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W辞任は織り込み済み…仕掛け人は小沢氏?

民主党の両院議員総会に臨む鳩山首相(左)と小沢幹事長
民主党の両院議員総会に臨む鳩山首相(左)と小沢幹事長
Photo By 共同

 鳩山由紀夫首相が2日、退陣表明したことで永田町ではさまざまな憶測が乱れ飛んだ。首相の決断のカギは小沢一郎幹事長、輿石東参院議員会長との2度の会談。首相はこの日夕、記者団に「私も辞めますが(小沢氏も)身を引いていただきたいと申し上げた」と語り「抱き合い心中」だったことを強調。しかし、小沢氏周辺からは「ダブル辞任は織り込み済み。幹事長が匕首(あいくち)を突き付けた結果だ」との情報も流されるなど、新体制に向けた主導権争いの様相を呈している。

 鳩山首相は内閣総理大臣の退陣表明時に慣例となっている記者会見を拒否し、午後6時半すぎ、首相官邸内で通常のぶら下がり取材に「(先月31日の会談で)身を引きたいと申し上げた」と決断に至った経緯を明かした。

 「身を引くことが結果として国益につながると判断した。10日か1週間くらい前から、そのことを自問自答していた」とした上で、5月31日に退陣の意向を伝え、翌1日の再会談で「“私も辞めますが、一番求められているのはクリーンさだ。そのために身を引いていただきたい”と言い、小沢氏は“分かった”と答えた」と説明。小沢幹事長を道連れにした「抱き合い心中」であったことを強調した。

 しかし、小沢氏周辺からは「もともとダブル辞任は織り込み済み。小沢幹事長が“自分を悪者にしていい”と首相に言った。逆に進退で迷う首相が決断せざるを得ない状況になるよう幹事長が匕首を突き付けたのが真相」との情報も流された。

 関係者によると1日の会談では参院選の厳しい情勢を踏まえ、輿石氏が首相に辞任を促したという。その際、輿石氏は野党が参院に首相の問責決議案を提出した場合、社民党や民主党の一部議員が賛成し可決の可能性が高いことなどを説明。

 その背景には「小沢幹事長が水面下で社民党に対して働きかけて、同党が問責決議案や衆院での内閣不信任案に賛成する方針を表明することで鳩山首相に圧力をかける構図を作った。これを裏付けるかのように社民党の又市征治副党首がこの日の退陣表明を正確に“予言”していた」(民主党の内情に詳しい報道関係者)。小沢氏は先月30日に側近議員らに「鳩山降ろしに動いていい」と指示を出したとされる。

 最終的に鳩山首相が決断したのは前日1日の深夜11時前後。親しい関係者らに電話をし「迷惑をかけたけど、身を引く決意をした」「苦しい時は雨天の友」などと伝えたという。また、1日の会談終了後に見せた親指を立てるポーズも「自分の心を外に一切出さないように努めた」結果の演技だったことを明かした。

 当の小沢氏は「任期半ばでこのような事態になり、大変残念だ。首相、党代表を補佐する役目を十分果たし得なかったと反省している」と語ったが、詳しい説明はなし。新代表にふさわしい人物を問われると「そういう質問に答える立場にはない」。担当記者らの顔を見ながら「もう皆さんと会うのも最後だ」と話し、5分ほどで切り上げた。しかし、政治資金規正法違反事件で同氏を不起訴とした東京地検の判断に関する検察審査会の2度目の議決が迫っている。小沢氏にとってはポスト鳩山体制でも強い影響力を保持し続けることは不可欠で、主導権争いが激化するのは必至だ。

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