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【菅首相誕生】鳩山氏とは異質の湿った軽さ パフォーマンスの菅氏 (1/4ページ)
このニュースのトピックス:菅新首相誕生
昭和55年6月、33歳で衆院に初当選した菅直人新首相は胸中に、30年かけて天下を取るという「30年計画」を温めていた。まさに30年後に夢を実現した形だが、前途は多難で待っているのはイバラの道だ。何より、鳩山由紀夫首相が破壊した「首相の言葉への信頼」を取り戻さなければならない。鳩山首相とタイプは異なるものの、どこか似通った「軽さ」の漂う菅氏は、どんな首相となるのだろうか。(阿比留瑠比)
強い上昇志向
鳩山首相の実弟、鳩山邦夫元総務相は2日、都内での講演で平成8年の旧民主党結党時に、菅氏が加わった経緯を振り返った。
「兄と私とで民主党の骨格を作ろうとしていた。後で菅さんが来て『オレが代表をやるのでなければ嫌だ』というので、兄と共同代表になった」
菅氏と親しく接した人物は、その「上昇志向」「権力志向」に強い印象を受ける。実際、これまで8回の党代表選で、「形勢に利がなく動けなかった」(側近議員)という昨年5月を除き、7回出馬している。
今回、鳩山首相が「政治とカネ」の問題で評判の悪かった小沢一郎幹事長を道連れに辞任したことで、有権者の民主党への目線は和らいでいる。とはいえ、参院選の厳しい情勢が劇的に改善されたわけではない。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題は、沖縄県民の理解を得られるあてはなく、依然解決のめどは立っていない。昨年の衆院選のマニフェスト(政権公約)を実行するための財源も確保にはほど遠い。
八方ふさがりにも見える状況で、あえて火中のクリを拾った菅氏に勝算はあったのか。条件は不利でも、首相になるチャンスを逃したくなかったのか。