ここから本文です。現在の位置は トップ > 地域ニュース > 福島 > 記事です。

福島

文字サイズ変更
はてなブックマークに登録
Yahoo!ブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

ニュースBOX・福島:仮出所者の支援施設始動 反対の中、月内にも /福島

 ◇保護観察所「受け入れ可能」

 刑務所を仮出所した人の社会復帰を支援する「福島自立更生促進センター」(福島市狐塚)を運営する福島保護観察所が、同センターに入所を希望する複数の受刑者について「受け入れ可能」の意見を付けた報告書を刑務所などに送っていたことが分かった。施設完成から間もなく2年。治安悪化を心配する住民との溝が埋まらないまま、今月中にも入所の受け入れが始まる。【蓬田正志】

 ◇報告書を送付

 受刑者の仮釈放には、保護観察所長から刑務所長に「受け入れ可能」の意見を付けた報告書が送付され、刑務所長が各地の地方更生保護委員会に申し出るなどして審査される。福島保護観察所によると、同センターの「開所宣言」をした4月9日以降、担当者が複数の受刑者と面接し、「受け入れ可能」の意見付きの報告書を送付したという。

 ◇完成後、住民反発

 センターでは、身元の引き受け手がいない仮出所者が原則3カ月間、個室と食事を提供され、就職支援などを受ける。仮出所後の再犯事件が相次いだことから、国の有識者会議が06年に対策を提言。法務省が先行事例として福島と京都、福岡の3市をセンター建設地に選定した。このうち京都と福岡は住民の反対で建設を凍結。その後、北九州市が建設地に選ばれ、09年6月、港湾地区に国内初のセンターが開所した。

 一方、福島はハローワークに近い保護観察所の敷地内が建設地に選ばれ、目立った反対がない中、08年1月に着工、同年7月に完成した。ところがその前後に、同省が周辺の学校に施設の性格を説明すると、反対の声が急増。センターの半径500メートル以内には中学・高校などが6校あることなどから、住民は計画撤回を強く求めた。

 「御山町住民の会」の伏見貞俊代表は「建設前の説明は町内会長だけで、個々の住民に伝わっていない。近隣の2町内会には概要説明の文書が回覧されたが、難解で理解できない人が多く、反対の声は起こりにくかった」と憤る。

 ◇法務省「平行線」

 このため同省は▽子供への犯罪歴がある▽覚せい剤への依存性が高い▽性的犯罪性向がある--仮出所者を除外し、開所後1年間は入所を定員20人の半数未満に抑えるなどの譲歩案を示した。しかし反対運動は収まらず、同省は「一定数の理解者もいる」として4月9日、開所準備を始めると公表。5月24日には、住民団体から公開討論会への参加を求められた井坂巧・福島保護観察所長が「これ以上やっても平行線」などと回答、参加を拒否した。

 県立福島高校保護者会の鈴木清治代表は「法務省のやり方は強引で納得できない。『一定数の理解者』という主張の根拠もない」と反発している。一方、センターの早期開所を要望している県保護司会連合会の鈴木光二会長は「反対する気持ちも分かるが、満期で釈放されても家庭や仕事がないのでは一層再犯が心配。地域の理解と協力が必要だ」と話している。

毎日新聞 2010年6月1日 地方版

PR情報

福島 アーカイブ一覧

 
郷土料理百選
地域体験イベント検索

おすすめ情報

注目ブランド

1■明快図説■民主党の党内人脈図
2鳩山首相辞任表明:両院議員総会詳細1 「…
3鳩山首相退陣表明
まいまいクラブ

仲代達矢さん主演
5月22日公開の映画「春との旅」
原作本を10名様にプレゼント!