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コメントに対するお返事です

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こんばんは。初めてコメントさせていただきます。
記事の投稿から2年ほど経った今コメントしても迷惑な話かもしれませんが,現在シナリオライター,作家になりたいと願っているものです。
しかしながら現在通っているのは東京の高等専門学校(高専といわれる学校です)で,機械工学科の3年生です。
今のままではシナリオライターを目指すのは難しいような気がして,今年で高専をやめ,大学受験をしようかとも思っています。
将来書くことで食べていくのがつらい事で,とても難しい事であるのはいろんな人から聞いています。でも,それでも目指したいんです。私は,どうしたらいいのでしょうか。
わがままなコメントをお許しください。
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こんにちは。はじめまして。長井と申します。
コメントありがとうございます。
それのお返事として久しぶりに記事を起こしました。

結論から言います。
やりたければやればいい。
だがそれは、とてもとても苦しいものになる。
精神的にも、経済的にも、社会的にも、です。

今、私の近況を言える範囲で申し上げます。
現在7〜8件をかけもちの状況です。
それは時に執筆であったり、シナリオライターさん達を束ねていたりと様々です。

かなり苦しい状況です。
とにかく時間が足りない。

出来るだけ急いで執筆をしても、文章を届ける人には「つまらない」とこき下ろされる。
時には、いろんなジャンルの原作ものにあたった時、著作権者である作家先生の指摘に対して、どんな意見を持とうとも、私のような立場の人間には抗弁する権限は持っていない。素直に従うしかありません。
時には、焼け野原のような状況になったプロジェクトの増援部隊として後から合流して混迷きわまる現場の中に翻弄されながら執筆しなければならない。
昨今の無料ゲームや携帯電話系のゲームの隆盛に伴い作家として参加するが、相手がゲームの本質的な部分を知らないが故に、進行が大幅に後退するかのような修正指示、それでいて変わらない締め切りに幾晩も徹夜を強いられる。
年々下がる原稿料の相場。
それに対抗しようと原稿料のアップを打診すると切られる私たちフリー。

それでいて、「自分が本当に書きたいもの」を書けるならばまだ救いがあるのですが、そんな経験はおそらく、私のデビュー作「My Merry
May」シリーズしかありません。
なぜならば、シナリオライターの世界観や構想を具現化するのが仕事ではなく、「売れる見込みのあるもの」が仕事になるからです。
そこにライターの思いや思想はほぼ入ることはないでしょう。
ヒットメーカーになる以外には。
そして悲しいことに、デビュー作はそれなりに売れたとも聞いていますが、成功とはほど遠かった、のかもしれません。

貴方が目指す作家・シナリオライターというものはおそらく、苦労して紡ぎ上げた物語を読んでもらい、愉しんでもらうためになりたいのかな、と推測します。
ですが、私は現実として「つまらない」「おもしろくない」の繰り返しです。10年近く。
担当するDがどこに「おもしろさ」の焦点をあてているか、どう直せばいいか、わからずに「つまんないから直して」と言われたことも多々あります。
それもひとえに、自分の力でヒット作を生み出せない未熟さゆえのものですが、どの案件でも、何年にもわたって「つまらない」「使えない」と言われ続けると、人の精神は壊れかねない。それくらい脆いものです。

今、私は上記のような状況で日々締め切りに終われ、かなり追い詰められております。
誰が悪い、というものではなく、全部自分が悪いのです。
つまらないものしか書けない自分が悪い。
仕事を取りすぎたせいで、すべての得意先に締め切りを守れない自分が悪い。
あまりこういうことは公表すべきではないのですが、心療内科で薬を処方してもらいながら、ギリギリのバランスで仕事をしております。

それでも貴方はこんな修羅の道に来たいのでそうか?
せっかく高専に入ったのにそこをやめることで、本当に目指している職につけるのでしょうか?
そこで人生を踏み誤るということが、どれくらい再起不能になるのかを真剣に考えたことがあるのでしょうか?

そこをもう一度、ゆっくり考えてください。
辞めるのはいつでも出来ます。
だからこそ、どれくらい真剣なのか、覚悟を決めてください。
必要ならば、別にしつこく勧誘するつもりもありませんので、うちの学校に見学にくるのでもいいでしょう。

ですが、こんな社会的基盤が脆弱で、著作権ももてない、
面白いものを書けなければ人間以下だとおとしめられる職業に本当になりたいのか。

もう一度だけ、真剣に考えてください。

最悪の心理コンディションの時に書いたので支離滅裂ですいません。
ですが、1〜2作書くだけで理想のステージには立てない事だけは言明しておきます。

Category:シナリオライターになる方法
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この記事に対するコメント

補足です

それでも、この社会の中で私には書くことしかできないんです。
長井知佳 | 2010/06/03 11:30 PM
承認待ちのコメントです。
- | 2010/06/04 8:30 PM
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