北の組織指導部副部長、突然の死のワケは?
ジョンウン氏への後継作業にも深く関与
同年代の幹部が相次ぎ死亡、解任
李副部長は、北朝鮮の国家権力をコントロールする朝鮮労働党組織指導部(部長:金正日〈キム・ジョンイル〉総書記)に37年間勤務し、金総書記の三男ジョンウン氏への後継作業にも深く関与していた人物だ。
党と政府、軍幹部の人事権を掌握し、ジョンウン氏の母親、高英姫(コ・ヨンヒ)氏(2004年死去)が生前、二人の息子(次男の正哲〈ジョンチョル〉氏、ジョンウン氏)を後継者にするため、李副部長の助けを借りたともいわれている。
専門家らは、「ベールに包まれた実力者」とされてきた李副部長の死について疑問視している。03年、対韓工作担当書記だった金容淳(キム・ヨンスン)氏(当時69歳)が、秘密のパーティーに出席した後、泥酔状態で車を運転し、交通事故で死亡したが、これと同じケースである可能性も否定できない。
だが、80歳という高齢の李副部長が、運転手を使わずに、自分で車を運転した可能性は低いとみられる。北朝鮮の劣悪な道路でスピードを出し過ぎて、事故を起こしたとの見方もできるが、それよりも、死亡した時期に疑問を呈する声が上がっている。まず、先月14日、北朝鮮の最高権力機関である国防委員会が、キム・イルチョル委員(元人民武力部長)を、「80歳」という年齢を理由に突然解任したが、李副部長も同じく80歳だった。一方、李副部長とともに、高英姫氏の側近とされていた、組織指導部のリ・ヨンチョル第1副部長も、今年4月に心臓まひで死亡している。
北朝鮮情勢に詳しい消息筋は、「1970年代、金総書記への世襲に反対したキム・チャンボン民族保衛相(国防長官)も交通事故で死亡した。証拠はないものの、李副部長の死も、権力闘争と何らかの関係があるのではないか」との見方を示した。
アン・ヨンヒョン記者
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