資料5−拉致監禁問題が国会で 

 国会の参議院決算委員会で、拉致監禁問題が取り上げられました。

「参議院インターネット審議中継」をクリックすると、左側に「会議名」がアップされます。
 そこの「決算委員会」をクリックすると、「開催日」が表示されます。

 5月14日をクリックすると、審議中継が画面に表れます。大変長いのですが、お昼の休憩の約30分前から、拉致監禁問題の質疑応答が始まります。

 質問者は自民党の秋元司議員。答弁に立ったのは、中井洽国家公安委員長千葉景子法務大臣です。

 秋元議員は、統一教会の名前、また具体的な拉致監禁の事例を伏し、一般論として、「ある宗教に入信した子どもをそこからやめさせるために、家族が子どもを拉致監禁して説得しようとした場合、政府はいかなる対処をするのか」と質問しました。

 これに対して、答弁者はドメスティックバイオレンス(DV=配偶者からの暴力)のことを引き合いに出し、警察官が現場に入った場合、両者をホテルの別々の部屋に移動させた上で、2日間(1泊)にわたって、じっくり話を聞いた上で、対処すると回答しました。

 これまで「拉致監禁事件」は「家族の問題だ」として警察は軽視してきましたが、統一教会員の子どもが監禁されているマンション等に警察官が入った場合、親子をホテルの別々の部屋に呼び、双方の事情を時間をかけて聞いた上で対処するというわけです。

 おそらく秋元議員は統一教会の働きかけを受けて質問したのでしょうが、政府の方針が示されたわけですから、全国の警察はこの方針に従わなければならなくなったわけです。

 親が子どもに対してであろうが、子どもが成人である場合、親権は及ばないため、「保護(拉致監禁)説得」には逮捕監禁罪が適用されるべきだと思いますが、「別々の部屋に呼び、じっくり事情を聞く」というのは、法治主義の観点からすれば、一歩前進だと考えてもいいのではないでしょうか。

 この流れは、もう少し広く捉えてみる必要があると思います。

 もともと、警察には伝統的に、妻は夫に従い・子は親に従うという家父長的体質があり、児童虐待についても長い間、放置してきました。
 大人が児童に暴力を振るっている。警察官がそれを制止すると、その大人は食ってかかる。
「この子は俺の子どもだ。躾けのために折檻しているんだ。あんたとは関係ない話だ。ほっといてくれ」
 そうすると、「穏便にお願いしますよ」と言うだけで、問題にすることはありませんでした。

 信じられないかもしれませんが、今からつい10数年前までは、折檻によって子どもが骨折しても、親の刑事責任が問われることはほとんどありませんでした。
 それが変わったのは、2000年に児童虐待防止法」が成立してからです。まだ十分に防止されているとは言えませんが、「躾けのための折檻だ」と親が抗弁しても、もうそれを認めるようなことはしません。(この法律が1980年代にできていたら、『カルトの子』で書いたヤマギシ会の子どもたちを虐待した大人たちは、取り締まりの対象になっていたでしょう)

 夫の妻への暴力もそうです。警察の態度が変わったのも、やはり2000年に入ってからのこと。2002年にDV法が施行されてからです。警察のDVへの取り組みはさほどに進んでいないようですが、まがりなりにも法が作られ、実態にあうように改正も行われてきました。

 このような流れを踏まえて、先の国会での大臣の答弁を聞けば、ひとつの進歩だと思えるでしょう。“人権派”の弁護士を含む一部の反統一教会びとは、警察が拉致監禁問題を「家族の問題」として取り締まらない現実を肯定しているようですが、歴史の流れからすると、時代に逆行する反動的な考え方です。

憲法第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第12条 この憲法が国民に保障する自由および権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第13条 すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。




 話を戻します。
 警察が監禁現場に入り、双方の事情聴取の際、子どもがこう言えば、事件性ありということになり、捜査が始まることになります。

「自分の意思でマンションに居るわけではない。親に拉致監禁され、脱出が不可能なため、しかたなくマンションにいるんだ。親がそのようにしたのは、背後にいる牧師の指導によるものだ。逮捕監禁による被害届けを出したい」

 “救出カウンセラー”が今後も保護説得を続けるのであれば、逮捕を覚悟してやるべき、というとになるでしょう。

「全国統一協会被害者家族の会」がまた下記案内のように相談会を開催します。
 相談だけならけっこうなことですが、信者家族に強制脱会説得家を紹介するから、赤ずきんちゃんは要注意なのです。夏の帰省には気をつけてください。

★統一教会問題「相談会」開催のお知らせ
 日時:2010年6月19日(土)13:00〜16:00
 場所:東京(詳細は、参加者に別途お知らせします)
 参加ご希望の方は、電子メールか電話にてお申し込み下さい。
 電話:03−3350−5808(電話:火・金)13:00〜16:00迄
 電子メール :e-kazoku@lime.ocn.ne.jp
 ※JR東京から30分以内の会場を予定しています。


 

コメント

国会答弁の実効性?

「火の粉を払え」は、目を通してはいましたが、コメントの機会なくずいぶん経ってしました。久々のコメントです。

確かに一歩前進ではありますが、2000年4月20日の国会答弁でも当時の田中警察庁長官は、「親子や親族であっても、刑罰に触れる行為があれば厳正に対処する」と明言していましたが、その後は、2002年に山形で拉致された女性が、秋田のキリスト教会で監禁されているのを警察が解放した事例以外に、警察の関与で解放された例を知りません。
率直に感じるのは、今回の答弁は2000年の答弁に比べると表現は弱まっているのではないかといことです。(厳正に対処する。→2日間にわたりじっくりと話を聞く。)
一歩前進ではありますが、今後も粘り強く訴えていくしかないということでしょう。
一つ不思議なのは、教会本部からは今回の国会答弁について、(今のところ?)何のお知らせもないことです。恥ずかしながら、当ブログで初めて知りました。

頑張りましょう!

>率直に感じるのは、今回の答弁は2000年の答弁に比べると表現は弱まっているのではないかといことです

ただちにどうなるかは分かりませんが、時流が変わってきていることは感じています。
これはネットが繋がって以来思う存分叩きまくってきたんですが公務員。ネットが一般的に繋がる前は「公務員の生活費は義務的経費」なんてとんでもないことを言ってたんですよ。こんなムチャクチャな話がまかり通っていた。これじゃまるで江戸レジユーム、封建制じゃありませんが。共産主義ですよ。
まことにもってけしからん思想である。国民は同居する親族、配偶者以外を扶養する義務を持たない。そんなんで税金取ったら財産権の侵害である。人は対価を得、対価を支払って生計を立てるべきである。”盗んではならない”これは、モーセの十戒にも仏教の五戒にもある、これがグローバルスタンダードな正義であります。と2CHをベースに暴れまくったんですが、それなりに効果があったんでしょうか。
以前から比べれば役所は随分動いてくれるようになりました。
流行りの事業仕分けもありますし、役所もレゾンデイトール(存在理由)の証明に腐心しているようです。

国民の生命財産を守ることが国民国家のレゾンデイトールなんですから、ちゃんと仕事をしないのなら税金なんて払うことはありません。
この”当たり前”で正面突破です。
  • [2010/05/26 19:01]
  • URL |
  • ユートピアコレクション
  • [ 編集 ]
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Re: 国会答弁の実効性?

Re: 国会答弁の実効性?

> 率直に感じるのは、今回の答弁は2000年の答弁に比べると表現は弱まっているのではないかといことです。

 このような感想を抱かれるのも無理からぬところですが、2000年の国会の質疑応答と今回とでは違いがあります。2000年の場合は、統一教会の名前も出して具体的な質問がなされましたが、今回は抽象的な一般論としての質問でした。そのため、答弁も緩やかなものになっています。

 しかしながら、ユートピアコレクションさんが指摘されているように、時流は変化しています。2000年の国会答弁以降、児童虐待防止法、DV防止法が制定されました。人権の尊重が広がってきました。ネットの広がりも、10年前とでは隔世の感があります。
 10年前には、一部の反統一教会のサイトでは「保護説得」があたりまえのように書かれていましたが、最近ではこの4文字熟語を見かけることはなくなりました。

 また、2000年の国会答弁は宝の持ちぐされでした。拉致監禁事件が起きても、この答弁が有効に使われることはほとんどありませんでした。しかし、09年夏以降、統一教会員の間で、拉致監禁問題が話題になるようになりました。今後、拉致監禁が起きた際、今回の国会答弁が生かされるだろうと思っています。

 ブログ記事で憲法を引用したことをもって、憲法を大上段に振りかざしているような印象をもった人は少なくないと思いますが、
「自由は国民の不断の努力によって保持される」
 というのは、名言だと思いました。
 憲法に書いてるあるからといって、何も努力しなければ、実現はしません。
 自由の保持、自由の拡大は、みんなの努力によって初めて実現できるもの。今さらながら、改めて、痛感した次第です。
 最近の事業仕分けなんか、1年前には思いも寄らなかったことです。

勝ち取った自由と与えられた自由

自由や平等、国民の権利などがまだ保障されていない時代にそれらを勝ち取るため命をかけて闘った内容が歴史上たくさんありますよね。それだけ自由、平等、権利がないというのは人間にとって苦痛で、死ぬほど耐えられないものなんだと思います。生まれた時からこれらが保障された環境で育った私は社会の時間大切なことなんだなーとは思ったものの、本当の意味でその尊さを知りませんでした。
自分が拉致監禁の被害を受けた時、警察が助けてくれなかった時、改めて”自由、人権”がとても尊いものだと実感してわかりました。拘束され自由を奪われることの苦痛があまりにも大きかったからです。日本の自由、人権、平等の制度は、戦後アメリカとかから民主主義の制度に変えさせられて始まったんじゃないでしょうか。くわしくはわかりませんが、闘って勝ち取ったものじゃないのは確かだと思います。だから日本人は親切にするとか、秩序を守り人に迷惑をかけないという民族性はすばらしい部分だと思いますが、人権の尊さに対しては本当の意味であまりよく分かっていない部分があると思います。今回国会で質問した議員さん、質問すること自体簡単ではなかったと思います。また反対派はこの議員さんを目の敵にバッシングするんでしょうね。とにかく統一教会をつぶすのに妨害になるものは訳の分からん題目をつけて攻撃してきますから。統一教会の信者でもない人まで、、、ひどいです。

3年前の不快な出来事

 これまでの投稿と噛み合わないところもあると思いますが、「3年前の不快な出来事」を書いておきます。

 川崎青年支部に所属する女性教会員が北海道に帰省したところ、拉致監禁されました。この女性は監禁されたマンションで、必死に、携帯メールで、監禁されたマンションを特定し、「警察に連絡して、救出して!」と支部のアベルに訴えていました。

そのメールには「今日、パスカルが来た」というのもありました。

 それに対して、バカ・アベルは「祈祷しろ」といったようなことばかりを返信メールで流していました。

 それから1年後、彼女は脱会しました。その後、彼女が手引いたのかどうかわかりませんが、川崎青年支部の2人の女性教会員が監禁され、脱会しました。
 彼女は脱会後、強制説得家のパスカルさん、北大教授の櫻井さん、それに札幌の弁護士郷路さんにチヤホヤされていたと聞いています。

個性的な教会員だったようで、その後、御三方はもてあましているとも・・・。とまれ、どんなに国会で警察庁長官がいい答弁しようが、救出を求めているのに祈祷しろといった返しでは、話にもなんにもなりません。

 なかよしさんが指摘される通り、自由は獲得するものです。一歩一歩−−。

Re:国会答弁の実効性

ユートピアコレクションさん、なかよしさん、米本さんのコメントを読んで、本当にその通りと思いました。
統一教会も改革が叫ばれていますが、私も含めて、なかなか頭の中が切り替わっていないと痛感しています。
自由の獲得もそうですし、統一教会の市民権の獲得も一歩一歩の努力なしには成しえないことです。

Shame on you!

>3年前の不快な出来事[2010/05/27 21:48]米本

>川崎青年支部に所属する女性教会員が北海道に帰省したところ、拉致監禁されました。(中略)
>彼女は脱会後、強制説得家のパスカルさん、北大教授の櫻井さん、それに札幌の弁護士郷路さんにチヤホヤされていたと聞いています。
>個性的な教会員だったようで、その後、御三方はもてあましているとも・・・。



統一協会の欺瞞や自身に施されたマインドコントロールに気付き脱会した賢明な元信者の方を愚弄する様な記述には赦し難いものがあります。

彼女とは面識がありますが、聡明で人当たりも優しく素晴らしい人格をお持ちの女性です。

統一協会から脱会した後、カルト被害に取り組む方々に協力されている元信者に対し、統一協会側は悪辣な言葉を浴びせる傾向があります。これは昨年の新世裁判でも確認されています。

統一協会から齎される悪意を持った偽情報を鵜呑みにしてそのまま書き連ねる、統一協会からしか情報を得ていない弊害ですね。

こんな信憑性の欠片もないガセネタを垂れ流しているようでは、統一協会の御用聞きライターと捉えられても仕方がないと思います。

あのぉ〜

 エイトさん、久しぶりに登場してくれるのはうれしいのだけど、進歩がなくて残念!
 
 KMさんと面識があるのであれば、どんなメールを送ったのか聞いてみればいいのでは?
 
 KMさんがメール文を公開してもいいと言うのであれば、公開することも考えますが。

今度、投稿してくれるのであれば、ちょっかい的なものでなく、珠玉のコメントを。

悪足掻き

今現在、彼女は彼女を支える人たち皆から愛され、自分自身の人生を彼女らしく誠実に生きています。

米本さんの手元にある過去のメール履歴についてですが、水戸黄門の印籠じゃないのですから「すべて流しましょうか。1年間分あるのだけど。トホホ」「〜であれば、公開することも考えますが。」と公開の仄めかしをすればするだけ、より滑稽さが増しますよ。悪足掻きは、お止めください。
そもそも何故彼女の私信が米本さんの手元にあり、更にさも御自分の所有物・御自分が権利者であるかの様に公開を散らつかせることができるのでしょうか?
全く御自覚がないようですが、人として道義的に明らかに間違っていませんか?

(米本さんが公開したがっているメールについて米本さんは『拉致・監禁の証拠』とおっしゃりたいのかもしれませんが、私から見ればそれは『統一協会による拉致・監禁教育の証左』に過ぎません。)



※米本さんが書き換える前の以下のコメントについてですが、慌てて消すくらいだから余程ご都合が悪かったのでしょうか。敢えて返事は書きませんが。


『あのぉ〜』

 エイトさん、久しぶりに登場してくれるのはうれしいのだけど、進歩がなくて残念!
 
 彼女と面識があるのであれば、どんなメールを送ったのか聞いてみればいいのでは?

 すべて流しましょうか。1年間分あるのだけど。トホホ

「統一協会側は悪辣な言葉を浴びせる傾向」にあるというのだけど(統一教会はこの情報を流していない。流しているのは私だけ!)、面識あるというのだから、パスカルさんに、説得を受けたというKMさんに、直接聞いてみたらどうですか?

 エイトさんの投稿はもう少し進化したものが希望だったけど、そしてもう少し骨っぽいのがいいなあと思っていたけど、残念でした。

 エイトさんに忠告しておきます。
「おいらは紀藤弁護士とも面識があるぞ」
「おいらはホームオブハートの被害者とは面識があるぞ」
「今度の新宿の何とか会にも行くぞ」
「おいらはジュネーブにも行ったぞ」
 といった情けないシュプレヒコールはやめるにして(劣等感丸見え)、もう少し堂々と、毅然とした態度で、堂々とした論を展開してくださいな。

電子書籍のことで、くさくさしている状態です。
ますます良質なレベルの文章は書けなくなってしまうという悲鳴がそこらじゅうに起きています。
低レベルで表層的な文章だけになってしまうでしょうね。嘆かわしい。

私が君のことを一番買っているのは、愚直で、陽の当たらないパトロール活動です。これは真面目な話です。けっこう、統一教会員にファンが多い。花屋の小林ほどではないけど。

 君の活動で、どれだけ助かっている人がいるか。
 まあ、本人は自覚できていなだろうけど。

 頑張れ、エイトよ!
(紀藤弁護士は君の人生を保証していないぜよ。まあ、わかんないだろうなあ。
養老猛の『バカの壁』ぐらいはクリアしなければ)
 またなあ。今度は成長の片鱗を見せた文章を期待しているぜ。

今度は珠玉のコメントを、 是非に。
 これが「珠玉のコメント原稿だ」というのがなければ、しばらくは投稿しないでね。

[2010/05/31 22:06]
米本

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