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イスラエル軍:ガザ支援船団攻撃 ネタニヤフ首相、謝罪拒否 国連、調査団派遣へ

 【エルサレム花岡洋二、ジャカルタ佐藤賢二郎、カイロ和田浩明】パレスチナ自治区ガザ地区へ支援物資を運んでいた国際支援船団が公海上でイスラエル軍に襲撃され少なくとも9人が死亡した事件で、イスラエルのネタニヤフ首相は2日、「命が失われたことは遺憾だが、自らを守ったことで謝ることは絶対にない」と正当防衛だったとの主張を譲らなかった。イスラエルには国際的非難が高まっており、国連人権理事会は2日、国際法違反を調べる「独立した調査団」を派遣する決議を採択した。米国は反対、日本は棄権した。

 強制送還された466人と遺体9体は3日までにトルコ・イスタンブールに帰還した。地元メディアによると、9遺体のうち8体はトルコ国籍、1体は米国籍という。活動家らは「英雄」として迎えられた。トルコの検察当局は今後、負傷者を中心に事情聴取し、訴訟または外交交渉での資料を集める。

 活動家のうち7人が重体でイスラエルの病院で治療中だという。

 各国の非難はより強まっており、世界最大のイスラム教徒を抱えるインドネシア・ジャカルタでは3日、イスラエルへの抗議デモに約15万人が参加した。

 アラブ連盟(22カ国・機構)は3日、事件についてトルコ政府と連携し国際司法裁判所(ICJ)へ提訴するとの声明を発表した。ICJが扱うのは国家間の紛争で当事国双方が付託に合意した案件しか取り扱えない。イスラエル側が同意する可能性は極めて低い。

 ロシアのメドベージェフ大統領と欧州連合(EU)首脳は1日、会談し、事件の徹底調査を求める共同声明を採択。メドベージェフ大統領は死者が出たことについて「正当な理由が全くない」と非難。

 一方、クリントン米国務長官は1日、イスラエルの独自調査を支持しイスラエルを擁護した。米国務省は2日、人権理事会の決議を「性急」と批判した。

 トルコのダウトオール外相は2日、ガザ地区封鎖の解除を条件にイスラエルとの関係正常化の意向を明らかにしたが、ネタニヤフ首相は同日、封鎖解除を実質的に拒否した。

毎日新聞 2010年6月4日 東京朝刊

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