俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長
聖桐学園名物といえば「勇者生徒会」「魔王生徒会」。人間と人外が共学のこの学園ならではのシステムだ。まぁ、名前の通り対立している訳で。
伏城野アリス──俺の幼馴染み。完璧超人とはよく言ったもので、容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能な何でも来いなやつだ。おかげで俺はアリスの小判ザメと言われる訳だが……。そんな彼女が生徒会長の勇者になるのはいい。何で俺が魔王になっちまうんだ!?
正体を隠さなくてはならない俺、魔王(俺)を目の敵にするアリス。めちゃくちゃハードな学園生活が待っていて!?
聖桐学園とは──
人間と人外が共学する日本初の試験校。人間と人外の融和を目的としているのだが、ぶっちゃけ無理。ということで、学園内では人間と人外で対立していて人間側の生徒会は『勇者生徒会』、人外側の生徒会は『魔王生徒会』と呼ばれている。二年生時にその二つの生徒会が戦う『生徒会戦』という物が存在し、勝利した側が進級時に三年生の生徒会を組織することになっている。
勇者生徒会と魔王生徒会の面々
伏城野アリス(ふしぎの ありす)
紅太郎の幼馴染みにして勇者。容姿端麗な上に勉学も運動もできる完璧超人。幼い頃、その優れすぎた能力のせいで人間からも人外からも拒絶されていたのがきっかけで、人間と人外の共存する世界を作ろうと意気込んでいる。
その他にぎやかしの人々
前勇者生徒会のメンバーで、アリスのサポート担当。役に立っているのかよくわからず。
兎沢紅太郎(とざわ こうたろう)
何の因果か魔王をやることになったごく普通の量産型男児……と思っているのは本人だけ。将棋を盤と駒なしでできるほど頭がよく回り、騙しあい欺きあいが得意。周囲から無能扱いされているのに妙に人徳がある。
九条院鑑美(くじょういん かがみ)
アリスと双璧とまで謳われる元華族の天才吸血鬼。自分にも他人にも厳しい努力家ではあるが、他人にそれを知られるのをよしとしない。紅太郎の活躍を見て彼を認め始めているのだが、素直になることができずにいる。
紡糸夜依(ぼうし やえ)
紅太郎に助けられたことがきっかけで、魔王生徒会の書記となる少女。いつも気弱そうに、おどおどしている。そのため、狼人間なのに、犬と勘違いされることも。紅太郎をとても信頼している。
雪乃(ゆきの)
魔王生徒会の議長にして、魔王の秘書である万能型人造人間。感情があまりあらわれず無表情。その無表情のまま、紅太郎に辛辣なことをずけずけと言う。そのクールな対応に寒くなることもしばしば。