わいせつ行為で引責「アート引越センター」会長が辞任

　「アート引越センター」を運営するアートコーポレーションは４日、創業者の寺田寿男会長（６４）が、少女へのわいせつ行為容疑で書類送検された責任を取り、同日付で辞任したと発表した。取締役も辞任しており、近く相談役に退く予定。

　寺田会長は妻の千代乃社長（６３）と二人三脚で事業を拡大。業界トップクラスの年商７００億円規模の会社に育て、夫妻の成功物語はテレビドラマのモデルにもなった。

　早期辞任で事態収拾を図った形だが、引っ越し業は消費者の信頼が重要なだけに、事件によるイメージダウンは避けられず、業績への影響も懸念される。

　千代乃社長は同日、「けじめをつけるため辞任して責任を取るという会長本人の意志が強かった。関係者の皆さまにご心配を掛けたことを深くおわびする」とのコメントを発表。社長職は続けるとしている。

　寺田会長は、昨年８月に都内のマンションで当時高２の女子生徒にわいせつな行為をしたとして、東京都青少年健全育成条例違反の疑いで警視庁に書類送検された。

　寺田会長と千代乃社長は７６年、引っ越し事業の「アート引越センター」を創業、７７年に会社を設立した。電話番号の下４けたを「０１２３」に統一して知名度を高め、全国に事業を拡大。２００４年には東京、大阪両証券取引所に上場した。

[ 2010年06月04日 20:47 ]