先日のエントリーでもコメントしたが、韓国の哨戒艦が沈没した事故は北朝鮮の仕業などではなく、米軍の”大チョンボ”だったことが判明したようである。
「副島隆彦の学問道場」より以下に転載する。
(転載開始)
副島隆彦です。以下に載せるのは、3月26日に起きたという 韓国哨戒艦の沈没事件 についての文章です。
私の結論は、「アメリカの世界管理能力の減退、アメリカの軍事力の劣化 が露見した」 というものです。
・事故がおこる前の核潜水艦の姿。赤で囲んだ部分は艦橋完全な状態。この核潜水艦は韓米合同訓練のために我が国に来た核潜水艦[出処]チョン岩ハム沈没と米国核潜水艦関連「作成者ジェームズ・ディーン」
<写真: 去る4月14日米太平洋司令部所属ハワイ真珠湾修理窓(ウィンドウ)に入庫された米国核潜水艦(SSN776)の姿>
核潜水艦の上に突出する潜望鏡がある部位の艦橋が無い。核原潜があの状況で破損して乾燥ドックで修理されるのは初めてとのこと。[出処]チョン岩ハム沈没と米国核潜水艦関連「作成者ジェームズ・ディーン」
どうも、現場にいた米原潜(べいげんせん)が 事故、事件に関与している。 北朝鮮の海軍の艦船からの魚雷の発射ではない。 韓国の哨戒艦(しょうかいかん、実質は、対潜水艦用の デストロイヤー=駆逐艦=くちくかん=、敵の潜水艦を駆逐する )のほぼ真下から米原潜が浮上した。 そして米原潜が、哨戒艦を真っ二つにして、自分の艦橋(かんきょう)部分を破損して、潜望鏡が数本折れたようだ。そして、おそらく数人の米兵が死んでいるようだ。
米兵の死傷者のヘリコプターによる救出、運搬が終了したあとで、韓国艦の救援が行われ、生存者が58人で、46人の死体の遺体が搬送された。
もし、米原潜が破損して現場に沈没していたら、乗員は500人ぐらいだろうから、米国内で必然的に大騒ぎになる。乗組員の家族が黙っていない。だから、この米原潜は、衝突後、自力で現場から脱出しただろう。
そして、この2ヶ月間、ボロが出ないように、しかし慌てた様子で、米国と韓国(李明博= イ・ミョンバク=政権)は、北朝鮮を非難して国連安保理(こくれん・あんぽり)に北朝鮮への非難と制裁を求める動きに出た。
事件から丁度2か月たった、この数日で、「北朝鮮が魚雷を撃って韓国の哨戒艦(1200トンぐらい、104人の乗組員がいた)を沈めた」という非難の表明をしている。
北朝鮮は、一貫して、事件、あるいは事故への関与を否定している。中国はずっと慎重な態度である。日本政府は、いつもの通り、アメリカ政府から命令されて、無理やり、「韓国と歩調を合わせて、北朝鮮非難を行え」と押さえつけられている。鳩山首相は、きっと、この2か月、この問題でも不愉快極まりなかっただろう。心中(しんちゅう)をお察し申し上げる。
〜中略〜
私は、今度の韓国の哨戒艦の沈没は、米原潜との衝突によるものだろうと、推断する。それは偶発的なものであって、アメリカ政府が、本格的に北朝鮮との戦争を企画した、そして、中国とも本気で険悪になろうとしてのことだとは、思わない。
したがって、このような形で、韓国人の艦船乗組員が46人(プラス水中処分隊員1人)が死ぬ事故(韓国内は、怒りが今も充満していることだろう) になったことを、アメリカの計画通り、北朝鮮への挑発的な、軍事行動とは、言えないと、現時点では思う。
それにしても今のアメリカがやることは、お粗末だ。だから、全体としては、世界覇権国アメリカの世界管理能力の衰弱、衰退だ、と大きくは観察される。
〜後略〜
(転載終了)
本件に関しては元々北朝鮮の魚雷などあり得ないと考えていただけに、「やっぱりか」という印象である。
それに加えて「またか」という感想である。
浮上しようとする潜水艦が海上を航行する船にぶつかる事故と言えば、2001年、オアフ島ホノルル南沖合いで、水産実習船「えひめ丸」が急浮上してきたアメリカ軍原子力潜水艦「グリーンビル」にぶつけられ沈没した事故を思い出さずにいられない。
本当にいい加減にして欲しいものである。