“非世襲”首相は村山さん以来１４年ぶり

　鳩山由紀夫首相の退陣表明を受けて４日、民主党代表選が行われ、午後には新首相が誕生する。代表選に出馬表明しているのは、いずれも世襲議員ではない菅直人氏と樽床伸二氏。政治家一族出身ではない首相は、１９９６年１月に退陣した村山富市氏以来で、実に１４年ぶりとなる。

　村山氏は大分市の漁師の家の生まれ。子ども時代には新聞配達をし、軍隊も経て大学に進学した苦労人だ。

　続く橋本龍太郎、小渕恵三両氏はいずれも父親が衆院議員で、子どもも政治家に。橋本氏の次男岳氏は昨年の衆院選で落選し浪人中だが、小渕氏の次女優子氏は衆院議員３期目を務める。

　小渕氏の病気退陣で、後を引き継いだ森喜朗氏。一族に国会議員はおらず、厳密には世襲でないが、祖父、父はともに地元の石川県旧根上町長。

　祖父は根上村時代の１９０６年から４５年まで、村長や町長。父茂喜氏は５３年から８９年の病気辞任まで連続９期無投票で町長に選出された。地元の人は「庄屋の家系なので何代も前から根上では中心となる家」と話す。

　続く小泉純一郎氏は、祖父も父も元衆院議員。昨年の衆院選では、自民党への逆風と世襲批判をはねのけた次男進次郎氏が初当選し、小泉家４代目の衆院議員になった。

　その後の安倍晋三、福田康夫、麻生太郎、そして鳩山由紀夫の４氏は、首相経験者を祖父や父に持つ極め付きの世襲議員だ。

　鳩山氏は曾祖父から数えて国会議員４代目。母親がブリヂストンの創業者一族出身のため、同社株を大量に保有しており、資産の時価総額は９０億円とも言われる超セレブだ。昨年は資産報告の記載漏れが発覚し「恵まれた家庭に育ったから自分の資産管理が極めてずさんだった」と釈明した。

　さて、次期首相を有力視されている菅氏。自身はサラリーマンの家の育ちだが、長男は過去２回、衆院選に立候補し落選している。

[ 2010年06月03日 18:58 ]