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新井の“敵”はアニキ?重圧に勝つ!

 空路帰阪する新井=仙台空港(撮影・飯室逸平)
 空路帰阪する新井=仙台空港(撮影・飯室逸平)

 阪神・新井貴浩内野手(33)が3日、チームとともに遠征先の仙台から帰阪。4日からのオリックス戦(甲子園)で5試合ぶりに4番復帰することになった。1番マートン、3番鳥谷に戻したオーダーで、前回連敗したオリックス戦連勝を狙うが、やはりキーマンは4番新井。実の敵はアニキの口!?打てなければ激しくなる金本の“口撃”に打ち勝ち、オリックスにも勝つ!!

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 最大の「敵」は味方ベンチにあり!?チームが仙台から帰阪したこの日、新井は目の奥で笑いをこらえながら、自身浮上の条件を明かした。

 「僕は『こう撃』に耐えて、結果を出すしかありません。『こう撃』のこうは口ですよ、口」。

 前回敵地で連敗を喫した岡田オリックスをきょう甲子園に迎える。セの本拠地ではDH制が採用されないため、最近4試合にDHで4番復帰していた金本が再びベンチスタート。新井が4番に戻り、関西対決連勝へのキーマンとなる。

 金本の連続試合フルイニング出場が途切れた4月18日の横浜戦から5月27日の西武戦まで4番を任された新井は29試合で打率・243と低迷。好調の金本にその座を返上する形で5番に戻った。

 参謀役の木戸ヘッドコーチは「4番?新井が打つよ。あいつが打てば勝つんやから。もっとドッシリ構えてもらわな」と真剣な物言いで、再び主砲を任せる男に猛ゲキを飛ばした。その上で同ヘッドは新井の“敵”の存在も明かし、冗談を交えながら「克服」を厳命した。「カネにイジられて、ボロボロになってるようではあかんやろ。シャンとせな。カネ見てみ。打線に入っただけで全然ちがう。新井がそういう存在にならないと」。

 新井の言う“口撃”の主は金本。広島時代からの兄貴分は確かに新井に手厳しい。思っていることを口に出さずネチネチ愚痴るタイプではない。新井が打てない、守れないとなれば直接“口撃”が飛んでくる。札幌遠征前には「新井さん、いい体格してるね〜。本当に打てそうな体してるよ。今回は必ずやってくれるよ。ね!新井さん」と波に乗り切れない打棒をチクリ。ボーンヘッドなど犯せば“口撃”の矛先が鋭くなることは間違いない。ときにグラウンド外にも及ぶ「金本の目」は新井の言動の隅々まで行き届く。金本の野球観に敬意を抱く新井も、知らぬ間にバッグやシューズに落書きをする子供っぽいイタズラには「どこまで僕のことが好きなんですかね」と苦笑する。

 「オリックスには前回連敗してるんで、今回はしっかり勝ちたい」。成績の下降を金本のイジリのせいにできるはずもない。新井が結果を出す条件は、金本の“口撃”に耐えること…かもしれない。

(2010年6月3日)







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