憲法第41条
1月に突然財務大臣になってから、来年度予算の提出責任者として発言により注意しなくてはならないため、「今日の一言」を長く休んでいた。来週中には予算も成立の見通しとなり、久しぶりにPCをたたいている。
先日の国会質疑では憲法についての議論になった。私が憲法学者の大半が主張している国会と内閣は独立とする「三権分立」の解釈が間違っていると言うとみんなあっけにとられる。つまり憲法第41条には「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」とあるが、国権の「最高機関」といういう意味を「美称」だとするのが憲法学の通説である。しかし私は国会は主権者である国民に直接選ばれている機関であるから文字通り「最高機関」であり、内閣総理大臣は国会で指名されて決まるので国会と内閣が「独立」の関係にあるということはできないというのが私の理解だ。アメリカのように主権者である国民が国会議員も大統領も選ぶ「大統領制」では議会と大統領が独立といえるが、議院内閣制では国会が内閣の「生みの親」であって独立とはいえない。憲法学者は国家の統治機構については実感を持ちにくいためか、行政権を国会がけん制するといった旧来の理論を踏襲しているように思える。国家の統治機構の分野は憲法学ではなく政治学の分野だ。