暴力団員へ維持員席と呼ばれるたまり席を流したとして木瀬部屋が閉鎖されたことを受け、力士たちを受け入れた北の湖部屋が3日、東京・江東区の北の湖部屋でけいこを再開。力士46人が、しこやすり足などで汗を流した。
大所帯となり、あふれた力士は玄関前でしこを踏むなど、熱気に包まれた。だが、北の湖部屋は19人から一気に倍増以上となり、すべてが倍増。ちゃんこ作りもおおわらわだ。これまで1日8升だった米は約20升に。おかずももちろん2倍。ウインナソーセージは1食100本から200本に、目玉焼きも1食50個から100個に増えたという。ちゃんこ卓も2卓から3卓となり、1卓は大部屋まではみ出した。
ふろも全員が入り終わるまでの時間が2倍になって計2時間。特に困りそうなのがトイレだ。力士たちが使えるのは3つ。この日も早朝から争奪戦が始まった。「早くトイレに行きたかったら、早起きするしかない」と北の湖親方(元横綱北の湖)。これらも修業のひとつだ。
北の湖部屋の部屋つきとなった木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は、ときおり指導の声をかけながら上がり座敷でけいこを見守った。「(部屋消滅で)ポコッと穴があいてる」と心境を打ち明けた。その一方で、処分から1週間でけいこを再開できたことは「こうやってけいこができてホッとしてます。北の湖部屋の力士に迷惑かけないようにしたい」と表情を引き締めていた。 (岸本隆)
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