岡田ジャパン、下は北朝鮮だけ…各国で衝撃のＷ杯予測リポート

　世界最大のスポーツイベント、サッカーＷ杯南アフリカ大会が来週の１１日に開幕する。岡田武史監督（５３）が「４強」を目標に掲げる日本代表は、世界からどう評価されているのか。そしてどこが４強に進出し、１９回目のＷ杯を制するとみているのか。国際的な金融機関が分析力の威信を懸けた予測リポート、数学者の統計、ブックメーカーのオッズなどから、衝撃的なシナリオが浮かび上がった。

　【最強はブラジル、でも優勝は…】米国の金融企業「ＪＰモルガン・チェース」の株式アナリストらは先月、普段は株式銘柄の選択に利用する数学的モデルを駆使して、６９ページに及ぶ詳細な予測リポートを発表。全６４試合の結果を完全シミュレーションしている。

　モルガンによる数学的モデルで出場３２カ国の戦力を分析すると、最強チームはブラジルだ。だが広大な南アフリカの移動は負担が大きく、ブラジルは準々決勝でオランダに敗退すると予想する。

　さらに「われわれの『Ｗ杯ウォールチャート』は日程に恵まれたイングランドが優勝することを示唆している」。モルガンの結論は、“サッカーの母国”の１９６６年以来２度目の戴冠だ。

　決勝でＰＫに泣き、２位になるのはスペイン。３位は日本と同じ１次リーグＥ組のオランダ。４位にはＦＩＦＡ世界ランク２３位の伏兵、スロベニアを大胆に推している。

　【日本は全敗】気になる日本は？　「ウォールチャート」で勝利を意味する「Ｗ」が、日本にマークされた試合はゼロ。引き分けの「Ｄ」さえない。つまり１次リーグ３戦全敗で敗退。極めて厳しい予想となった。戦力分析でも日本は出場３２カ国中３１位。下には北朝鮮しかいない。

　スイスに本拠を置く金融グループＵＢＳの関連企業で、富裕層向けの資産管理を行う「ＵＢＳウェルスマネジメント」も４月に公開したリポートで、日本のグループリーグ敗退を予想している。

　ＵＢＳは前回ドイツ大会でイタリアの優勝を当て、４強のうち半分の顔ぶれも的中。世界中から称賛された実績を持つ。

　ＵＢＳが「最も１６強（決勝トーナメント進出）の確率が高い」とみるのは、開催国の南アフリカ（７８％）。過去に開催国がグループリーグで敗退した例はない。ただし、他のアフリカ勢は全滅とみている。

　日本と同じＥ組のカメルーンは、１６強の確率は２５％以上だが、オランダ（６８％）とデンマーク（３２％）に及ばず。つまり日本は最下位の評価だ。ちなみにアジア勢では、豪州と韓国が１６強入りとされている。

　今回ＵＢＳが推す優勝候補最右翼はブラジル。続いてドイツ、イタリア、オランダの順だ。

　【スペインも高評価】スイスの数学者、ロジャー・カウフマン氏が独自に開発した統計システムでも、優勝の確率が最も高いのはやはりブラジルだ。０・２ポイント差でスペインが肉薄。やや離れてポルトガル、オランダが続く。

　５月２６日に発表されたＥ組のグループリーグ突破の確率では、オランダが３６・２％、カメルーンが３１・２％、デンマークが１７・７％、そして日本は１４・８％。こちらも最弱に位置づけられた。

　英ブックメーカー（賭け屋）大手、ウィリアム・ヒルが設定したＥ組のオッズでも、オランダが１・５７倍、カメルーンが５・００倍、デンマークが５・５０倍ときて、日本は１２・００倍。１カ国だけ格下扱いである。優勝オッズでは出場３２カ国中２６位タイの２５１倍だ。

　なお、優勝オッズはスペイン、ブラジル、イングランド、アルゼンチンの順だ。

　【日本に明るい材料は？】５月３０日の強化試合でイングランドに善戦（１−２）して、どん底を脱したかにみえたが、やはりというべきか…。日本にはシビアな評価のオンパレード。明るい材料はないものか。

　Ｅ組のライバルであるオランダの銀行、ＡＢＮアムロのエコノミストは先月１１日、Ｗ杯で優勝すると世界経済への効果が高い国が「日本とドイツ」と指摘した。

　「日本経済はドイツより規模が大きいが、貿易の数字ではドイツのほうが上だ」と、ドイツの優勝を最良とした。岡田ジャパンは下馬評を覆す快進撃で、世界的な不況を救えるか。