韓国金融機関の屈辱
昨年末のアラブ首長国連邦(UAE)の原子力発電所受注の際、韓国の大手銀行が屈辱を受けたとの裏話が話されています。事情はこうです。事業規模があまりにも大きかったため、UAEが数十兆ウォン(数兆円)の原発事業を発注した際に、施行者側に銀行の保証を求めたのです。問題は、UAEが保証銀行の資格について、「資産規模が世界50位までの銀行」との条件を提示したことです。
韓国にはこの条件を満たす銀行がありません。韓国ではKB金融持ち株とウリ金融持ち株、新韓金融持ち株の規模が大きいとされていますが、英金融専門誌「バンカー」が7月に発表した順位によると、KB金融持ち株が74位、ウリ金融持ち株が82位、新韓金融持ち株が91位にすぎません。
仕方なく英スタンダードチャータード銀行の保証を付け、契約にこぎ着けることができました。幸いでした。政府高官や金融関係者は当時の状況を振り返り、「韓国の金融機関はまだまだ規模が小さい」と思ったそうです。
今年上半期、銀行の大型化の話がとりわけ多く持ち上がりました。政府によるウリ金融持ち株の民営化を契機に、金融グループ間の合併による大型化のうわさも流れました。国家ブランド委員会の魚允大(オ・ユンデ)委員長も、「韓国から世界50位規模の銀行が生まれなければならない」と語りました。しかし銀行を大型化させたからといって、国際的に認められるわけではありません。懐疑論も出ています。ある銀行の頭取は、「国内の銀行同士が合併しても、国際的な銀行は生まれない」と指摘しました。
金融機関の国際化を示す指標に多国籍化指数(TNI)というものがあります。銀行の海外店舗の資産・利益と銀行全体の資産・利益の比率です。銀行のTNI指数は、幾つかの銀行を除けば平均3%程度にすぎません。シティーグループやHSBCといった世界有数の銀行は、その比率が50%を超えます。本国よりも海外でより多くの利益を上げているとい
うことです。
従って大型化したからといって、韓国の銀行の国際競争力が高まるわけではありません。海外営業網を育成し、最新の金融技法を基に、海外の顧客を誘致する取り組みが並行されなければなりません。韓国の銀行もサムスン電子のように、海外で一日も早く認められることを期待します。
ペク・ジョンフン朝鮮経済i記者
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