出版不況が叫ばれるなか、アニソン雑誌続々発刊ORICON BiZ6月 4日(金) 17時10分配信 / エンターテインメント - エンタメ総合
キャラクター名義初のシングル1位を獲得した放課後ティータイム「GO!GO!MANIAC」 音楽専門情報誌『WHAT's IN?』でお馴染みのソニーマガジンズは、『けいおん!!』を表紙にした『リスアニ!』を刊行。『アニソンマガジン』のスタッフも多く関わり、ボリューム感のあるインタビューページと、読み応えのある評論、考察ページで話題を集めている。また、新人発掘プロジェクトとしてアリス☆クララというアマチュアの中学生ユニットをフィーチャー。そのオリジナル楽曲のCDを付録にするなど、雑誌メディアから発展的にアーティストを育成するような展開も試みている。 また、ヴィジュアル系アーティストを多く取り扱う音楽誌として、確固たる地位を確立している『FOOL'S MATE』は、アニメソング版として『アニソンMATE』を発刊。既存の声優誌では見られない新しい切り口のグラビアページや、読み込みたくなるような魅力的な考察ページがアニソン・ユーザーにウケている。 アイドル・グラビアを中心としたテレビ情報誌『B.L.T.』を発行している東京ニュース通信社は、今年1月より声優のグラビアにフォーカスした『VOICE GIRLS』を刊行している。『B.L.T.』で培ったグラビアページの凝った構成と、既存の声優誌との差別化を図った読み応えのあるインタビューで、一気に業界内での知名度を上げた。 ■各メディアの特性を活かした新たな切り口がヒットのカギ これらの新雑誌の発刊ラッシュは、出版不況が叫ばれ、雑誌の休刊や廃刊が相次ぐ昨今では、珍しく活況であると言えるだろう。音楽市場のなかで堅調なセールスを続けながら、徐々にシェアを広げつつあるアニソン、声優アーティスト関連作品の好調に雑誌メディアが応えた形だが、ヒットを生むアニメ作品、声優アーティストが限られる業界ゆえに、誌面作りの差別化が難しいジャンルでもある。各社、ユーザーの嗜好性やトレンドにアンテナを張りながら、独自のカラーを打ち出していかなければ生き残りは難しいだろう。 雑誌以外のメディアでは、NHKのアニメソング、声優アーティストに対する取り組みが、ユーザーからの評価が高い。NHK-FMで5月5日に放送された『今日は一日“帰ってきたアニソン三昧”』がTwitterのハッシュタグ「#anisonzanmai」の利用率が世界一になったことからも、アニメソング・ユーザーのネット・リテラシーの高さが窺える。 それらを踏まえたうえで、さらにアニメソング、声優アーティスト系にフォーカスしたメディアが求められている現状は、ネット上の情報では満足できない、コアな情報を尊ぶマニアックなユーザー心理を反映しているのかもしれない。果たして新刊した雑誌のうち、何誌が生き残ることができるのか。競争はしれつさを増している。 【関連記事】 ・増える「アニメでまちおこし」、ブーム継続のために必要なものとは?(10年4月30日) ・ランキングを賑わせるキャラソンCD、なぜ人気?(10年4月23日) ・アニソン好調のウラにクリエイターあり!(10年4月23日) ・『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』主題歌ヒットで“オリジナル”アニメが熱い!(10年2月15日) ・歌手・水期奈々が真骨頂を披露(10年2月9日)
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