鳩山由紀夫首相が3選した2002年9月の民主党代表選で、鳩山氏陣営に加わっていた当時の国会議員2人が朝日新聞の取材に対し、鳩山氏の公設秘書らを通じて計300万円を超える資金を受け取り、裏金として処理した、と証言した。2人は、代表選の投票権を持つ党員・サポーター(投票希望者)集めの際に、本人が納めるべき登録料を立て替えて、提供された資金で穴埋めしたことを認めた。
元国会議員2人は取材に対し、受け取った資金を関連政治団体の政治資金収支報告書に記載しなかった、と話した。また、鳩山氏の資金管理団体などの収支報告書にも資金提供を示す記載はなかった。政治資金規正法違反の疑いがあるが、公訴時効(5年)を迎えている。鳩山氏は国会で、法定外のお金を議員に配ったことはないと答弁しているが、受け取った議員本人がその答弁内容を否定したことになる。
証言によると、当時の衆院議員でその後引退したA氏は02年9月中旬、鳩山氏の元公設秘書から東京・平河町の鳩山事務所で約100万円を受け取った。元公設秘書から「いろいろと物入りでしょう。これをとっておいて下さい」と言われ、現金の入った白い封筒を手渡されたという。
A氏はその2週間前に500人を超える党員・サポーターの登録料を自費で立て替えていた。鳩山氏側から提供された資金に使途の指定はなかったというが、A氏は「自費で立て替えた分を負担してもらったと受け止め、その穴埋めをした」と証言した。また、8月下旬にも同じ鳩山事務所で、この元秘書から別に約100万円を手渡され、「軍資金」として受け取ったという。