日本のイルカ漁を批判した米のドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」を上映予定だった東京都渋谷区の映画館「シアターN渋谷」が3日、映画の公開中止を決めた。映画館から配給会社に連絡があった。配給会社によると、市民活動団体から映画館に、「内容が反日的だ」などと公開中止を求める抗議電話や、街頭宣伝活動の予告が繰り返されたため。
映画は、26日から東京都内でシアターNなど2館で、そのほか全国24館での順次公開を予定していた。
映画は、米国などの自然保護活動家が、和歌山県太地町でイルカ漁の実態を隠し撮りするなどして、漁の中止を訴えている。今年の米アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した。
毎日新聞 2010年6月4日 東京朝刊