短気な「イラ菅」最近は多くを語らず「ダマ菅」に

　民主党は４日の両院議員総会で菅直人副総理兼財務相（６３）を新代表に選出。菅氏はこの後の衆参両院本会議で、退陣した鳩山由紀夫首相（６３、党代表）の後継の第９４代首相に選出された。

　「オレは天下を取る」。初当選した１９８０年、当時３３歳の菅氏は周囲に豪語していた。４度目の挑戦でようやく議員バッジを手にした無名の新人の言葉を真に受ける者はいなかったが、野望は３０年後に現実のものになる。

　青年市民運動家だった若い頃は目立つために白いスーツを着たり、よく女子高生に選挙ポスターを盗まれてしまうほどのイケメンとして知られた。当時を知る人によると「化粧品のＣＭキャラクターみたいだった」。今ではさすがにシワも増えてきたが、１０年ほど前までは地元・吉祥寺の買い物オバちゃんたちから「キャー」と黄色い声を浴びていた。

　知名度が全国区になったのは９６年の薬害エイズ問題。厚相として国の責任を初めて認めた。「長い間、皆さんに悔しい思いを負わせた」と被害者の子供の遺影に向かって泣きながら土下座。国民の心をつかんで「総理にしたい政治家」ナンバーワンの座に躍り出たが、９８年の女性スキャンダルでクリーンなイメージは失墜した。

　官僚をどなり散らしたり記者の質問にキレるなど短気な性格で、異名は「イラ菅」。政権交代後はダンマリを決め込んでいたため「ダマ菅」とも呼ばれる。趣味はスキューバダイビングで、夜中にはインターネットで囲碁にいそしむ。カラオケの持ち歌は「ギザギザハートの子守唄」「ひょっこりひょうたん島」「柳ケ瀬ブルース」、テレサ・テンなど幅広い。

（2010年6月5日06時03分  スポーツ報知）

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