普天間問題で、鳩山政権が醜態をさらしている。さらに問題なのは、その大きなデタラメの中で、その他の大きなデタラメが見えなくなっていることだ。
普天間問題で大揺れの5月28日、与党は重要法案と位置づけていた郵政改革法案について、衆議院総務委員会は1日審議しただけで委員会採決を強行した。審議時間は6時間。小泉政権の時、郵政民営化法の衆議院での審議に109時間、大臣答弁850回とは比べようもない。
その背景は単純だ。23日、小沢一郎幹事長が全国郵便局長会(全特)総会に出席し郵政改革法案について「今国会での成立をこの場で約束する」といったからである。それを受けて、衆議院総務委員会は与野党で修正協議中だった放送法の審議を打ち切り、強行採決した。そして郵政も一日で強行採決だった。鳩山政権による国会の強行採決は10回目だ。
郵政改革法案では、強行採決の中、政府による疑惑発言もあった。柿澤未途衆院議員(みんなの党)からの質問に答えて、大塚耕平内閣副大臣から小泉政権時代の骨格経営試算は「政府のクレジットがない。名なしのペーパーパーだ」と発言したのである。
この骨格経営試算というのは、小泉政権での郵政民営化のロジックを数値化したもので、3月15日付けの本コラムで言及したものだ(「郵政改悪法案」で国民負担は1兆円増える)。
28日、強行採決の後にあったテレビ朝日の番組「朝まで生テレビ」に、私は大塚副大臣といっしょに出演した。そこで、私は、大塚副大臣の国会発言について「骨格経営試算は私が書いたので覚えているが、政府のクレジットがないというのは事実ではない」と発言した。大塚副大臣は反論したが、事実関係は明らかだ。
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