「マツダオールスターゲーム2010」のファン投票第1回中間発表が3日行われ、広島のエース・前田健太投手(22)が、セ・リーグ先発投手でダントツ1位の3万252票を集めた。投手全体でも日本ハム・ダルビッシュをしのぎ、阪神・藤川球に次ぐ得票数で2位。今季8勝、防御率1・52、78奪三振の“リーグ3冠王”が、名実共に球界の顔になった。
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北の大地で好投も、惜しくも9勝目を逃した前田健に、吉報が待っていた。空路帰広する前の千歳空港で、球宴ファン投票中間発表で3万252もの得票数があったことを聞かされた。「そこまで入っているのはうれしい。(ファン選出で)選ばれたら光栄ですね」と、満面の笑みを見せた。
セの先発部門ではダントツの1位。投手全体でも、パ先発部門の日本ハム・ダルビッシュを超え、阪神・藤川球に次ぐ2位。名実ともに、居並ぶ球界のスターの一員となった。22歳で球宴ファン選出となれば、赤ヘルでは投手・野手含め最年少の偉業となる。
「カープファンじゃない人も投票してくれているかもしれない。他球団に認められる選手じゃないといけないし、見てくれている人は見てくれているんですね」
今季は最多タイの8勝をはじめ、防御率、奪三振リーグトップの3冠。チームが5位と低迷する中での獅子奮迅の活躍が、多くの得票につながったことを実感した。
球宴は小さなころから、テレビで楽しみにしたあこがれの舞台。「新庄さんのホームスチールとか、金バットとか、面白いというのがあります」。先発への希望も口にし「シーズンとは違った投球をしてみたい」と、直球勝負で狙って三振を奪うことにも意欲満々だ。
現在はパが圧倒する交流戦。選ばれたなら「下に見られると悔しいので、頑張らないと」と、セの意地、鯉の意地をみせつけるつもりだ。
自身8回の球宴出場経験のある野村監督も、若きエースが中間とはいえ、1位に立ったことを喜んだ。「駆け引きないし、三振を取りに行く投球もできるしね。いい経験になる。(スターの中に入っても)マエケンなら大丈夫」‐。
球宴ファン選出の最終発表は6月28日。「それまでは何とかいい成績残さないと」と、夢舞台への思いは強い。次戦は9日のロッテ戦(千葉)。自己最多の9勝を挙げ、ファンへの御礼といきたい。