平野博文官房長官は3日の記者会見で、鳩山内閣が内閣官房報償費(機密費)を何に使ったのかの記録を、後継内閣には引き継がない考えを明らかにした。鳩山由紀夫首相は透明性を高めるなど機密費のあり方を見直す考えを示していたが、平野氏の方針に従えば、鳩山内閣時代の記録は公開されないことになる。
平野氏は2010年度予算からの支出となる4月以降の支出の記録を引き継ぐかどうかについて、「まだ考えていない。4月から1年かけて(検証作業に取り組むはずだった)という思いは引き継ぐ」と記者会見で語った。また、「どう使うかは次の官房長官が判断すること。こうしなさいと言うべきではない」とも述べた。
鳩山首相は「できるだけ透明性を持つ政治をつくることが大事。その中に機密費もある」として、機密費の支出先や時期、金額の記録を官房長官に義務づけ、一定の期間がたった後に公開する制度づくりを検討してきた。4月から1年かけ、支出の必要性などを検証する方針だった。平野氏は会見では、支出を記録しているかどうかについても明らかにしなかった。