北の湖部屋、土俵いっぱい！転籍力士合流し４２人でけいこ

北の湖部屋の朝げいこは、土俵に力士があふれ返った

　マンモス部屋が始動した。木瀬部屋の力士らが転籍した東京・江東区の北の湖部屋で３日、初のけいこが行われた。２７人の旧木瀬部屋の力士が合流し、けいこ場は４２人もの力士ですし詰め状態。けいこ場からあふれた若い力士が玄関でしこを踏めば、朝のちゃんこで炊く米もこれまでの４升から８升へ大幅増量。けいこもちゃんこも角界一の大所帯となった部屋らしい船出となった。

　あふれる熱気…というよりもどこか息苦しささえ感じる。けいこ場いっぱいに４２人もの力士が一斉にしこを踏む。土俵の俵すら見えないすし詰め状態で新生・北の湖部屋が始動した。

　午前８時からグルジアに帰国中の十両・臥牙丸ら５人を除く全４２人の力士がけいこ場に下りてきた。けいこ初日のためしこ、すり足など基本動作だけの始動だったが、いきなり最初のしこで問題が発生。けいこ場だけでは全力士を収容できず、あふれた３人が土俵につながる玄関でしこを踏むことになったのだ。

　腕立て伏せも一度に全員ができず、半分ずつに分かれて行った。山響親方（元幕内・巌雄）は「これから若い力士は道路でしこを踏むことになる。近隣の住民の方にも断らないといけない」と苦笑い。圧巻はちゃんこだ。朝に炊く米の量はこれまでの４升から８升へ増量。５升炊きの炊飯器１回で済んでいたものが、これからは２回に。１升は１・５キロで朝だけで１２キロ、１か月に換算すると３７２キロも炊く計算だ。農水省の統計によると、こしひかりなど昨年の主要１０銘柄の１０キロの平均価格は４２３２円。朝の米代だけで１か月約１６万円の出費となる。加えてちゃんこも「全員で１日１００杯以上は食べるはず」と山響親方。マンモス部屋ならではのすさまじい現実が初日から発覚した。

　新天地でけいこを見守った木瀬親方は「力士がけいこできてホッとしている。みんな目がイキイキしていた」と言葉を弾ませた。受け入れた北の湖親方は「慣れない点もあるから、じっくりやっていけばいい」と寛大な姿勢を見せた。けいこ後は、全員でアンコウ鍋のちゃんこを囲んで和気あいあい。部屋頭の北太樹は「みんなで仲良く切磋琢磨（せっさたくま）していきたい」とけいこもちゃんこもてんこ盛り状態を大歓迎していた。