れました。
小野君が笑って凄く喜んでくれたような氣がしました。
(2009/8/9)
女流王将戦
女流王将戦は30年の歴史ある伝統のタイトルです。清水市代が保持者で8期目。林葉直子の10連覇などという記録も残されています。
おかげさまで第31期の継続が決まりました。30期は日刊スポーツ紙に掲載されていました。それまでスポーツ紙をはじめ活字媒体だったものを今期から電波の媒体にしたのが画期的です。
月刊将棋マガジンに掲載され、永原友市氏のご協賛がスタートです、それ以後は幾多の変遷を経て今日に至る。
今回は協賛の霧島酒造社のご理解が無ければ実現出来なかったことです。将棋ファンの皆様。どうか焼酎は霧島をお飲み下さい。
将棋に理解あるスポンサーは本当に有難い。厚くお礼申し上げます。
この棋戦は日本将棋連盟とサテライトカルチャージャパン社の共催、二者契約です。
テレビになってからの初年度はタイトル保持者と成績上位者によるトーナメントです。他に推薦枠一名があり、女流アマ名人が入りました。アマチュアに負けたらアカンよ。
先ずは8名のトーナメント。優勝者が挑戦者です。大和証券杯と似ています。一方はCATV、一方はインターネットです。
女流棋戦は五つありますが、二者契約のものと三者契約のものとがある。一応賞金総額1000万円以上が公式戦でしょうか。スポンサーになっていただくのは大変です。
厳しいご時世ですが、女流棋戦は大和証券杯の創立、女流王将戦の継続と二棋戦が行われることは本当に嬉しい。会長の功績があるとすればこれですね。
囲碁将棋チャンネルに加入してますか?まだの方は今すぐお申込み下さい。棋戦の詳細は下記。
http://www.shogi.or.jp/topics/news/2009/07/post_216.html
(2009/8/1)
永世竜王への軌跡
良い本です。渡辺明が挑戦者羽生名人を退けて初の永世竜王に就いた自戦記。
全てが自分の言葉で語っているのが好印象です。3連敗後の4連勝。これは永世竜王への奇跡ですね。
合計41局が収められています。将棋のこと以外のことが正直に書いてある。カメラマンが早く部屋から出ていけばいいのに、チェッ。こんなことまでが書いてあるのですね。
日本将棋連盟発行。毎日コミュニケーションズ販売です。1800円+税。317ページの永久保存版です。
律儀な渡辺竜王から本をもらった。手紙が入っていて「米長先生の名前を使わせていただきました」とあって、247ページをどうぞとある。パリ対局の話が載っていて、数人で凱旋門を駆け上がったいきさつがある。ここは是非立ち読みして下さい。そうか。歌をうたいながら階段を昇るのは止めた方が良いのか。
上級者でも初心者でも面白く読める本ですね。
(2009/7/26)
名人就位式 昨年に引き続き賑やかなパーティでした。
毎日、朝日両新聞社の社長がご挨拶。続いては日本将棋連盟会長の私。
「共催していただいて2年、2回目の就位式です。両新聞社には大変感謝しております。有難うございました。
名人戦と日本将棋連盟は両新聞社と共に歩いてきた70余年でした。昭和10年、関根金次郎十三世名人が勇退されて実力制名人戦がスタート。毎日主催です。
しかしその時、将棋界は分裂したのです。毎日は名人戦を続行し、独立派は阪田三吉八段と合流して東西の朝日新聞社を拠点として棋戦を催行致しました。
考えてみますと70余年、両新聞社を巡って名人戦は、なんといいますか、私は語彙が乏しいもので・・・」
場内から笑いが起こりました。
「その両新聞社が手を携えて共催する。このような形になりましたことは、亡くなられた先輩棋士達はビックリされたことでしょう」
「全てを原点に戻す。私共は普及協力金を頂いておりますが、殆どは学校や親子将棋教室への指導に費やしております。学校は東京だけでも延べ950校です。謝金は全て1万円です。羽生名人が行っても新四段が行っても女流棋士が行っても1万円です。おかげさまでチビッコファンが増えてきました。
今こそ活字文化と教育を合体させ、NIE運動を推し進めるべきです。云々」
NIE(Newspaper in Education)こそが新聞界の唯一の未来志向型経営であろう等、両社長に対して「釈迦に説法」。
塩谷文科大臣もご挨拶されましたので「選挙が心配とは存じますが有難いことです」と余計な一言。
小中学生の将棋熱は盛んです。徐々にではありますが、全国の各種大会出場者も昨年比約10%アップです。まだまだ普及は緒についたばかりですが、地道に頑張っておりますので皆様方のご協力、ご理解をお願い申し上げます。
小中学校の3人1チームの団体戦は以下の通りです。まだ始まったばかりですが、小中ともに文部科学大臣杯が出ます。このことは大きなことなのですね。私に功績があるとすれば、この大会を作ったことくらいでしょうか。
小中学生団体戦
今年度の参加総数 (小学生)1696名 (中学生)1565名
昨年度の参加総数 (小学生)1527名 (中学生)1466名
尚、トップページの写真は羽生応援ページの茶々丸さんからのものです。
http://www.habu-muso.com/
(2009/7/19)
教育庁の将棋
親子ふれあい教室の国家予算は5億円です。それを主として6業種で分ける。将棋の他には囲碁、お茶、お花、装道、香道です。どんなことをするかをそれぞれ工夫をこらしています。
東京都教育委員会では10年前に既にこれを実施しているのです。この種のものとしては最も大規模です。普通は小さな教室でプロも一人か二人というイベントが多いです。東京都の場合は1年に2回あります。7月18日に前期が行われました。場所は都庁です。
○先ずは応募数
312組が応募。年々増えてきています。
○年令
年を追うごとに年令が下がってきています。8才、9才、7才、6才、10才、5才の順です。
これは都内全域で小学生の間で将棋が支持されつつあるなによりの証しです。
○女子
昨年20%でしたが、今年は11.2%です。
かつては将棋は男の子だけと言っても良いくらいでしたが、今は15%くらいが女子なのです。
○主催が東京都教育委員会(教育庁)
後援名義ではありません。主催です。
○指導棋士
今年は久保棋王、藤井九段を筆頭に、老いも若きも混じって10名。
女流は東大卒の渡辺弥生。私は挨拶と監督でしょうか。そして超初心者の指導には小田切秀人先生。
○なにより特徴のあるのは300名以上の親子が集まっているのに誰一人として帰らない。開会式と閉会式の人数が同じであることです。
優勝者もいなければ最下位もいない。一生懸命子ども同士が戦い、プロに教わり、努力賞も、おみやげの使用した盤駒も全て抽選なのです。いくら負けても最後まで楽しみがあります。
将棋を全く知らない子どもも楽しめることが急所かもしれません。
(2009/7/11)
超党派
総会が終ってからは普及部はフル回転でした。国が伝統文化へ力を注いできました。予算は二通りあって、文化庁からのものと、県知事のものとがあります。
文化庁関連は支部や普及指導員主導です。知事の方は当方はお願いするだけはしてみました。こちらは職員にアイデアを出してもらいました。僅か2日間で66のアイデアが出た。私も出しました。
シャッター通りで百面指し。整理して15のモデル事業を文化庁経由で各知事に連絡してあります。これから先は知事部局の文化部長クラスの人が将棋と縁があるかどうかが大きいです。
というわけで、これからは政治力が物を言うことになるのかもしれません。幸い政党の中で最も将棋に理解あるのが日本共産党。ここは機関紙赤旗で新人王戦をずっと主催していただいている。今度の予算は自民、公明の先生方のご尽力が大きいです。私は現在では民主に一番知己が多いです。超党派の国会議員連盟を作らねばならない。これが私の最大の務めかも。しかし数ヶ月は動きません。国政選挙が近いからです。
平成13年に成立した「文化芸術振興基本法」の第12条に将棋が入っている。この一文がこれからの将棋界を左右することになろうとは思ってもいませんでした。社団法人日本将棋連盟は、棋士も職員も大勢が固まりつつ、方向を同じくして進めることになりました。めでたし、めでたし。
といってもこれからが大変ですけどね。皆さん、応援や協力を宜しく。
(2009/7/19)
週刊現代
マイナビ女子オープンは矢内女王が守るか。それとも挑戦者の岩根忍が勝つか。五番勝負は岩根が内容の良い将棋を2局落として、第三局は7月15日です。
週刊現代の名棋士今昔物語で、7月13日発売号で、私が岩根忍を取り上げました。
出産というおめでたに対する8週間延期の決定のいきさつや、何故岩根忍は第二局に限って和服だったのか。果たして第三局はどうするのか。こんな、男では分からないことを書きました。
毎週棋士には直接インタビューしています。今回も彼女にインタビューして、今まで一番うれしかった一局を問うたところ、奨励会の頃に佐藤天彦君を負かして一級に昇級した一局というのですな。
しかしその将棋は頭の中ではおぼろげに覚えているだけだという。私は必ず正確な局面を掲載しますので、これでは困る。佐藤天彦君に聞いたところ、さすがです。彼はその棋譜も全て記録していた。
私の知る限りでは、奨励会時代の自分の棋譜を全て記録してある者は必ずトッププロになります。彼もその仲間入りすることでしょう。幻の棋譜は解説つきで私の手元にあります。感心するなぁ。
大逆転劇は来週お買い求めてお読み下さい。
(2009/7/5)
普及活動
日本将棋連盟が責任も持って行う普及活動は全国的、年代、男女、アマプロ、所属を問わずです。
日本中で親子ふれあいをベースとしたものを実施します。子どもだけでも良いし、将棋のルールを知らないお母さんも一緒になって楽しむサークル活動。
各県に必ず一ヶ所以上で全国200ヵ所が目標です。実施は今年度は9月1日から来年3月31日まで、4月以降に積み残しがあるかどうか。
プロ棋士は男女合わせて延べ700名くらいになるでしょう。アマチュアの方々にも声を掛けてありますので、これからは会場の手配等大忙しでしょう。若干の補助金が出ますが、従来の姿勢とは大きく違っています。それはアマチュア主導型の普及に切り換えたことにあります。当日使用した盤駒は参加者に全てお持ち帰りして頂く。イベントの企画立案も普及指導員や県連合会主導です。
本部はプロの手配のみ。全ての金はアマチュアに負担をかけない方針です。金は今回のイベントで実質的に日本将棋連盟は約3000万円の持ち出しでしょう。一応は予算は7470万円ですが、「一億円分実施するのだ」と米長会長。
ようやく公益法人を目指す第一歩が歩めそうです。女流棋士は所属先、あるいはフリーに関係なく協力してもらう。その謝金も一律です。
どうか原点に立ち返っての全員参加型の普及活動の協力を宜しく。
(2009/6/27)
渉成園
名人戦第六局が行われた東本願寺の渉成園は素晴らしい庭園でした。千年以上昔の貴族の屋敷跡らしいです。
第一局は全理事が出席しましたが、私は第六局への出張を所望した。というのはこの庭を見たかったからです。
対局室の下検分をして私はビックリ。襖があって「日渉而成趣」と達筆で書かれていたからです。これは陶淵明の帰去来の辞の一節です。
帰りなんいざ田園まさに荒れなんとす。なんぞ帰らざる。
この有名な章から始まります。実は頼山陽が命名したとかですが定かではありません。
実はこの襖に書かれた五文字が渉成園のいわれになったのは知っていました。私の好きな作家(渡辺淳一先生クラス)の小説に出てくるんですね。この庭を和服を着た美人と歩いてとあった。それで行ってみたかったのです。同じ和服でも羽生と郷田ですから、歩いても色っぽさはありません。
前夜祭での模様は私の6月15日の日記をお読み下さい。
米長会長挨拶
私は渉成園という名前に惹かれていました。陶淵明の詩から取ったものですが、私は「毎日、朝日と交渉して共催が成る」と五文字を解釈しております。云々。
両新聞社の共催でここまで名人戦が盛り上がったことは、多くのファンと両新聞社のおかげです。重ね重ねお礼申し上げます。
第七局は結着がつくので、打ち上げの乾杯が急所の締めくくりになります。理事が将棋界を代表して締めくくります。米長が開会の辞を述べ、最終局は上野理事。第七局名人戦もすぐですね。
(2009/6/21)
将棋の進化
どうも近頃の将棋は分からないことが多いです。
振飛車側から角交換を望むとは何事か。多くの将棋ファンは四間飛車を好みます。当然角道を止めて美濃囲いを目指す。最近は一手損してまでも振飛車のほうから角交換をしたりします。
一手損と言えば腰掛銀の後手の対策のひとつです。後手のうえに△8八角成として一手損をする。初心者用の本には、並べたままの角を交換する時は一手損することになるから注意しましょうと書いてある。私の著書にもそう書いてありますが、嘘書いて印税もらっていたのかなぁ。
今期の名人戦。第五局が終ったところですが、私の感覚では分からないことが多い。アマチュア初段が指しているように見えますが、それでいて「さすが」と唸る手が飛び出すからプロは恐ろしい。
天野宗歩の実戦集を並べてみました。有名な遠見の角を打った将棋は御城将棋の中でも名局中の名局です。駒落ちは現代と殆ど変らない定跡です。本当にプロは強くなっているのかなぁ、と思うときがあります。
阪田三吉端歩を突いた。後手番で△9四歩ですから相当な損の筈ですが、最近になってこの手がプロの間で流行し出したのです。こうなると序盤戦術そのものが進歩したのかどうか疑問に思えてくる。
矢倉は純文学と言った棋士も居ました。今では死語というか、まったく別次元の話のようです。将棋は難しいものですね。
しかし現代ほどアマチュアの指す将棋とプロが指す戦型がかけ離れた時代はないでしょう。
(2009/6/13)
普及方針
組織として普及活動をする。今までの個々の点から面へ、更には立体的な普及を考えています。
私案では「将棋夢プラン2009」となります。プロ棋士は勿論、全てのアマチュア、女流棋士にも声をかけて協力を要請する。
今回の計画では、アマチュアでお手伝いした人にもいくらか予算をつけることです。ボランティアに徹したい人も居るでしょうが、出来るだけアマ、支部、普及指導員の持ち出しを少なくする。というよりも運営の仕方ではいくらかは残るという案を考えています。
これは先ずは普及部員10名強の重なる会議、それぞれ各人のプランを総合して作成。原案が出来上がったら全国に配布です。あと10日もすれば公表出来るかと思います。私は指揮者ではありますが、とにかく職員の総合力、そしてアマチュアの賛同、プロ棋士の協力というのが必要です。
この事業は「生活文化支援事業」の一環として行われます。日本将棋連盟が公益社団法人を目指すことに賛成の人なら、プロアマ問わず、男女問わず、年令も問わずです。誰にでも一人でも多くの人々の協力が必要です。宜しくお願いします。
あなたも普及指導員の資格を取りませんか?普及活動をされている方は、俗な言い方をすれば、資格を取ると「得」です。
(2009/6/6)
棋士総会
5月26日は棋士総会。午後1時から始まりました。プロ棋士が150名以上集まるのは壮観です。企業の総会と同じく、決算や予算の承認等の議案があります。
今年からは従来のやり方を改めて、旧理事会への質問が終了してから投開票する。そして新しい理事会とこれからのことを議論するというやり方に改めました。
社団法人日本将棋連盟は、昨年度は2500万円の黒字でした。世間さまが苦しんでいる時に申し訳ない。しかし、イベントや普及活動で3000万円余計使いましたので、結局540万円の赤字となりました。
収入の落ち込みをカバーするため、支出を見直すことがどれだけ大事かを痛感しました。しかし、それでいて棋士全体の収入は若干増えたはずです。
殆どの棋士は納得し、2時30分には投票開始となりました。史上最短のスピードです。普及に力を注ぎ、収支バランスが良く、支部会員や子どもファンが増えているから了承されたのでしょう。
新しい理事8名の互選で私が会長に選出された。午後4時からは「これからの将棋界」について活発な議論。谷川浩司、羽生善治も発言する。泉正樹先生がインフルエンザ対策の質問をして終了。5時30分に散会です。
総会の一大テーマ「公益法人」は2年前の担当中川理事から今回も新人の上野理事が担当。若い支援者と一緒になって将棋界を盛り立てて欲しいものです。
皆さま方の将棋界へのご理解、くれぐれも宜しくお願い申し上げます。
(2009/5/29)
女流棋士会35周年
凄いパーティでした。東京會舘が人、人、人で埋まった。500人以上の人が集まりました。
5時から7時が第一部。第二部はパーティです。こんなに盛り上がったパーティは余り経験がありません。パーティの終了時には私もお客さんをお見送りしましたが、大半のファンが残っていました。
第一部は全女流棋士一人一人の紹介がありました。和服の美女が多く、華やか、艶やかです。
来賓代表は平沢勝栄先生。
「女流棋士は顔も良く、頭も良い。この二つが揃っていることが条件のようですね。国会議員将棋連盟など愛好者クラブを結成して、女流棋界の発展のために尽力したい」
羽生名人が35分講演。感心したのは女性の将棋について調べてきたことです。へぇー。名人戦の最中なのに余裕があるね。
私の挨拶は15分でした。次のように話しました。
米長会長挨拶主旨
今日は女流棋士会創立35周年ですが、同時に棋士会発足の年でもあります。
棋士会は谷川浩司会長の他に副会長が4名。清水市代、矢内理絵子が入っている。
対局は男性プロ、女性プロと別々です。しかし普及や伝統文化のための活動には男も女もない。アマもプロもない。日本将棋連盟は男子と女子と対等で普及活動を進めて参ります。その総予算は3億円を超えるものです。
日本中、いや海外へも男子も女子も、アマチュアと手を携えて普及に務めます。これからも女流棋士は勿論、将棋界へのご支援を宜しく。
(2009/5/24)
喜
瀬川晶司四段がC2へ昇級。これは皆さんニュースでご存知でしょう。23勝12敗。勝率65%以上で対局数が30局以上というのは大変なんですね。
思い出せば2005年にプロ編入試験をやりましたが、あれが米長会長の初仕事だったのかも。
「良かったね。それで発表はどうするの?」
「はっ?」
「フリークラス脱出したら結婚するんじゃなかったのかい」
「こ、困ります。勝手にそんな事を言われては。相手も居ませんし発表なんてそんな」
「そうかい。それじゃ結婚話はホームページには書かないから」
「そうして下さい。お願いします」
「その代わり頼みがあるんだけど」
「はい、なんでしょう」
「今度の理事選挙だけど、一番信頼出来る人へ投票して欲しいんだ。頼んだよ」
久保利明棋王の就位式があります。5月20日の夕方です。
当日は出身の加古川市から市長が出席。市民栄誉賞の贈呈があるそうで、第一号とか。来賓にな、な、なんと渡海前文科大臣もお見えになることになりました。教育委員の私とは塩谷立先生も河村元文相も顔なじみでもあります。
つづきは「まじめな話」をどうぞ。
(2009/5/17)
情報
日本将棋連盟理事会から中井広恵LPSA代表理事に差し出した公開質問状についての答えは簡単です。
動かぬ証拠を提出、あるいはオープンにして正当化されればそれだけの話です。その時は非が理事会にありますから責任は取ります。
噂話や酒の席の話とは次元が違う話です。
さ、さ、動かぬ証拠、文書、証人などを、どうぞお示し下さい。
実は私はデジタル方面が弱いんです。強力な助っ人やチームの協力なしには私は全く何も分かりません。ネット事業を始めようという会長がこの程度なんで申し訳ない。
ただ、私のところには良く情報が入ってきます。自動的にといえるくらい入ってくるんですね。
「会長、会長はマメに書き込みなどしているという記述がありました。
でも、調べたところ会長ではなかったことが判明したという記述もありました」
「当り前ではないか。俺、知らないもの」
「正会員のひとりが“マメだ”と書いたものですが、すぐに削除してあります」
「良心的だね」
「削除しても、全て記録している人って居ますけどねぇ」
「どうして同じ仲間なのに、もう一方のなんとかじいさんなる人物は次々にデタラメ書くの?」
「引っ込みがつかないのかもしれませんし、確証を出す用意があるんでしょう」
「ああそうか。後者で俺が謝ることになりたいもんだよ。
それよりも、俺をほめちぎった意見というのは無いのかね」
「はい。支持者は無言です」
どうしても私には分かりません。匿名なのに誰だか分かることがです。それに消し去った後でも全てが残っているということも分からない。週に1、2回チームから報告がありますが私には理解出来ないことが多いです。
それにしても平氣で嘘を書く人も居て、世の中は広いです。理事8名が団結して事に当たっているのも心強いし、職員も危機感の共有が出来てきました。
http://www.shogi.or.jp/topics/news/200905/post_183.html
(2009/5/11)
まぐろ大会
4月28日の私の日記を再掲します。
昨日はいろんなことがあった日でした。
三崎マグロ大会については、近々全容が明らかになることと思います。最終報告によれば、当事者の話をねじまげて吹聴した者が問題とのこと。それに基づいて、その情報を正しいと信じて日本将棋連盟やその支部、あるいは会長の私への非難をされた方々とは早急に話し合いをしたい考えです。
神奈川県連合会と連盟職員には瑕疵はありません。
弁護士の先生も、将棋の駒を愛しているビルのオーナーにも、その点を原点まで検証していただき「悪いのはこれだったのか」という結論を出していただきたく存じます。共通認識が出来れば幸いです。
私は会長職にあり、支部連合会や職員がしたことについての最終責任者でもあります。報告書が出て受け取った以上は「知らなかった」では済まされません。
この件につきましては神奈川県支部連合会や職員とも直接、複数同士で会い確認しました。
○連合会、職員の仕事には瑕疵がない。
○現時点では大人の対応をしておく。
○そのうえで誤解、誹謗中傷、業務妨害に当たることをしている人に対してはどうすべきかを検討。
○早急に話し合いが必要です。オープンの席で全てを明らかにすることが大切かもしれません。
事実を曲げて吹聴した人と、それを広めることに努力した人がいるようです。
(2009/4/30)
隠れファン
奈良へ行った折、西大寺近くの喫茶店と食事をした店をご紹介します。
近鉄の西大寺駅が最寄駅ですが、とても歩いては行けないところです。どちらも秋篠の森の中にあります。
先ずは喫茶店から。
DAY BY DAY
パスタや健康ご飯セットもありますが、コーヒーがおいしい。秋篠の森というのは小高い丘のような森のことですが別世界です。喫茶店とレストランは全く別の店ですが、歩いて2、3分の位置にあります。どちらも「こんな所にお店が」という感じの一見民家風です。
DAY BY DAYは店のご主人と奥さんが大の将棋ファン。喫茶店には離れがあって、そこは将棋と囲碁の自由対局場になっていたのです。感激した。私もそんな喫茶店があるとは驚きましたが、ご夫妻もプロ棋士が入って来たので驚いたようだ。
食事の方はノワ・ラスール。こちらはホテルになっています。食事が大和野菜のフルコースで、店の名前も「なず菜」といいます。
下記のURLをご覧下さい。
なず菜
http://kuruminoki.co.jp/makishino.html
DAY BY DAY TEL:0742-49-5903
(2009/4/26)
将棋倶楽部24
将棋倶楽部24でインターネット対局をお楽しみの方は多いことと思います。これは日本将棋連盟の直営電子道場です。席主の久米宏さんは4月に新設した電子メディア部の特別顧問に就任していただきました。30万人近くの人が会員登録しています。
4月24日は将棋倶楽部24はお休みです。朝から夕方までの予定。サーバーが落ちたりしないようにするために工事中になります。その金額は100万円や200万円ではありません。全額日本将棋連盟の出費です。
私も久米宏さんも電子メディアのスタッフも、将棋倶楽部24は無料が原則と思っております。
私はタイトル戦の棋譜と将棋倶楽部24は無料。付加価値をつけたものは、そのうえで有料という考え方です。先週も書きましたが、この姿勢はどうなんでしょうか。やっぱり有料を支持する人の方が多いんでしょうかね。
将棋倶楽部24に課金しますと会員数は10分の1から15分の1に減ることが予想されます。事業としては黒字ということで成立するでしょうが、私はもっと大きなものを失うように信じているのです。
儲けようとして足を引っ張られるのは仕方ありませんが、無料ですので皆さん私めへのエールを宜しく。
社団法人日本将棋連盟はインターネットを通じて一人でも多くのファンに将棋を楽しんでもらうようにします。タイトル戦も全棋戦が棋譜だけは無料になればと努力しますが難しそうです。
将棋倶楽部24は誰が何と言っても無料です!
これが公益社団法人を目指す姿勢です。
(2009/4/19)
LADIES HOLLY CUP
始まったんですね。女流棋士による自主運営棋戦です。16名が2組に分かれてのリーグ戦ですから各自が7局ずつ指します。
第一局は4月7日に東京・新宿将棋センターで行なわれました。安食聡子VS渡辺弥生。平日の午後2時からでしたが、既に100人を超す人が集まっている。30人ばかり多く来場とのことです。
囲碁将棋チャンネルも来ていて、これは4月14日夜8時に放映。それ以降も再放送があるようです。
○実戦によって実力向上に資する
○ファンとの交流を図る
このふたつの目的のための棋戦。当日はインターネット中継もありました。女流棋士たちの自前のものですから満足して頂けたかどうか分かりませんが、どうか次回以降はアクセスして、ご意見や励ましの言葉をお願いします。
大盤解説は屋敷伸之先生。来場のお客さん達は大喜びで「女流棋士をこんなに近く見たのは初めて」とか「もっと多くこのような企画を続けて」等の声を多く聴いています。
今後は、今年度だけでも新宿将棋センターでは合計10回対局が予定されています。
全ては女流棋士達が決めてゆく。手合い日、場所、打ち合わせ等です。平均すれば20代前半の年令の女流達が一生懸命です。どうか応援してやって下さい。又、何かをお手伝いしても良いという方はお申し出下さい。ボランティアです。
道場の他に教室などで模範対局鑑賞という手もあります。全ては日本将棋連盟の経費で、1円もかかりませんのでお申し出下さい。地方出張も考えているようです。
詳しくは下記をどうぞ。
http://lppg.shogi.or.jp/kisen-info/holly/01.html
(2009/4/12)
名人戦とネット中継は有料か無料か いよいよ名人戦が始まります。
近頃はどの棋戦もネット中継を行っていますが、名人戦のみ有料です。
このネット中継について、毎日新聞社と日本将棋連盟との話し合いの結果をご報告します。
社団法人日本将棋連盟の代表は私、他には青野理事と職員が同席。
こちらの主張は相変わらずです。七番勝負の棋譜と簡単な解説付きは全て無料。ネット中継は原則無料です。そのうえで更に詳しい解説をつけたり、動画あるいは音声、写真等々を付けた時。それ等も無料にするか有料にするかは経費分をどうするかによります。
ファンが納得する数字であれば、有料であっても七番勝負が少なくとも棋譜だけは無料ならば、多くのファンも賛同していただけると考えております。
全てを無料にして、竜王戦が達成した7600万ページビューを追い越してみたいものです。竜王戦は読売新聞社と日本将棋連盟の共同作業によるものです。
毎日新聞社からは常田照雄事業・広報取締役と部長が同席。今まで通り毎日新聞社がネット中継をする。勿論有料である。このことは契約書に書いてあるとのことでした。
毎日新聞社の法務の解釈であり、この交渉については朝日新聞社の一任も取り付けていると主張。
このような時の米長流は、全面降伏。話し合っても仕方が無い。法律上の解釈は反論しませんでした。私共は、名人戦共催は二紙が竜王戦に負けない発行部数で対抗し、多くのファンに楽しんでもらうためのものと信じておりました。
今年もネット中継は有料です。改めて申し上げるまでもなく、このネット中継は日本将棋連盟は全く関係ありません。あくまでも新聞社の事業です。
全てに亘って要望、苦情、ご意見は毎日新聞社の常田取締役が責任者ですので、そちらへどうぞ。
ファンの中には会長の私にまで苦情を言う人がいますが困ります。全て毎日新聞社にしてちょ。
私の(日本将棋連盟の)ネットに対する考え方は正しいのでしょうか。毎日新聞社の常田様の方が正しいんでしょうね。契約文の解釈が勝つか、それともファンの要望が勝つか。法律が勝つか、伝統文化の普及が勝つか。
ともあれ名人戦は両新聞社の共催です。是非ご購読をお願いします。
(2009/4/4)
ネット中継
新年度はどんな年になるのでしょうか。
ネット事業の立ち上げが大きな話題になりましょう。日本将棋連盟独自のネット事業があります。マイナビ杯女子オープン。矢内女王に岩根忍二段が挑戦する。矢内は美人で少女の頃からニンフと言われています。岩根は妊婦で8ヶ月とか。五番勝負第一局は倉敷市の芸文館で公開対局です。無料ですので是非おいで下さい。ネット中継を将棋連盟が請け負ったのです。
将棋連盟は近々棋戦のネット中継をしたいと願っています。その場合は有料ですが、あくまで実費です。タイトル戦そのものは全て無料でオープンが基本。一人でも多くのファンに観てもらいたいからです。
第一局は私が行き、清水市代も行く。二人ともネット中継スタッフとして出張です。現地の大盤解説には神吉宏充、立会いは73才で有名になった有吉道夫九段。
ネット中継は当然スタッフとしてソフト面とハード面の両方の技術者が行きます。ネット事業はプロ棋士の協力なしには出来ません。最も大事なことは、対局者が主役で、ネットの書き込みや解説はあくまで「分」があるということです。
ともあれ4月17日の第一局は日本将棋連盟自前の中継。全て無料ですからお手並みを見て下さい。それとも現地へ行く?
(2009/3/28)
順位戦のネット中継
タイトル戦やトーナメントは殆どがインターネット中継をしています。名人戦・順位戦のみが有料で他は全て無料です。
今回は有料サイトのお話です。
名人戦と順位戦は毎日、朝日両新聞社の共催です。3億数千万円の契約。普及協力金や設営費等は他に取り決めがあります。
唯一例外はインターネット中継です。これは朝日新聞社と毎日新聞社とが共同で運営している営利事業です。社団法人日本将棋連盟は全く関係ありません。ただし善意、好意による協力はしております。将棋連盟が実際にお手伝いしているサイトはソフト面からもハード面からもどこにも負けないつもりの陣容です。
ところで近頃、順位戦のネット中継を巡ってトラブルが生じているようですが、当方は全く関係ございません。サーバーがどうなったとか、中継スタッフが誰であるのか、サービスの質がどうなったのか。全ては両新聞社の担当者の責任に於いて行い処理される問題です。
日本将棋連盟はあくまで善意による協力のみです。対局者やプロ棋士のコメント、解説、とっておきの話等々あくまで当方の関係者が無料で協力しているに過ぎません。控室から机、光熱費に至るまで殆どは私共の無償の協力です。これからはどうなるかは不明。
近頃はこれを勘違いして日本将棋連盟がネット中継を運営したり、金儲けしたりしていると思い込んでいる人が居ますが困ります。全ての責任や権限は両新聞社の担当者にあります。
今後、私共が両新聞社とともに三者による運営にタッチ出来るかどうかは高度な経営判断になります。そうなる時が来ることを強く願っております。
有料としても、私共は全棋戦とも五番勝負や七番勝負は無料でオープンと考えております。一人でも多くのファンにアクセスしてもらうことが一番と考えています。
尚、文中私共とあるのは日本将棋連盟のことで、近々発表の詳細文はきちんと明記します。
新しい棋士会は「まじめな私」をどうぞ。
(2009/3/21)
女流新棋戦
女流棋士達による自主運営棋戦がスタートします。これは新人研修や実力底上げのためのものです。非公式戦。近頃はアマチュア女流名人や中学生の女の子に平手でプロが負けてもニュースにもならないご時世です。
女流棋士の実力向上には、平素の研究会の他には対局が一番です。もうひとつ大事なことは、ファンに接することと、サービス、ほほえみです。それを同時に解決することを女流棋士達が考えたのです。自らが運営に参画することも大切なこと。
3月13日の記者会で谷川治恵女流棋士会長から発表がありました。
棋戦名:WEST HOLLY CUP
参加:新人から順番に16名(休場者、タイトル保持者は除く)
対局方式:8名ずつのリーグ戦。一人7局ずつです。対局料なども女流棋士が決めた。
決勝:上海にてリーグ1位同士が対局。賞品、賞金の他に上海での普及も。
第一局:記念すべき第一局は東京の新宿将棋センターにて4月7日(火)午後2時から。
終了後はファンへの指導対局等もあります。
以上が概略で、来週には詳細が発表されるようです。対局を観てもらい、自らは研修に打ち込み、局後はファンと交流。
皆さん、4月7日は新宿センターへお出掛け下さい。当日の料金は席料のみです。勿論私も行くつもりです。
「会長、こう決まりました」
「それで良い。来週の理事会へ決定稿を出してくれ」
「はい。それから4月7日の対局者ですが、人氣のある組み合わせにしたいのですが・・・」
「私が名前を出してはまずいではないか。どんな組み合わせでも私が胸がキュンとなるんだよ。当日は面白いイベントも考えようではないか」
皆さん、女流棋士をよろしく。
(2009/3/14)
女流棋士
女流棋士達が元氣です。そんな氣がします。
3月5日の女流名人位戦の控室には女流がいっぱいいました。LPSAの人もいた。
そこで谷川治恵女流棋士会長から中井広恵代表理事に文書を手渡しました。女流は女流同士でやってちょ。
3月3日のA級順位戦の日に、錦織淳弁護士名で緊急声明が出されました。「これは中井さんも承知のことでしょうか」。文書で回答をとなっているようなので、3月9日頃に持参されるかもしれません。
錦織弁護士の文面は、日本将棋連盟にとっても朝日、毎日両新聞社にとっても穏やかでいられないものです。法律には弱いのでね。こんな時は専門家に聞くのが一番。宗像紀夫先生。それに親しい平沢勝栄先生。
理事全員と職員も「安心して下さい」にホッ。これからの作戦も教わってきました。愉快愉快。
■自主運営棋戦
女流の研修のための棋戦が誕生します。若手の女流達が全部手作りで決めた。ここに実は大きな意義があるのです。大筋でいろいろ決まったようですが、自力で頑張ったことが偉い。
「WEST HOLLY CUP」が正式名です。対局数を多くするためにリーグ戦です。決勝戦は上海で行う。賞金と観光です。私も勿論相談されましたが、「本当に金が出るんですか」という念押ししただけ。ハイ、出します。といっても私個人の金でも日本将棋連盟の金でもない。女流のお金つまりはファンのご好意です。感謝あるのみです。
女流棋士のホームページも美人揃いで楽しいものになっています。ご覧下さい
http://lppg.shogi.or.jp/
(2009/3/7)
女流棋士
日本将棋連盟所属の女流棋士は40名です。正直言って、内緒ですがね。私は全員の顔と名前が一致していないんです。
「あの女流とこの女流を良く間違えるんだけど」
アホちゃうかと言う人も居れば、私もですと言う人も居る。そこで私は考えついたのです。私は会長だということをうっかりしていた。女流棋士にそれぞれの活躍の場を設けると同時に彼女等と話し合い、コーヒー、食事を共にする。役得、役得。
あっという間に、その若さがはち切れた感があります。凄い力ですねぇ。いろいろなアイディアが湧き出てきます。
ところで皆さん。女流棋士達をサポートして頂けませんでしょうか。会長の私がお願いするのも氣が引けますが、彼女達を支えて欲しいのです。
どうするの?
サポート会員を募集して、その会員になって頂く。年会費は千円から一千万円まで。
ハイ。私も会員の一人になります。いろいろ考えた末、私は年3万円でどないです?あなたもどうでっしゃろ。
(2009/2/28)
mtmtなる人物
今週もちっとも面白くない話です。来週から全く別の話を書いていきたいと思います。読み終わったら「まじめな私」で歌を歌ってくだされ。
一介のネット中継者に過ぎない(失礼)松本博文氏(通称mtmt)に対して団体の長である私が目くじらを立てるのもおかしいと思われるかもしれません。これからの将棋界、ネットの在り方、倫理について極めて大事ですので今回きちんと書いておきます。
おかげさまで日本将棋連盟は理事8名が結集しただけでなく、職員との距離も縮まり、新しいネット社会に即応出来そうになってきました。
時系列に書きとどめます。2月5日に私が日記にストーカー云々と書きました。これが誤解のもと。mtmt氏は、それは自分を指すものと思い込み、自らがそれに該当するかのように自分自身のブログで書く。女性の名前が出てきますので、これはハタ迷惑でしょうから、「削除しておわびを」と私がコメント。
削除はしたようです。ストーカーは別の人の話だったのですけどね。
削除の変わりに昨年か一昨年かの酒の席での話を脚色して記載。このようなことをするのは友人を増やすのか減らすのか、好かれるのかどうか。私の頭ではわからない。
決定的なのは契約社員だった頃のことを脚色して書いたことです。業務上知り得たこと、あるいは職場のことを悪意をもって書いてはならない。この禁を犯したのです。おまけに将棋連盟は小学生並みの経営とか。このような人物に対してどう対応すべきか。
会長の私は心のひろーい人間ですから、このままでも構いません。しかし他の理事も職員も燃えてしまったようです。
竜王戦や棋王戦第一局に見られるように、日本将棋連盟のインターネット中継の実力は群を抜いています。しかし現状よりも飛躍した形態も考えております。これからはプロ棋士、パソコン操作する者を育成して、チーム力を更に高めて参ります。
多くの職員からも提言があり、スタッフの中にプロ棋士参加が必須ですかね。ネット中継は倫理が必要と痛感しました。
以上、本日は会長の責任に於いて、きちんと書き留めました。
(2009/2/21)
インターネットとブログ
タイトル戦のネット中継と個人のブログについて書きます。前半が公。後半は個人的なものです。長文ですが終いまでお読み下さい。
■日本将棋連盟の実力
昨年の竜王戦は全七局でアクセス数が7600万ページビューでした。これは最多記録でしょう。読売新聞社が主導ではありますが、日本将棋連盟もネット中継は自前で全て参加致しました。
第一局はパリ。職員の技術者が同行しましたが、これはハードの面とソフトの面の両方が大丈夫に出来る人物でないと一人では務まりません。
パソコン入力は女流棋士。それに梅田望夫先生とその助手が居て、全員でチームワークも良く無事に終了しました。
解説は佐藤康光他私も含めてプロ棋士が随時協力しました。もっとも私のは解説というよりは面白おかしく表現したもので、却ってじゃまだったかもしれません。
今期の棋王戦は佐藤康光VS久保利明。その一局目は日本将棋連盟が全て責任をもって中継致しました。
当日は300名を」超す人が大盤解説を聞き、50名が生の対局観戦。ライブも熱氣があり、ネット中継も多くの人々に楽しんでもらえたと確信しております。
これからはネットのスタッフの他にネット専門解説棋士を謝金つきで派遣してチームで中継を目指しております。2月9日、10日と将棋会館内にて連日会議と方針決定。いくつものチームを作り上げます。勿論組み合わせがありますが、一年中365日ネット中継がありましても、日本将棋連盟はどこにも、誰にも負けないことが出来る態勢です。
各社にもこのことを強くPRしてゆくことも大切なことと思います。これからも宜しく。又、協力してくれるスタッフも募集しますのでお申し出下さい。
■個人のブログ
2月13日が締切りでした。先週の続きを記載します。mtmtなる人物のブログに関する私の見解と今後について述べます。
事の起こりは2月5日の私の日記らしいです。前日に理事とストーカーの怒鳴り合いがあったとある。その日は確か4組くらいの話し合いをしていたと思います。しかし私は理事の名前も、ストーカーの名前も記載してはいません。
正直言って、将棋界の女性との個人的おつき合いを吹聴したりブログで書いたりしている男が居て、相談されていることは事実です。しかしその人物が誰であるかは書くことはしません。
mtmt氏は自らが過敏に反応されたのです。しかも理事とのやりとりを記載している。これはストーカーなどとは全く無縁なのに心外であるからか、あるいは思い当たるので過剰反応されたのか。私には分かりません。
相談されたのですから、ストーカーの氏名は判明しております。「それは自分のこと」と思われるのは自由ですが、私は「誰である」と書いてもいないしヒントも与えてはおりません。
mtmt氏は女流棋士3名の名前をあげ、以前に私と酒を飲んだ時のことを書いておられます。人間性を疑うというよりもいけないことです。今のうちにこの部分だけは削除して、当事者の女流棋士にはお詫びしをして下さい。
更には弁護士の名前も登場しました。楽しく酒を飲んでの会話を自分の都合よく表現してネット上で記載というのはいかがなものでしょうか。「女流はロクでもない者ばかり」という部所は削除しなさい。だいいち、それでいて胸がキュンとなる女流棋士が何人か居るということと整合性がないではないか。
胸にしまっておくこと、書いてはならないこと、他の人を不幸にさせたり迷惑をかけないという心掛けでよろしく。
許せないのは日本将棋連盟の運営が子供じみたものと断定したこと。会長の私は小学生とあり、いやそれ以下とある。理事会は全会一致でこの記載には対処します。
開かれた理事会を標榜しており、毎月1回棋士会を開き、別には各種委員会を開いて提言、苦言、要望を話し合っております。理事はプロ棋士の投票で選ばれており、全てがオープンです。mtmt氏の書いたことは全職員への侮蔑でもあり、投票したプロ棋士への挑戦でもある。
新聞棋戦は私が署名捺印して契約します。棋戦の契約相手は理事会をmtmt氏と同じように見ているのか、これから然るべき方法でお尋ねして参ります。
組織は会長をトップにして動きますから、これは個人ではなく職員も含めた社団法人への挑戦です。今のうちに削除して下さい。そこでご挨拶をして下さい。
私個人に対するものは甘受致します。私は裸の王様であり、晩節を汚さないように心掛けます。
棋戦のインターネット中継は新聞社の速報版でもあります。それは新聞記事であることを忘れてはなりません。対局の棋譜という真実に基づいての速報である。ネット中継に携る者は、新聞記者としての仕事ぶりが求められることは絶対です。これは日本将棋連盟のスタッフ一同にも共通認識として肝に銘じて仕事にとりかかるようにしております。
ネット中継は新聞記事と同様に、信頼出来る人が携わるべきです。創作したり、公平さを欠いたりすることは新聞社が困らないのかどうか。各社の責任者におたずねして参りたい。勿論担当者同席です。
その時の話し合いの中味は全文ネットへ載せるべきなのでしょうか。それとも書いてはいけないんでしょうか。私は小学生並みですのでね。
(2009/2/14)
ネットは冷静に
女流棋士達、特に若い人が明るく、積極的で楽しそうです。みんなで力を合わせて仕事を外部から取ってくる。あるいは西村専務の女流担当理事の地道な努力が報われてきたのでしょう。新人の渡辺弥生さんも嬉しそうです。
こうなると面白くない人が出てくるんですね。堂々と悪口を言った(書いた)のには驚きました。
今回は私が自身のホームページで書くにとどめておきますが、本人の反省とそれなりのご挨拶をしてちょ。
突然に私が登場してきました。どうしてそうなったのか理解に苦しむ。しかも作り話を実話のようにして巧妙です。ネット社会は恐い。
私が女流棋士はロクでもないと言ったとありますが、嘘です。このような表現をすればどうなる立場かわきまえている人間が、そんなことを言うわけがありません。いかにもありそうなこと風に書いてある。しかも女流の名前を出して、あたかも個人的に興味があるように悪意を持って書いている。
私は女性が好きですが、相手の女流3人のためにも削除しておいてちょ。「ウソを書いている訳ではない」とありますが、大丈夫ですか。
将棋連盟は小学生並みの運営とある。やっぱりこれは問題ではないですかなぁ。西村専務とのやりとりも面白いです。
今のうちに全文削除して「このような失礼なこと、ウソや、自分に都合の良い文章に作って公表する等々は今後致しません」と申し出て下さい。
2月13日までですぞ。本人には連絡しておきます。尚、私はホームページ上には会食した人の名前など、相手に迷惑がかからないように配慮しているつもりですが、あからさまに悪口はいかがなものか。
(2009/2/8)
高校の将棋
1月29日に「全国高等学校文化連盟将棋専門部会」の会合に出席しました。
岐阜で行われました。30、31日の両日に新人戦があるのです。生徒の参加は男子が47都道府県の代表96名。女子は39都道府県で125名。女子が増えてきていることと、男女の実力は年々上昇してきています。
私は大会初日の朝の挨拶をしましたが、それよりも大事なのは前日の会合です。高校の教師の集まりで、県の指導者でもある。日本将棋連盟からは会長のみ出席。これだけの会であれば随行員が居た方が良かったかも。
3年前の香川県以来の会長出席。皆さん建設的な意見、要望も寄せられました。全てを宿題として持ち帰って検討します。
各県の代表校の多くは、やはりその県を代表する高校が多いです。
私の3年前の宿題は、47都道府県のうち鹿児島県だけ不参加。これの加盟に助力して欲しいというものでした。ハイ。今年は加盟して新人を送り込んできましたです。ラ・サールと県立鶴丸の二校です。やっぱりというべきでしょうか。
都内でも私立の中学校や高校のリーグ戦がありますが、上位校は全て進学実績がある学校ばかりです。「将棋をすれば集中力と思考力が増すので成績が上がる」これを大いにPRすべきですね。
一番の悩みは30代、40代の将棋好きの教師が少ないことです。今さえ乗り切れば小学校の将棋熱が盛んですので、近い将来の展望は明るい。将棋好きの教師をみんなで捜そうではありませんか。
大会の指導、審判は杉本、北浜。それに里見香奈に室田伊緒。テレビまで来ていたのには驚きました。
大会初日には岐阜県の教育長・松川禮子様がお見えになられました。女性の県教育長は全国初でしょう。表紙の写真がその人です。これからもよろしく。
(2009/1/31)
最近の将棋
近頃のプロの将棋は私らのような者には全く分かりません。そんな中で今日は腰掛銀についての考察を書いてみましょう。
角換り腰掛銀は戦後流行った戦法です。木村義雄、升田幸三、塚田正夫などが名人戦を舞台に戦った。木村定跡なるものが決定版となって「先手有利」なので後手を持つ人が居なくなった。その後にその対策が出て「千日手が結論」となって、先手をもつ人が少なくなった。
以上の経緯を経て、プロの将棋界からは姿を消してしまいました。
平成になる直前あたりから「先手が飛車先の歩をひとつだけ伸ばしておく」という新手法が登場しました。これは画期的な開発で、「先手有利」が確定され、また下火になりました。
ところが近頃は再び復活して後手の勝率が高いのです。
振り返ってみると、先手有利→千日手→先手有利→後手充分指せる、という流れです。
A図は今期王将戦の第一局の封じ手からの局面。
A図は先手が仕掛けた局面です。
B図はその後20手ほど進んだ局面です。
AとBを良く見比べてみてください。次のことが分かります。
○先手は手持ちの角を馬として打ち込んでいる。
○先手は一方的に形を崩されている。守りの銀は好位置から9筋に追いやられています。△7七歩と急所に打たれて▲7九金と引かされている。玉は6八まで追い出されている。
○後手は手順に△8六歩と△8五桂と兵を進めている。
どう考えてもA図に比べてB図は先手が割りを食ったとしか表現出来ません。
A図では10年前には先手は飛車を一番深く引いていました。なにより違うのは▲7四歩△同金を保留していました。
B図になったのも後手の金が攻め駒になっているからですね。
うーん。B図から先手有利にしようとするのは難しいと思うのですが、全く近頃の将棋は分からない。
(2009/1/25)
王将戦第一局
将棋界のタイトル戦は王将戦から始まります。例年成人式のあとです。それから女流名人位戦になり棋王戦と三棋戦が同時進行になるのですね。
第一局は会長として出張が多いです。王将戦第一局は徳島鳴門市の大塚国際美術館で行われました。
羽生VS深浦。立会人は正が有吉、副が阿部隆。1月16日(土)が第一局の前夜祭ですので、私も出張しました。
対局場の美術館へ行ってビックリ。世界を代表する名画の陶板が本物以上の美しさで、そのまま再現されていました。しかも原寸大です。
昨年秋の竜王戦第一局はパリでした。ルーブル美術館やベルサイユ宮殿で実物を観てきましたが、そのままのものが何点もありました。これは千年経っても変色しないという。
一番広い部屋は「最後の審判」の部屋です。部屋というよりはホールですね。その絵画に見守られて対局用のセットが作られている。史上初の大広間対決ですな。終戦直後の皇居内の木村義雄対塚田正夫の時と同じくらいの広さでしょうか。
キリストに裁かれる。天国に昇る人々と地獄へ落ちる人々とが描かれています。七番勝負の第一局ですから「最初の審判」ですかね。
この美術館を創設したのは大塚製薬の二代目・大塚正士様。10年前で400億円とか。
「この美術館を東京に建てれば儲かるだろう。大阪に立てればトントンだろう。徳島なら赤字だ。わしはそれは承知だが、生まれ故郷のために徳島に建てる」
良い言葉です。
王将戦第一局は公開対局です。名画に負けない将棋を指してもらいたい。引き続き「まじめな私」をどうぞお読み下さい。(2009/1/18)
改革その一
世の中は百年に一度の不況とか。あっちこっちで合併話が進んでいます。将棋界のみは反対に一旗あげましょうという人達がいて勇ましいです。頑張ってちょ。
日本将棋連盟は改革を急ピッチで進める必要があります。落ち着け、落ち着け。会長は大変だなぁ。
伝統文化の将棋はサービス業の極みとも言えます。プロの集団が主である社団法人から発する情報量は全く変わっておりません。むしろサービス向上している。であれば受け取るべき収入も減ずることはないのです。得るべきものが手に入っていないだけの話です。さてどうするか。
詰将棋ですな。思わぬ妙手というものは、飛車の只捨て。連続捨て駒が多いようです。大事だと信じているものを捨てる勇氣です。
将棋連盟の収入はメディアに偏っています。それをさらに詳細に見てみると、
@新聞とNHKには一方的に金を頂いている関係である
Aネットは全く自由で、しかも無料という状況である
Bスカパー、ケーブルテレビは対等である
以上3項目をどう考えるかです。
世の中の動きは3項目を全て見直せという天の声でしょうか。
名人戦共催では大変ご心配をおかけしましたが、私自身もずい分損な役割でした。
再びあれに匹敵するような決断、波乱をしてまでも改革をせねばならぬのでしょうか。それとも何もしないで「名会長」で居続ける方が楽でしょうか。
信ずる処に従う。これからは次から次へと着手してゆきます。私がこのホームページで発信するまでもなく、驚くような提案が知れ渡ることでしょう。
しかし、どれもが3項目の見直しであると氣づけば、5年後の勝利が見えてくる筈です。
(2009/1/10)
今年の目標
昨年の十大ニュースを念頭に、今年は新たな目標を掲げて実現に向け邁進いたします。
ご協力、ご支援を宜しく。
1.公益法人認可の素案作成
5月26日の棋士総会までに素案を提出予定です。
内閣府がそれをOKするかどうかは分かりませんが、棋士総会がこの世の中で最高決議機関ですから、ここで可決してもらうことが絶対です。
2.大不況との対局
100年に一度の大不況。このままでは日本将棋連盟が消滅しかねません。
企業ですと嫌いな者同士でも合併して生き残りを図ります。
労働争議の末に要求が通らないので飛び出して2団体に分かれたケースもある。みなさんお幸せにね。
この2項が全てです。
プロ棋士の機構、制度を抜本的に変えるべきかどうかを全棋士が各種委員会を立ち上げて検討します。
プロ棋士、女流棋士のみでやるべきことはやります。
3.チビッ子ファン倍増計画
これはプロもアマも関係なく、全員一丸となって取り組んで欲しいことです。
アマチュアの有志を中心に子ども教室を開いたり、大会へ引率したりとされている方々が多い。ただただ頭が下がる思いです。
そのような方々への本部からの応援はどうあるべきか。将棋コーチ制度などを導入しての更なる運動を展開してゆきたいと願っています。
アマチュアの方々はボランティアが殆どですが、このままで良いものかどうか。
これも真剣な議論と大胆な方針決定が必要でしょう。
4.あと3年間くらいが大変厳しい。危機感の共有こそが全てです。皆さん宜しく。
(2008/12/30)