サブカテゴリー

PR:

菅首相4日誕生へ 苦肉の“脱・小沢”

民主党代表選への立候補を正式表明する菅直人副総理・財務相
民主党代表選への立候補を正式表明する菅直人副総理・財務相
Photo By 共同

 民主党は4日、国会内で党所属の衆・参両院議員総会を開き鳩山由紀夫首相の「後継」を決める党代表選の投開票を行う。閣僚ら有力者の支持を相次いで取り付けた菅直人副総理兼財務相が過半数を獲得し、新代表に選出される見通し。また、立候補を決めた樽床(たるとこ)伸二衆院環境委員長も、党最大の小沢一郎幹事長グループの支援を得る方向で追い上げる。新代表は同日の国会での首相指名選挙で第94代首相に選ばれ、組閣作業を経て新内閣を発足させる。

 本命・菅氏に樽床氏が挑む構図となった「ポスト鳩山」選びの民主党代表選。各グループは菅氏支持の条件として小沢一郎幹事長の影響力排除を要求したのに対し、菅氏は熟慮の末「小沢氏切り」を決断した。

 1日、周辺に小沢氏との関係について「(鳩山由紀夫首相、小沢氏との)“トロイカ体制”は大事だ。これを割るようなことになるなら(代表選に)出ない」と明言していた菅氏。この時点では「菅政権」でも小沢氏との連携を維持していくつもりだった。

 ところが、立候補のあいさつに出向こうと都合を聞いても、小沢氏側からの返答は来ない。菅氏周辺が明かす。「いの一番に小沢氏に会うつもりだったのに…。“反小沢”の前原誠司国土交通相や野田佳彦財務副大臣らに囲い込まれてしまった」。「小沢切り」は反小沢グループを取り込む当初からの戦略ではなく、迷った揚げ句にかじを切ったものだった。

 一方で小沢氏サイドからは「“菅君からあいさつがない”と小沢が怒っている」との情報が漏れてきた。菅氏に近い議員は「幹事長など具体的なポストを提示しなければ協力しないという小沢氏側の情報戦だ」とみる。

 小沢氏があえて会談を避けたのは、“小沢色”を自ら消したのではとの見方も。首相辞任から中1日での代表選。菅氏以外に候補者を立てにくい日程の裏には、05年の党代表選で前原氏に2票差で破れた苦い経験を抱える菅氏への小沢氏の配慮とも考えられる。

 もっとも幹事長辞任に追い込まれた小沢氏側の求心力の低下も否めないのも事実。小沢氏系議員の一部は樽床氏支持に傾いているが、グループ内の中堅・若手は自主投票を決めた。2日夕、民主党本部で三井弁雄国対委員長代理から樽床氏擁立を伝えられた小沢氏は素っ気なく答えた。「樽床ってよく知らないんだよな」

 小沢氏は態度を明確にしていない。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年06月04日 ]

関連ニュース

読み込み中..

PR

関連写真

読み込み中..

ニュース

クイックアクセス
スペシャルコンテンツ

このページの先頭に戻る ▲