県、じわり国と距離感 恒例かりゆしPR 知事見送り

2010年5月25日 09時58分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 米軍普天間飛行場の移設問題で、鳩山由紀夫首相が移設地を「辺野古付近」と明言したことを受け、県は政府との距離を取り始めている。

 23日の鳩山首相との会談で「知事は反対とは言っていない」(知事周辺)として政府との窓口は閉ざさないが、首相にかりゆしウエアを贈る恒例のセレモニーに知事の参加を見送った。

 一方、25日に長崎県で開かれる九州知事会で上原良幸副知事は基地問題の解決促進を求める特別決議を提案する方針だ。

 県は、毎年6月1日の「かりゆしウエア」に合わせ、関係閣僚にかりゆしウエアを贈りPRしている。今年は27日、仲井真弘多知事が首相官邸に出向き、鳩山首相や平野博文官房長官に贈る予定だったが、知事出席を見合わせた。観光担当の安里カツ子副知事が上京する。26日の島サミットの誘致要請も仲井真知事と鳩山首相との面談を予定していたが、同様に担当の安里副知事が、官邸や外務省、内閣府、民主党本部を訪れる予定だ。

 県幹部によると、普天間問題に伴う政府の対応を見て「知事が今の時期に首相はもちろん、閣僚に会うのは得策ではない」と判断したという。

 一方、上原副知事は25日、九州知事会で全国の米軍専用施設の約74%が沖縄に集中し、県民生活や計画的な県土振興に多大な影響を与えていると指摘。過重な基地負担軽減など解決促進を求める考えだ。

 仲井真知事は27日、都内で開かれる臨時全国知事会に出席する予定。しかし、知事会は鳩山首相の要望を受けて開かれる異例の臨時会。現段階で詳細が決まっておらず、知事が発言できるかどうかも決まっていない。

 仲井真知事は21日の定例会見で「私が直接、『基地いりませんか』と全国の知事にお願いする筋合いのものではない」と述べたが、「負担軽減にぜひ力を貸していただき、理解を頂きたいというのはお願いし、申し上げるべきものだろうと思っている」との見解を示している。

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