鳩山由紀夫首相は自身や民主党前幹事長、小沢一郎氏の元秘書らが政治資金規正法違反に問われた「政治とカネ」の問題を辞任理由の一つに挙げたが、事件を摘発した法務・検察の幹部からは急展開に驚きの声が上がった。
ある幹部は「驚いたが、一義的には辞任理由は普天間問題での迷走ぶりではないか。捜査の影響がどこまであったのかは分からない」と困惑気味に話した。別の幹部は「マスコミの過度な事件報道の影響はあったのではないか」と分析しつつ、「こういう事態まで想定した捜査などあり得ない」と強調した。
検察が5月に2度目の不起訴処分にした小沢氏については、4月に「起訴相当」と議決した東京第5検察審査会が今後、第2段階の審査を進める。幹部の中には「(審査を担う)一般の人たちは政治家が地位を失えば許す発想にもなるだろう」と、「起訴相当」が見直される可能性があるとの見方もあった。
毎日新聞 2010年6月2日 23時00分